公開日: 2021年12月23日 - 最終更新日: 2022年9月1日

食中毒予防の三原則をはじめからわかりやすく!|①食中毒の原因と予防三原則

藤吉きらら
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こんにちは!エクシールの藤吉です。

今回の記事では食品工場で気を付けるべき食中毒予防の三原則についてご紹介します!是非三原則を徹底して寒くなってきたこの時期に食中毒が起こらないよう対策できると良いですね。早速見ていきましょう。

※2018年2月22日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して再度公開しました。

 

毎年問題になる食中毒…

毎年ニュースに取り上げられる「食中毒」。
一度事件が起これば報道は免れず、会社の信頼も失われてしまいます。

食中毒とは有害な物質に汚染された食品を食べたことで、腸内で細菌やウイルスが増殖し、腹痛、下痢、嘔吐、発熱などの胃腸障害、言語障害、知覚障害、呼吸困難などが数日から二週間程度起こることです。
下痢や嘔吐が長時間続くと脱水症状を引き起こし、最悪の場合、命にも関わる重大な事故に発展してしまう恐れがあります。

 

人の体内に入る食品やサプリメントなどに携わる企業は、「食品事故」といった取り返しのつかない事態になってしまう前に、対策をしっかりと行っていく必要があります。

 

食中毒の原因

食中毒を引き起こす原因となるのは、主に「細菌」「ウイルス」といった微生物です。
食中毒を起こす微生物には、「カンピロバクター」「サルモネラ菌」「黄色ブドウ球菌」「腸管出血性大腸菌(O-157)」「ウェルシュ菌」「ノロウイルス」「アニサキス」など様々な種類があり、それぞれ増殖する条件や弱点などが異なります。

過去には、肉の生食提供をしていた飲食店でのカンピロバクターによる食中毒やアニキサスが魚に寄生しており人へ感染した事例がありました。このように、菌やウイルスが増殖した食品を食べることで健康被害が起こります。
近年では、ノロウイルスは食品から感染する食中毒だけでなく、人どうしで排泄物などを介して感染するようにもなったのでより注意が必要です。

自社で取り扱っている食材がどの微生物に汚染される恐れがあるのかを見極めた上で、最適な対策を行っていきましょう。

 

食中毒の起こりやすい季節

一般的に、細菌は「あたたかい気温」と「湿度」を好みます。そのため、夏場は細菌の増殖が活発になり、食中毒が起こりやすくなります。

一方、ウイルスは「低温」で「乾燥」した場所で長く生存できるため、冬場に起こりやすくなります。

 

時間の経過と細菌数の変化

細菌は、細胞の2分裂によって増殖し、速度は菌種によって異なります。
例として大腸菌腸炎ビブリオを挙げると下記の表のようになります。

1個の細菌は目には見えないですが、14万個以上にもなるとコロニーという集落を形成されます。
集落1個は細菌1個から形成されたものなので、集落数を数えることで菌数を測定できます。

腸炎ビブリオは大腸菌より分裂速度が早いため、食中毒を起こしやすいです。
家庭内で食中毒を起こすのが少ない理由は、増殖する前に喫食をしているからであり、前日に調理したものが食中毒を起こしやすいのは、食中毒菌が徐々に増殖しているからです。

 

食中毒予防の三原則

食中毒は、食中毒を引き起こす細菌やウイルスが食品を経由して体の中に入ってしまうことが原因で引き起こされます。これを対策するために食品工場で行われているのが「食中毒予防の三原則」というものです。

 

1.食品に菌をつけない/持ち込まない

細菌の場合、食品に付着するとその食品中で増殖し、毒素を生み出してしまいます。またウイルスの場合、細菌よりもごくわずかな数で食中毒を発生させてしまう力を持っているので、特に「食品につけない」、さらには食材を扱う場所に「持ち込まない」ことが最重要となってきます。

例えば手洗いを徹底して人から食品への菌の移動を防いだり、調理器具はアルコール除菌をして道具から食品への菌の移動を防いだりすることができます。
さらには生食用の野菜や果物、調理済みの食品に、肉や魚のドリップがかからないようにしたり、包丁やまな板は肉・魚・野菜用で使い分けたりすることで、食材から食品への菌の移動も防ぐことできます。

 

詳しくは次の記事を読んでみてくださいね。

食中毒予防の三原則をはじめからわかりやすく!|②食品に菌をつけない

 

手洗いに関する記事はコチラをご覧ください。

食品工場における手洗いマニュアル|正しい衛生管理で食品を取り扱おう!

 

2.食品中で菌を増やさない

食品に付着した細菌は「気温」や「湿度」などの条件がそろうと、どんどん増殖していきます。食品中で細菌が増殖すればするほど食中毒の危険性も増えていきます。
病原体となる細菌はおおよその発症菌量(どのくらいの菌が体内に入ると発症するか)が分かっているため、増やさない気温や湿度の管理が必要です。

温度管理が必要な食品はすぐに冷蔵庫(10℃以下)や冷凍庫(-15℃以下)に入れましょう。冷凍・解凍を繰り返すと微生物が繁殖する場合があるので、1回で解凍する分だけ小分けにして保存すると良いですね。
解凍方法も室温ではなく冷蔵庫や電子レンジで行うと、微生物の繁殖を抑えることができます。

 

詳しくは次の記事を読んでみてくださいね。

食中毒予防の三原則をはじめからわかりやすく!|③食品中で菌を増やさない

 

3.食品中の菌を殺す

多くの細菌やウイルスは加熱することで死滅し、毒性をなくします。その他にも紫外線を利用した殺菌灯やアルコールなどといった手法で微生物を殺し、食中毒の危険性を少なくします。これは商品を出荷する際や、入荷した食品を調理する際に重要となります。

加熱調理する食品は十分に加熱します。温度を高くするだけでなくどのくらいの時間加熱するかも大事なポイントです。
一般的に75℃で1分、ノロウイルスなど一部の菌は86℃で1分が目安です。

 

詳しくは次の記事を読んでみてくださいね。

食中毒予防の三原則をはじめからわかりやすく!|④食品中の菌を殺す

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。私自身も牡蠣にあたったことがありますがとても辛かったのを覚えています。
個人の家庭レベルで気を付けるのはもちろん、企業レベルになると集団感染やニュースに取り上げられるなど信用を失いかねません。食中毒予防の三原則を徹底し、食中毒が起こらないように徹底していきましょう。

 

 

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藤吉きらら

ウレタンゲルという柔らかい素材を活かした商品を開発している株式会社エクシールに勤めています。仕事をしていく上で、挨拶・笑顔は大切だと思います。日常生活で心掛けていきたいです。抹茶のお菓子だいすきです!!
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