こんにちは!エクシールの清水です。
これまでの記事でHACCPシステムについて調べたことで、既製の食品について今までより意識するようになりました。
HACCPの管理手法では微生物が原因で食中毒になったり、金属や石等によって歯が欠けたり、「人体に影響を及ぼす」ものを排除する工程が集中的に管理されます。
それでは、施設の整備や、従業員の教育訓練、毛髪の混入対策など、食品を製造するうえで工程に含まれないものの管理はどのように行えばよいのでしょうか?
HACCPシステムには、「前提条件プログラム(PRP)」というHACCPを取り入れる前にやっておくべきプログラムがあります。今回は、HACCPシステムの【前提条件プログラム】について、どんなものなのかをお話しします。
▼HACCPって何?という方はコチラ
※本記事は2018年2月20日に公開していますが、必要な文言等を追記し、再度投稿しました。
HACCPの土台・前提条件プログラム
前提条件プログラムとは施設の保守点検や、食品の衛生的な取扱い、従業員の衛生管理、調理器具の洗浄・殺菌など、食品製造の工程には含まれないものの、食品を製造する現場で衛生的な環境を保つために必要な管理のことです。
これができていなければ、HACCPシステムを取り入れても虫や小石の混入などの危害要因が増え、集中した管理が難しくなり、食品を衛生的に取り扱うことが困難です。前提条件プログラムは、HACCPシステムの土台のような役割なので、まずはこのプログラムを確実に実施していくことが必要なのです。
前提条件プログラムで管理する事項
- 施設の保守点検及び衛生管理
- 設備及び機械器具の保守点検及び衛生管理
- 食品等の衛生的取り扱い
- 設備及び機械器具の洗浄殺菌
- 従事者の衛生教育及び衛生管理
- そ属・昆虫の防除
- 使用水の衛生管理
- 排水及び廃棄物の衛生管理
- 製品等の試験検査に用いる機械器具の保守点検
- 製品の回収方法
山口フードコンサルティング(株)より引用(前提条件プログラムとは- ISO22000/FSSC22000/HACCP認証取得)
ざっと並べてみると、「こんなにたくさんあるのか…」と思ってしまいますが、食品を取り扱っている工場であれば、すでに行っている管理がほとんどだと思います。
例えば「5S」もしくは「7S」という言葉を聞いたことがありませんか?
「整理・整頓・清潔・清掃・躾(しつけ)」(7Sであれば「洗浄」・「殺菌」も追加)に関する活動です。この活動も前提条件プログラムに沿っています。これに追加して、各工場で環境に合った衛生管理をすることが重要となります。
▼5Sについて詳しく知りたい場合はこちら
まとめ
前提条件プログラムは、上記でも示した通り、「5S」など、どの工場でもある程度行われているものです。
重要管理点にならない毛髪の混入や不衛生な設備も、消費者にとっては気分が悪いもの。前提条件プログラムの管理不足による不良品を減らせるように、現場がどのように活動を行っているのかを確認しましょう。
消費者の立場に立ってみることで、「管理不足なのでは?」と、不安に感じる点が出てくるかもしれません。足りない部分や、あいまいな部分を洗い出し一度対策を練ってみてはいかがでしょうか。