こんにちは!エクシールの清水です。
先日大寒波が訪れて、岐阜も雪で真っ白になりました。エクシールでは雪かきが常備してあるので始業前に社員全員で雪かきをしました。(正直雪かきは苦手です…)春までにまだ雪が降るのか気になりますが、はやく暖かくなるといいなぁと思います。
さて、話は変わりますが以前FSSC 22000に関する記事を挙げた際に【PAS 220】というワードが出てきました。PAS 220とはFSSC 22000における前提条件プログラム(以下PRP)の具体的な内容を示す規格です。本記事ではPAS 220に関する具体的な内容を見ていきたいと思います。
▼FSSC 22000に関する詳しい記事はこちら
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PAS 220とは
PAS 220とはFSSC 22000におけるPRPの具体的な内容を示す規格です。このPRPはISO 22000【要求事項7.2.3】の11項目に新たに4項目を追加した計15項目になっています。
PAS 220要求事項の内容
PAS 220の「4~13項」はISO 22000【要求事項7.2.3】の内容とほぼ同じになります。【要求事項7.2.3項】の「k)その他」がPAS 220の「14~18項」で具体的な項目として追加されています。ではPAS 220の内容を見ていきましょう。
4.建屋の構造及びレイアウト
⇒使用する設備の構造と配置
5.建物及び作業場のレイアウト
⇒従業員施設(更衣室、休憩室、洗面所、トイレなど)及び作業区域のレイアウト
6.ユーティリティ(空気、水、ガス、氷、スチーム、エネルギーなど)
⇒ユーティリティの供給源や供給設備の管理方法
7.廃棄物処理
⇒廃棄物や排水処理の方法
8.装置の適切性、清掃・洗浄およびメンテナンス
⇒清掃、洗浄、修理、点検のしやすい設備や装置の使用
9.購入した資材の管理
⇒購入資材 { 原料・材料、製品、化学薬品(洗浄剤など)、包装材料、ユーティリティ、廃棄物など } の保管や移動、輸送方法についての管理
10.交差汚染の予防対策
⇒交差汚染(異なる種類の食品やそれらを扱った器具、異なる仕事をしている作業者などの接触による汚染の広がり)を防止するためのルール
11.清掃・洗浄及び殺菌・消毒
⇒施設の清掃や設備、道具の洗浄及び殺菌・消毒の方法
12.有害生物の防除
⇒有害生物(鼠、昆虫など)の防除の方法
13.要員の衛生及び従業員用施設
⇒作業者の衛生管理のルール
ここから新たに追加された項目です。
14.再加工
15.製品のリコール手順
⇒ISO 22000の「7.10 安全上で問題が発生した場合の処置、安全でない可能性がある製品の処置」の内容を補完しています。 許容限界を超えた場合や徹底管理ポイントに問題があった場合にのみ対処するのではなく、あらゆる状況において再加工やリコールの対処 をとっていこうといった内容になります。
16.倉庫保管
⇒【要求事項7.2.3 f)食品や資材の、保管、移動、輸送の方法」の内容から派生したもので、購買先の評価や輸送車両の点検などが追加されています。
17.製品情報/消費者意識
⇒ISO 9001の「7.2.3 顧客とのコミュニケーション」の内容(製品情報を提供する媒体は何か、顧客からの意見を聞くなど)にあたり、これをより具体化したものだといえます。
18.フードディフェンス、バイオビジランス、バイオテロ
⇒フードディフェンスとは食品への意図的な異物の混入を防止する取り組みのことです。自分たちが気を付けていても、悪質な外部からの攻撃(わざと異物を混入させるなど)に合うことを想定し、この項目が設けられています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。PAS 220は細かく内容が指定されているので、FSSC 22000の取得に取り組む際も、わかりやすい内容になっていると感じます。ぜひFSSC 22000を取得しようとする際には、ISO 22000の内容だけでなく、PAS 220についても見直してみてくださいね。