こんにちは!エクシールの鈴木です。
食品工場の製造ラインの中には「水を扱う」「床が水で濡れている」現場も多いですよね。ドライな環境での衛生対策とウェットな環境での衛生対策では注意すべき点も異なってきます。
この記事では、そんな水周りの作業場での衛生管理について、特に足元の異物混入対策という点に焦点を絞ってご紹介していきます。
工場内でのウェットエリア
普段から水を扱う、濡れている、床に水を流して使える、そんな工場内の『ウエットエリア』ですが、どのような場所が成りうるのでしょうか?
例えばカット野菜を取り扱う工場内では、野菜を洗浄する前処理室やカット加工室は常に床に水が落ちるので濡れています。
またお菓子や総菜の製造で油を使う場面では、飛び散った油などを洗浄するため床に水を直接流せる仕様になっています。
冷蔵室や冷凍室などは冷気による結露が発生し、ウェットな環境になっています。
こういったエリアは大抵防水性の加工がされた床材を使っていたり、洗浄に使った水を排水するダクトがあったりします。
水周りだからこその問題点
上記にあげたような水や油が飛び交っている場所はそれだけ汚れが激しい場所になります。 床が常に水浸しになっているということは、それだけで雑菌や虫が繁殖しやすい環境であるということです。
ウェットエリアを通った靴で他の場所を歩き回れば、ドライに保ちたい場所が濡れてしまったり、交差汚染によって汚染されてしまう恐れが出てきてしまうでしょう。
対策の方法は?
説明した通り、濡れた状態で床を放置しておくと雑菌や虫の温床になってしまいますので、しっかりとした対策が必要となってきます。 特に、床はもちろん腰から下の位置の壁面は、毎日の頻度で清掃をすることが望ましいです。
部屋内のレイアウトを工夫することも大切な対策です。作業台を壁から15cm以上離した位置に配置する・機器は床に直接つけずに足を高くする・棚をキャスター付きにして清掃時に移動できるようにするなどの工夫で、洗浄の効率や効果がぐんと上がります。合わせて作業ルームに入る前に従業員の靴を次亜塩素酸などで消毒する方法も効果的です。
また、常に濡れる床は傷みやすく、床材が剥がれてきたり、ひびが入ったりしやすくなります。この隙間は雑菌や虫の発生源となりますので、剥がれやヒビを見つけたら隙間を埋めるなどの修復をしたり、防水効果があってひび割れしにくい床材を使うのが良いでしょう。
粘着マットは使えるの?
よく工場で現場の方や品質管理の方に質問されるのは、粘着マットは使えるか、ということです。
確かに、洗浄や消毒では菌を殺したり、繁殖を防いだりといった効果はあります。しかし「異物混入防止」という面から見ると、それだけではなく「異物を持ち込まない/持ち出さない」という対策も重要になってきます。
せっかく作業ルームをキレイにしても、人や動物の毛、虫やプラスチックの欠片などが持ち込まれていては効果がありません。しかし、粘着マットは水気の多い場所では粘着力が弱まり、あまり効果を発揮できません。そこで、次のような方法がオススメです。
- 濡れた場所に入る前の乾いた場所で使用する
- 先に吸水マットで水気を取ってから使用する
粘着マットを使う目的は異物を持ち込まないことと他のゾーンに持ち出さないことにあるので、ウェットエリアであっても設置する場所を工夫することで十分効果を発揮できると思います。
まとめ
水を扱う作業場の衛生対策についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。水周りを避けて間接的に粘着マットを利用することで、異物混入対策ができます。
また、これから工場を作るという場合は、これらの異物混入対策や他のエリアとの導線を考慮に入れたゾーニングを考えるとよいでしょう。