こんにちは。エクシールの藤吉です。
さて、今回の記事ですが、「工場管理」についてご紹介していこうと思います。
良く聞くワードだと思いますが、工場管理の仕事とは具体的にどんなことをするのでしょうか?
経営者の方だけでなく、工場の管理について任された担当者の方も、是非チェックしてみて下さいね。
※本記事は、2018年12月6日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して再度公開しました。
「工場管理」って?
「工場管理」とは、簡単にまとめると、工場での生産がより効率良くなるように行われるさまざまな施策のことです。
具体的には「生産管理」を中心とした「工程管理」「品質管理」「資材・運搬管理」「設備管理」「安全管理」「衛生管理」などがあります。
また、大きな枠で考えると、工場の立地や建設、施設の配置などを計画・管理する仕事も工場管理に含まれます。
工場は単に物を作るだけではいけません。良い品質のものを効率よく生産し、適切な価格で取引を行わなければ、工場が存続していくための「利益」が得られないからです。
工場管理が上手くいかないと、品質に不備が発生したり、効率的な作業が行われずに残業時間が増えたり、怪我や事故が起こってしまったりする危険性があるのです。
工場管理の内容
工場管理をするのはどういった立場の人なのでしょうか?
これは会社によって様々ではありますが、工場管理とひとくくりに言っても様々な項目があり、その一つ一つが工場を管理していくうえで重要なものばかりになりますので、すべてを一人で管理をするのではなく、それぞれの項目に責任者がいて管理している、という場合が多いです。
ここでは特に重要とされる4つの管理項目について内容を見ていきましょう。
生産管理
経営者やそれに近い幹部、現場の監督者クラスが行う工場管理の一つとして、生産管理があげられます。生産管理は、企業の生産計画に基づき製造のすべてを管理する大変重要なものです。
例えば、Aの商品が1000個注文があったときに、原料をいくらで仕入れて、どれだけの人員を使いどれだけの時間で製造するのか、といったことを計画し管理します。
複数の製品を製造している工場では、在庫状況の把握や作業の優先順位なども考慮していかなければならないので、臨機応変な対応も必要です。生産管理次第で工場は赤字にも黒字にもなると言っても過言ではないでしょう。
この生産管理でポイントとなってくるのは、計画した通りに製造がきちんと進行しているかを常に把握し的確な指示を行うこと、計画通りにいっていない部分はどのように修正していくかを考え、その都度対応していくことです。
また、日々の動きやこれまでのデータから起こり得る不測の事態をできるだけ想定し、備えるよう努めていくことも必要です。
品質管理
品質管理が担当するのは、その名の通り商品の品質です。
製品の品質基準を設定し、製造した製品はその品質を保てるよう維持管理していきます。具体的には、自社で製造している商品が「一定の品質をきちんと保っているか」をチェックし、問題がある場合は、原因を突き止め解決策を講じていきます。
一般的に製造業の品質管理は、製造現場と顧客の橋渡しとなり、お客様が満足していただけるような品質を常に管理していく部門ということになります。
品質管理で求められる考え方や能力は、今起こっている問題を見つけ、それが起こる原因を論理的に見極めること、それに、製造現場や客先とのコミュニケーションです。
他部署や顧客と柔軟に対応しながら、冷静に問題点を発見することが品質管理者には求められます。
安全管理
安全管理は、従業員の安全を守りつつ製品を製造できるようにマネジメントする部門です。
効率を重視しすぎるあまり作業員に危険がないか、マニュアルの書き方が簡略的になっていないか、それによって事故につながるような事態になっていないかを管理し、対策を行っていきます。
具体的には、従業員への安全教育や工程のチェック、製造設備などの定期点検などがあげられます。また、従業員が安全に作業できるよう、現場の環境や原料が安全なものか・または安全に扱われているかの調査なども行っていきます。
工場や生産管理の立場では効率的に製品を作る事が重要ですが、安全を管理する立場としては従業員への安全性を第一に考え、効率の面でも折り合いをつけつつ事故の起こらないようなシステムを構築していくことが重要となります。
衛生管理
食品工場における衛生管理は、食中毒の予防や異物混入防止など、自社から出荷された製品が衛生的に安全であることを管理していきます。
また、化粧品や医薬品など口に入る製品でなくても、直接肌に貼ったり塗ったりするような製品を製造している場合は、この衛生管理は重要になってきます。
近年特に世間からの注目が高まってきているこの衛生管理。食品工場では製造の過程で起こる汚染を、工程ごとに重点的に管理していくHACCP(ハサップ)という手法が用いられ、海外および日本での義務化も進んでいます。
↓↓HACCPについて詳しく説明した記事はこちらになりますので、興味がある方は是非チェックしてみてくださいね。
また、働く従業員の衛生環境を整え、働く環境を改善するという意味での「衛生管理(者)」という言葉もありますので、混同しないように注意しましょう。
工場管理に欠かせない“7つの可視化”
ここまでご紹介した管理項目に7つの可視化を加えることが重要です。工場管理の9割は、可視化が占めているといっても過言ではないでしょう。それは次の7つになります。
- モノ
- 4M
- QCDS
- 情報
- 日常管理
- 方向性
- 全体・経営
それぞれを詳しく説明していきます。
モノの可視化
完成品、仕掛け品、材料、不良品、工具、治具、ゲージなどを具体的にモノといいます。
これらが見えていない状態は、作りすぎや不良品を増やすこと、モノの探索、または修理に時間を費やしてしまいます。そのため、このような無駄を無くすため5Sを可視化することが重要です。
4Mの可視化
4Mは、生産をする上で必須なアイテムです。4Mとは、人(man),機械(machine),材料(material),方法(method)のアルファベットの頭文字をとって4Mといいます。何か問題が発生した際、これらの要素に原因があることも示しています。そのため、4Mを可視化することで問題が発生した際、早急に対処できるようになります。
QCDSの可視化
Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)、Safety(安全)の4つの頭文字を取ったものがQCDSです。生産目標を達成するためのQCDはよく耳にすることがありますが、これにSを加えると生産時の作業者の安全性についても重要視することになります。各要素が可視化されていなかったら、不良品や原価高騰、納期遅延や労働災害といった重大なトラブルが起こります。
情報の可視化
まずひとつひとつの製品は情報から作られます。
製品の企画という情報が作られた後、設計という情報、生産計画という情報が作られていきます。そして、モノの製造に着手していき、さらに製造段階でも様々な情報が生まれていきますので、これらを可視化できていないとすべて無駄になってしまいます。
方向性の可視化
どんな成長をしたいのか、どんな市場に向けた製品か、どのターゲットに向けた製品なのか、企業としてこれらの方向性を可視化することで判断を早くすると同時に、従業員を共有することで全体に一体感が生まれます。
目標となる姿を明確にして、そのビジョンを全体で共有しましょう。
全体・経営の可視化
会社全体と経営が視認できていないと成長はできません。
特にサプライヤーから始まるモノの流れ、顧客や最終消費者から逆らってくる情報を可視化しておかなければ、無駄なコストを生んでしまいます。
これら7つの可視化は工場管理においてとても重要な内容です。今後本格的な工場管理に取り組む際は、注意しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
工場管理と言っても、工場を効率的に安全に運営していくためには管理しなければいけないことがたくさんあります。経営者や責任者はこれらの管理者と密に連絡を取り合い、工場内の状況を把握していく形をとっていくとよいでしょう。
こちらもあわせてチェック!
▼会社の経営や管理を改善するヒントを内部監査から得る!