公開日: 2018年5月23日 - 最終更新日: 2022年9月6日

エリア別!食品工場の衛生対策まとめ

鈴木ちか
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こんにちは!まだ5月半ばなのに夏日が続いていて毎日暑いですね(汗)
先日久しぶりにロールキャベツを作ってみました、鈴木です!
今の時代、作りたいと思ったレシピをすぐに検索して調べることが出来るので、便利と思うと同時にすごいなぁとしみじみ思います。そんな中でも紙のレシピ本も手放せないですけどね^^

さて、今回の記事ですが、タイトルの通り、工場の中を特徴別にエリア分けして、それぞれのエリアに応じた衛生管理・対策についてまとめてみようと思います!
これまで書いた記事へのリンクもつけておきますので、必要なエリアに関しては是非昔の記事もご覧になってくださいね!

 

エリアによって対策は異なるの?

食品工場内で原料が製品へと製造していく中には、様々な工程が存在します。それに応じて、様々な工程に合わせた部屋、エリアがありますよね。

工場内の衛生管理で重要なことはエリアが変わったからと言って変わりません。整理・整頓・清掃・しつけ・洗浄・殺菌の「7S」をしっかり押さえ、異物混入や不良商品の起こらない環境を作ることが、食品工場に置いての衛生対策の基本であり目的となります。

この基本をしっかり理解したうえで、「粉末を扱うエリア」や「水を扱うエリア」など、そのエリアの特徴に合わせて注意すべき点や対策の仕方について、次の項目から見ていきましょう。

5Sからさらに進化!|食品7Sってなに?

 

「粉末」を扱うエリアの衛生対策ポイント

原材料に「粉末」が用いられる製品は多くあります。

粉末を「保管」する部屋や、「搬送」する通路、そして「製造」で使用する現場。これらのエリアでは少しの空気の流れで粉末が舞い上がってしまったり、こぼしてしまった時の掃除が大変だったりと、粉物ならではの衛生問題が発生しやすくなっています。

 

★清掃の際のポイント

粉末の種類にもよりますが、一般的な粉末を扱うエリアでは水での清掃があまり好まれません。湿気が粉末の原料を劣化させてしまう恐れがあるからです。そのようなエリアでは、箒や乾いた雑巾、掃除機を使って清掃します。
この時使用する清掃用具も、箒や雑巾の切れ端が異物にならないようなものを選んだり、掃除機で余計に空気を舞い上げないよう配慮が必要です。
掃除機で舞い上がった粉末+ホコリが、さらに部屋を汚染させてしまうことにならないよう、掃除の際には原料の封をしっかりと閉じ(本当は部屋から撤去してから掃除するのが理想です)、乾いた、または固く絞った雑巾やワイパーで清掃を行いましょう。

掃除機をかけた場合は、しばらく微粒子が空気中を待っているので、少し時間を置いてから次の清掃工程に移りましょう。

 

★【持ち出さない】対策も重要!

また、粉末を扱う部屋は、清掃と同時に、「粉末を部屋の外に持ち出さない対策」も重要です。舞い上がった粉末は大抵、重力により床へと落ち、靴底または台車の車輪へ付着して部屋の外に持ち出されてしまいます。
これを防ぐためには床が汚れた状態にしておかないことが大切なのですが、こぼしてしまうたびに原料に封をして清掃・・・となれば、労力も時間もかかってしまいます。

解決する案の一つとして、粘着マットを設置するという方法があります。部屋に入った人や台車は出る時に必ずこのマットを通ることで、靴底や車輪についた粉を部屋の外に出すことなく移動出来ます。更に、粉末が舞い広がる区域が狭まることで、工場内の他の区域の清掃も楽になり、工場の衛生管理にも役立ちます。置くだけで簡単にできる対策なので、是非役立ててみてくださいね。

異物混入の80%は足元から!ステップマットで対策を!

 

「水」を扱うエリアの衛生対策ポイント

水を扱わない食品工場の方が少ないと思います。原料である野菜の「洗浄」作業や、「冷蔵・冷凍」などをしている部屋で起きる結露、また「調理」の際に汚れが床に飛び散りやすいエリアは汚れを水で流せるような仕様になっています。
水や油を使うエリアはそれだけ汚れが激しく、また雑菌の繁殖しやすいエリアの為、それを踏まえた衛生対策が必要になってきます。

 

★清掃の際のポイント

紹介したとおり、「水」は放っておくと雑菌の温床になってしまうことを理解し、いつも濡れているようなウェットな環境のエリアは「毎日清掃」することが大切です。
水回りのエリアで清掃をしやすくするポイントをまとめた記事がありますので、是非参考にしてみてくださいね。

食品工場内で「水を扱う作業場」の衛生対策ポイント

 

★水を扱うエリアでは【カビ】対策は必須!

湿度が多い水を扱うエリアでは、カビ問題は切っても切れない悩みの種。
除去や清掃をしても、次から次へと生えてきてしまう工場内のカビ。カビの生えにくい環境を整えることで、しっかりと衛生管理を行っていきましょう。
その為に最も重要なのは「日々の清掃」と「湿度対策」によるカビの予防になります。

カビの予防対策をまとめた記事はコチラになります。水回りエリアの対策を今一度見直したい時は、是非チェックしてみてください!

カビの生えにくい環境を作る3つの方法|食品工場のカビ対策をはじめから

食品工場における天井の結露対策|今すぐ始められる結露対策3選

 

外が近い倉庫エリアの衛生対策ポイント

倉庫エリアは屋外から原料を受け入れたり、保管している原料を工場内の作業エリアへと運び入れたりと、「交差汚染」が大変起こりやすい場所。更には工場が大規模になるほど、フォークリフトなどの運搬車両がホコリを巻き上げたり、タイヤを介して他エリアへと運び込んだりしてしまうリスクも発生してきます。
このようにものを運び入れたり運び出したりと入れ替わりが激しいエリアも、食品工場内の衛生管理に置いては対策すべき重要な場所となってきます。

大抵こういったエリアは広く、清掃も大変ですが、毎日の清掃に加えて「持ち込まない対策」や「持ち出さない対策」などをピンポイントで行っていくことによって、交差汚染のリスクを減らしていきましょう。
倉庫内の汚れを3つに分けて解説した記事はコチラになりますので、チェックしてみて下さいね。

トラクションコントロールシステムとは?|フォークリフトのタイヤ跡対策

 

エアシャワーエリアの衛生対策ポイント

食品工場をはじめ様々な製造現場で採用されているエアシャワーですが、「エアシャワーさえ通ればホコリが取れている」と思って油断していませんか?
エアシャワーは確かにホコリを吹き飛ばしてくれるものですが、きちんとメンテナンスをしないと、逆にホコリを舞い上げてしまっている可能性も。

エアシャワーだけに頼らないよう、大きな汚れは前段階で落としておくこと、エアシャワー内にホコリが溜まらないように頻度を決めて定期的な清掃を行うことが大切です。
エアシャワーと合わせて対策することでエアシャワーの衛生度をより高めることのできる対策についてまとめた記事もありますので、会社に合わせた対策を探してみてください。

エアシャワーにプラスαで対策する4つの方法【異物混入対策】

 

まとめ

いかがでしたか?
工場の衛生対策と言ってもエリアによってポイントは異なります。
エリア毎に大切にしなければいけないポイントをしっかり理解して、自社に合った対策を行っていきましょう^^

 

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鈴木ちか

ウレタンの特性を活かし様々な商品を製造・販売している、株式会社エクシールで働いています。最近は食品工場向けの依頼が多く、仕事を通して学んだ製造業のアレコレを記事にしていきたいと思っています。同じ製造業の方が見て何かヒントになるような、そんな記事が描けるよう日々努力していきます!
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