こんにちは!エクシール清水です。
先日、昼間に車の試乗へ行ったのですが、夜に帰宅してポストを見ると対応してくださった営業の方から御礼状が入っていました。
とても迅速な対応に驚くとともに、お客様を大切にする姿勢が素晴らしいと思いました。私もメーカーに勤める身として、売りっぱなしではなく、フォローしていくことを大切にしていきたいです。
今回は【工場での入退場ルール】についてのまとめです。食品工場では食中毒や異物混入などの問題が起きると、世間に広まって企業イメージや消費者からの信頼を失いかねません。食品工場だけでなく、衛生管理が求められる工場に入る際は、異物を持ち込まないように気を付けなければなりません。社内でルールを設定し、全員が同じ工程を踏んで入退場する必要があります。
本記事を読んで自社でのルールが適しているのかを確認し、順番や工程ごとの管理を見直してみてはいかがでしょうか。
入退場で管理できる異物とは
異物といっても様々な種類があります。入退場で管理できる異物には、ほこりや菌などが挙げられます。ほこりはイメージがつきやすいかと思いますので菌について記述します。
人には常在菌と呼ばれる、健康な人の身体に日常的に存在する微生物がいます。多くは腸内に存在しますが、他にも口腔内や皮膚表面にも存在します。ちなみに腸内には100兆個、皮膚には1兆個です。
入退場で管理できる菌は皮膚に存在するもので、黄色ブドウ球菌やマラセチア真菌などがあります。黄色ブドウ球菌は食中毒の原因になりますし、マセラチア菌はフケの原因になります。そのため作業場に持ち込まないよう対策していくことが大切です。
工場への入退場の流れ
入退場は図のような流れとなります。これに加えて、この流れに入る前に自宅でできることもあります。例えば毎日風呂に入ることや髪の毛のブラッシングをすることなどが挙げられます。
工程ごとにポイントをチェック!
着替え
会社についてロッカーに私物を片付けた後は、指定のユニフォームに着替えます。
キャップを被る際はネットもつけましょう。作業着には種類がいくつかあるので、各自のサイズに合った自社の工場に適したものを着用するようにします。同時に爪や装飾品、香料なども鏡の前でチェックするようにしましょう。
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食品工場での異物混入を防ぐ白衣の選び方と着用方法とは?
着替えたら手洗いの前に体のほこりを落とす必要があります。ほこりを落とす方法として粘着ローラーとエアシャワーが挙げられます。
粘着ローラー
毛髪混入を防ぐ方法として効果的であるのは粘着ローラーです。ですが、ただかけるだけではなく、理想的なかけ方が存在します。ローラーのかけ方は次の通りです。
頭⇒帽子全体⇒肩から背中の上側⇒腕の外側⇒腕の裏⇒脇の下から腰
首回り⇒胸⇒腰⇒足の前・内側⇒足の横・後側
特に服のしわや首回りはローラーが触れにくいので注意してかける必要があります。実際に上記のようなかけ方をしたらどれくらい毛髪やほこりが取り除けるかを確認してみるのも良いかもしれません。
ローラーの種類としては多層剥離式でめくって捨てる粘着紙タイプと、ウレタンゲル製で水洗いして繰り返し使うタイプがあります。
(左)粘着紙タイプ (右)ウレタン製タイプ:詳細はコチラ
エアシャワー
エアシャワー室で衣類や帽子のほこりや塵を除去します。エアシャワーは粘着ローラーの仕上げのイメージで使用します。エアシャワーだけ使用しても完全な除去効果が得られる訳ではありません。必ず粘着ローラーと併用するようにしましょう。
床面に「ステップマット」を敷き詰めています。
手洗い
粘着ローラーやエアシャワーを通過してほこりを除去した後は、手洗いをして汚れや微生物を除去しましょう。効果的な手洗いの方法に沿って行うことで異物混入を防ぐだけでなく、病原微生物を除去し、感染症のリスクを減らすことができます。
★手洗いマニュアルに関する記事はコチラ☟☟☟
食品工場における手洗いマニュアル|正しい衛生管理で食品を取り扱おう!
上記リンクに記載の洗い方を実施するとともに、二度洗いやタイマーをセットして行うことも効果的です。
乾燥・消毒
手洗いをした後は、エアータオルまたはペーパータオルを使用します。
エアータオルというと手を差し込むタイプを使うことが多いですが、完全に落としきれなかった汚染物質の残っている水滴が内部の壁面に飛んで蓄積されてしまいます。そのため頻繁に内部の壁面を殺菌することが大切です。
あるいは差し込み式ではなく、シンクに一体となったタイプを使うと良いでしょう。これだと水滴はシンクに落ちて、エアータオルの殺菌も必要ありません。
ペーパータオルを使う場合はコストがかからず経済的ですが、拭いた後のゴミが出てしまうのが難点です。
コストを取るか資源を取るか、各工場で適切なものを選べると良いですね。
完全に乾燥させた後はアルコール消毒を経て作業室へ入場しましょう。
なかにはアルコール消毒をしないと作業室の入口のドアが開かない設定になっている企業もありますので、参考にしてみてください。
靴洗浄・殺菌
作業場所では作業服だけでなく、作業靴も汚れてしまいます。例えば食品工場では肉・魚・野菜などの残渣や脂肪が靴底に付着します。
ブラシや靴底洗浄機を使用して、溝に詰まっているものが残らないように洗剤で洗いましょう。
キレイに汚れを落とした後は、菌が残らないように殺菌します。
長靴の場合は消毒槽を設置して通過するようにしましょう。消毒槽の底に、硬めの人工芝などを入れるとより効果的です。
またスニーカーで作業をしている場合は除菌マットを通過すると良いでしょう。
ここでポイント!
・消毒液はこまめに換える。
・消毒槽や除菌マットの通過時間(浸す時間)を定める。
→消毒液や除菌剤の効果が十分に得られるようにするため。
・可能であれば入場用と退場用を分ける。
最後に靴を脱水して、靴を置く場所(履き替える場所)は乾燥させて退場となります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。大まかな流れをクリアしている企業は多いかと思いますが、細かく見ていくと注意すべきことがあったり、複数から適した方法を選択したりできます。まずは現状の把握をして最適な方法をルールとし、そのルールをいかに社内で共有するかを考えられると良いですね。