公開日: 2018年5月30日 - 最終更新日: 2025年4月7日

毛髪混入防止の第一歩!食品工場の作業着の洗浄について考えよう

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こんにちは!エクシールの清水です。

今回の記事では、「毛髪混入防止の第一歩!」と題しまして、工場内従業員の【作業着の洗浄】について、起こりうるリスクと対策方法についてご紹介していきたいと思います。

 

※この記事は2018年5月30日に公開された記事ですが、リライトに必要な文言等を追記、修正して再度公開しました。

 

作業着の洗濯は会社で?個人で?

工場で使用している作業着は会社で洗濯していますか?個人で洗濯していますか?

このような質問をすると、半数以上の工場が「各自(個人)で洗濯している」というのが現状です。
しかし、工場の衛生管理の面から見てみると、個人宅での洗濯は場合によってはリスクが多く、特に近年、異物問題や食中毒問題などに世間が敏感になってきている食品業界では、小さなリスクが大きな事故につながる可能性があります。
そのため、「個人で洗濯をしている」という場合でも、そのリスクについてしっかり理解している必要があります。

 

 

個人での洗濯のリスクはどんなものがあるのか?

とある食品工場に毛髪混入によるクレームがありました。そこで混入していた毛髪を調べてみると、なんと混入していたのは「犬の毛」だということが分かったのです。
もちろん工場で犬を飼っていたというわけではありません。より詳しく調べてみると、その工場では作業着を従業員が自宅で洗濯することになっており、従業員が飼っている屋内犬の毛が、工場で作った食品に混入してしまっていたのです。

このように、個人での洗濯のリスクは次のようなものがあります。

ペットの毛の混入

ペットを飼っている場合、部屋の中にペットの毛が舞っていたりすることが多く、取り込んだり畳んだりする際に付着しやすいです。
またそうでなくても、他の家族がペットと遊んだ時の服を一緒に洗濯していたら、作業着に付着してしまう可能性はとても高いです。

 

一緒に洗った他の洗濯ものからのごみや汚れ・細菌移り

下着や靴下、外で遊んできた泥や汗の付いた子供服などと一緒に洗濯をしてしまうことで、汚れや細菌が移ってしまう恐れがあります。

 

干しているときにホコリや花粉が付着

私たちの生活している環境は思っている以上にホコリや細菌が多く、洗濯物を自宅で干しているときに、花粉やゴミ、細菌などが付着してしまう可能性も大いにあります。
乾燥機を使うという手もありますが、その場合も他の洗濯ものと一緒に回してしまうとごみやホコリが移ってしまうリスクがあります。

 

会社から持ち帰る時と会社へ持っていくときの袋にも注意

従業員が会社から作業着を持ち帰る時と、洗濯後の作業着を会社へ持っていくときの袋を同じものを使っている場合も多くあります。
せっかく洗浄した作業着も、汚れた作業着が触れた袋で持ち運びをしていたら、汚染の可能性は大きくなってしまいます。

 

従業員ごとに衛生管理の統一が難しい

異物が混入するという話とは少しずれますが、洗濯の仕方や乾燥の仕方、たたみ方や持ち帰りの仕方などは個人に任せていることが多いため、各従業員ごとの衛生度にバラつきが出てしまい、管理が難しくなるという問題点もあります。

 

 

クリーニング業者に洗濯を頼むときの注意点

作業着を回収してクリーニング業者に洗浄してもらうというやり方もあります。
その場合でも、その業者が家庭の洗濯と同じような流れで洗濯をしているようでは効果は全くないということになってしまいます。そのため、依頼するときも現場の確認をすることをお勧めします。
チェックのポイントは、他の洗濯ものと一緒に洗っていないか(専用の洗濯機かどうか)という点と、最後にアイロンがけの工程があるかどうかです。アイロンがけがあることで細菌による生物的危害を防止することが出来るためです。

また、社内で専用の洗濯機・乾燥機を設置する場合は、85℃の熱風乾燥ができる設備にすることで、殺菌処理が期待できるでしょう。

 

 

レンタルシステム(リース)を利用する

作業着を定期的に回収しクリーニングして貸し出してくれる、作業着のレンタルシステム(リース)を利用する方法もあります。
クリーニングやアフターケアの料金はレンタル料に含まれており、サイズ変更や、ほつれやほころびの修復、消耗による交換も無償で対応可能な場合もあるようです。

洗濯の頻度などによっては普通に購入するのと変わらない価格帯でできる場合もありますので、一度調べてみてはいかがでしょう。

 

 

従業員全体に危機管理の教育を!

作業着は働く従業員全員が持っているものです。衛生的な危機管理を会社としてしっかり行っていくためにも、普段着ている作業着によって起こリ得るリスクにはこんなものがあるという教育を、従業員全体に行っていくことが大切です。
自宅で洗濯する場合はもちろん、クリーニングやレンタルで作業着を管理する場合でも、自分の作業着のここがほつれている、ここが汚れているなどのチェックを作業員自身が行うことで、衛生管理の意識を向上させていきましょう。

衛生管理の意識向上は他にも、作業室に入る前のローラーかけや、エアシャワーの中に粘着マットを貼って、自分にどれだけのホコリがついているかを目で見て確認するなどの方法も効果的です。

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。
普段何気なく着ている作業着も、意識しないといけない点がたくさんあります。
また、作業着やユニフォームは社員だけではなくパートやアルバイトにも当てはまることになりますので、衛生管理の意識向上のためにも従業員全員に対する教育を行うことが大切だと思います!

 

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ウレタンゲルというやわらかな素材を扱った工場向けの商品を製造・開発する、株式会社エクシールに勤めています。海外向けのサイトを担当しており、国内外の製造者の方々へ新商品の紹介やご提案の仕事をしています。工場で働く皆様へ衛生管理の考え方や最新の情報を記事にしていきます!私ごとですが寒い時期の温泉がだいすきです。
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