こんにちは。編集長の鈴木です。
大好きなコンビニスイーツがすっかりハロウィン仕様になっていて、秋の深まりを感じているこの頃です。
そんなスイーツなどを作っている食品工場ですが、異物対策の一環として、特にフォークリフトなどの屋内搬送車輌を使う工場で、重量物用粘着マット「リフトマット®」の導入が広まってきています。
この記事ではリフトマットの開発担当者に、開発の経緯や苦労についてインタビューしたものをまとめました。
「ウチじゃ使えない!」ユーザーの声から生まれたアイデア
食品に対する安全性への関心がどんどん高まってきている近年。特に「異物混入」に関しては、一度起こればニュースやSNSで拡散されてしまい、工場の停止や売り上げの減少、企業の印象低下など、その損害は計り知れません。
そんなリスクを未然に防ぐため、フォークリフトのタイヤについた汚れを吸着してきれいにする、「リフトマット」の導入企業が増えてきているそうです。
今回はリフトマットの開発に携わった、川島さんに話をお聞きしたいと思います。
この商品についてですが、作ろうと思ったきっかけなどあれば教えてください。
川島:エクシールの商品で元々「ステップマット」というのがありまして。そのマットのユーザーさんからの要望が一番初めですね。
ステップマットは、水で洗うことで粘着力が復元して繰り返し使える、人・軽台車用の粘着マット。従来の粘着マットと異なり、埃の吸着力に優れ、めくる必要がないため、工場内の廃棄ゴミの量も減るという優れものです。
現在クリーンルームなどを持つ食品・電子部品工場で広く使われている、ロングヒット商品です。
川島:ある日ステップマットを導入していただいているお客様から、「すぐに壊れてしまうから使えない」と連絡があったんです。あわてて工場を訪問させていただいたら、その会社さん、3tのフォークリフトでマットの上を通っていたんです。
人用のマットにそれは、だいぶ重量オーバーですね・・・。
やわらかいウレタン製のステップマットは重さに耐えきれず、ズタズタに引裂かれた状態だったそうです。
川島:話を聞くと、フォークリフトのタイヤについたゴミが異物混入の原因になるだけでなく、工場の床もタイヤ跡だらけになって困っている、とのことでした。
めくるタイプのもので試そうとしたこともあったそうですが、粘着紙が破れてめくれあがってしまい、タイヤに巻き込んでとても危険だったそうです。
それは危ないですね。事故にもつながりかねませんし。
よくよく見れば、破れてしまったステップマットも、元の色がわからなくなるくらいに真っ黒。破れてしまっていたものの、タイヤの汚れがごっそり取れていたのは明らかでした。
川島:ちょうどその頃、他の案件でも似たような声が上がっていたんです。工場の中を原料などを積んで無人で搬送するAGVや、ハンドリフト等のタイヤ汚れをなんとか対策出来ないかと。
重いものを載せる製品は今まで作ったことがなかったのですが、お客さんの声に後押しされて、「リフトも通れる粘着マット」の開発が始まりました。
超少数精鋭の開発!2年間の試行錯誤の日々
リフトマットの開発には、どれくらいの方が携わったんですか?
川島:私と、もう一人中心となって開発した担当、それと社長の3人ですね。
3人だけで作ったんですか。
開発に際して苦労したことなどあれば、教えてください。
川島:重いものが通過したときのヨレがなかなかなくならなかったのと、巻き込みがこらないようにするのが大変でした。特に後者は、マットが剥がれてタイヤに巻き込んでしまうと事故にもつながりかねませんから。
ウレタンの粘着性を保持しつつ強度を上げるために、何十種類も配合の違う材料を試しました。

それでたどり着いたのがこの形だったんですね。
川島:ステップマットもですが、うちのマットは設置もウレタンの粘着性を利用していて、床に置くだけで設置が出来ます。しかし重量のあるリフトが通った場合、上下同じ粘着力だとタイヤの方にマットがくっついてしまい、めくれあがってしまうんです。
そこで何度も試作を重ね、裏と表で異なる樹脂のマットを作りました。ようやく商品として発売できた時には、開発から2年くらい経っていました。
2年の試行錯誤を経て、リフトマットは完成したんですね。
なるほど。マットを見ると、地面に貼る側の方がやわらかく、粘着も強くなっています。

開発は終わらない!異物ゼロを目指して
今後、リフトマットをどんな製品にしていきたいというのはありますか?
川島:実は、製品化はしていますがリフトマットは年々改良を続けています。
強度ですとか、掃除のしやすさですとか。大きなリフトも通れるよう、大判のサイズが作れるように製造環境を整えたり。
なるほど。今後、より使いやすくなっていくんですね。
川島:お客様から要望が上がってくるということは、それだけ期待していただいているということですからね。改良も手を抜くわけにはいきません。
今後こんな商品になって欲しい、こんな人に使ってもらいたい、というのはありますか?
川島:発売されてから数年が経ち、徐々に導入企業も増えましたが、まだ認知度は高くはありません。でも、お客さんのほとんどは、私達が紹介する前から工場床のタイヤ汚れが気になっていて、対策出来る物を探していた、という人ばかりなんです。
工場内の床の汚れで困っている方はたくさんいます。今後そういった方にリフトマットを知ってもらって、タイヤ汚れは対策出来るんだということがもっと広まるといいなと思います。
今まで対策したくてもできなかった部分が対策出来るようになる。工場内の衛生対策も、リフトマットで一歩先に進めそうな気がします。
色々なお話を聞かせていただいてありがとうございました!
まとめ
工場の数だけ悩みがあり、悩みの数だけ新しい対策が生まれてくるんですね。
リフトマットも含め、エリアや用途に合った衛生管理をすることで、日本中の工場の中がもっとクリーンになるといいですね。


