公開日: 2018年2月13日 - 最終更新日: 2025年4月7日

その7:検証と記録の文書化|初心者のためのHACCP(ハサップ)のはじめかた

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こんにちは!エクシールの清水です。

さて、本日でHACCPの記事も最終回。今回は【検証と記録の文書化】についてお話しします。

 

※本記事は2018年2月13日に公開していますが、必要な文言等を追記し、再度投稿しました。

 

HACCPの「検証」とは?

検証とは、HACCPシステムがHACCPプランに従って実施されているかどうか、HACCPプランに修正が必要かどうかを判定するために行われる方法、手続き、試験検査をいう

引用:山口フードコンサルティング(株) HACCPとは- ISO22000/FSSC22000/HACCP認証取得

いくら作りこまれたHACCPプランでも、作っただけではその有効性が証明できませんよね。
そこで、作成したHACCPプランに従い、実際に製造してみたうえでその有効性を評価し、システムがしっかりと機能しているのかを確認することが大切になるわけです。
この確認の手段のことを「検証」といいます。

検証を行うと、作成したHACCPプランの弱い部分を発見でき、その弱みに修正を重ねることで、プランの質を上げることができます。
常に適切な管理をするために、検証は定期的に行い、HACCPプランを改良していくことが望ましいです。

 

検証は大きく分けて下記の2つがあります

〇HACCPプランに従って管理が行われているかの検証
・モニタリングに使用する測定装置の校正
・原材料、中間製品、最終製品の試験検査
・モニタリング記録、改善措置記録、検証記録の確認 等

 

〇HACCPプランが有効に機能しているかの検証
・消費者からの苦情原因の解析
・現場の声を聴き、現場の実態を確認
・法令等規格基準への妥当性を確認
・最終製品の試験検査 等

引用:一般財団法人 食品産業センター 手順11 検証方法の設定 | HACCP関連情報データベース

 

HACCPプランに従って管理が行われているかの検証は、「モニタリング記録の確認は毎日」、「測定装置の校正が行われているかは〇ヶ月に1度」など、頻度を決めて行うとよいでしょう。
HACCPプランが有効に機能しているかの検証は、原材料に変更があるときや、新たな危害要因が発見されたとき、食中毒などの事故が発生した時など、必要に応じて行います。

あらかじめ、担当者を決めておき、結果を記録して見直すようにしましょう。

 

 

記録の文書化と保管

HACCPシステムでは記録を取り、保管することも重要です。 正確な記録をとることは、「HACCPを実際に行った証拠」になります。
また、製造した食品に問題が発生した時に保存しておいた記録を見返すことで、原因の手がかりを発見できる可能性もあります。

重要管理点(CCP)ごとに作成したHACCPプランに合わせて、モニタリングの記録を行ったり、改善措置、検証の記録を定期的に行い、大切に保管しておきましょう。

記録する際は、ボールペンなど簡単に書き換えられないものを用い、空欄がないようすべての項目を正確に埋めましょう。保管場所や保管期間を決めておくと、現場での管理もしやすくなるでしょう。

 

 

まとめ

検証を行うことは、新たな危害要因に気づいたり、より良い管理ができるきっかけになります。
タイマーや温度計など、点検時期が分からない場合は、購入時についてきた説明書やメーカーの商品サイトを見直し、推奨されているメンテナンス期間を確認してみるとよいでしょう。

常に検証・記録し、より質の高い管理を目指していけるとよいですね!

 

 

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ウレタンゲルというやわらかな素材を扱った工場向けの商品を製造・開発する、株式会社エクシールに勤めています。海外向けのサイトを担当しており、国内外の製造者の方々へ新商品の紹介やご提案の仕事をしています。工場で働く皆様へ衛生管理の考え方や最新の情報を記事にしていきます!私ごとですが寒い時期の温泉がだいすきです。
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