こんにちは!エクシールの清水です。
今回は食品工場で欠かせない白衣やユニフォームについて、【異物混入を防ぐための選び方と着用方法】をご紹介します。食品工場において衛生管理は非常に重要です。異物混入が発生した場合の影響は企業にとって計り知れません。白衣(作業着)は、食品安全を確保するための基本的な防護手段となります。
本記事を読んで適切に着用できるようにしましょう。
※この記事は2018年4月8日に公開された記事ですが、リライトに必要な文言等を追記、修正して再度公開しました。
作業着の種類
まず食品工場用の白衣には「帽子」「上着」「パンツ」「エプロン」があります。他にもマスクやシューズカバー等の小物もありますが、今回は4種の白衣について見ていきます。
① 帽子
帽子には八角帽子やフードキャップがあります。
八角帽子は昔から工場で使用されるような帽子ですが、毛髪対策の効果はあまり期待できません。逆に毛髪対策に優れているのはフードキャップです。ケープ付きは上着の中に入れ込むことで、より毛髪対策に効果的だと言えます。
またどの種類の帽子を被る際も、インナーキャップを使用すると良いでしょう。インナーキャップとは帽子の下に被り、毛髪がはみ出ないようにするものです。
② 上着
上着にはシャツタイプやコートタイプがあります。大きく異なるのは裾の長さです。
コートタイプは腰回りから太ももまで覆うことができます。どちらのタイプにしても異物混入を防ぐために適しているのは、体毛が落ちないよう内側にネットが付いたタイプです。このネットは二の腕あたりまで(半袖くらいの長さ)のアームガードと、手首あたりまで(長袖くらいの長さ)のリストガード、ウエストまでのウエストガードがあります。
また、前開きタイプにする事で、脱着しやすく、隙間が少ない構造になったり、シームレス(縫い目を減らした構造)のものは酸い目に異物が溜まるリスクを最小化します。
以前、毛髪混入対策の記事でもご紹介しましたが、帯電防止の白衣を使うことで、ほこりや毛髪を寄せ付けず、エアシャワーでほこりを落としやすくなります。
③ パンツ(ズボン)
パンツはウエストをゴムにすることで、ベルトを使用するよりもさらに異物混入に効果的となりました。基本的にはポケットのないデザインになっており、私物の持ち込みやポケットから異物が落下するのを防ぎます。
また、上着と同じく裾の内側にネットがあり、レッグガードが付いたタイプがあります。こういったガードの付いたものは、体毛をはじめとする異物混入の防止に最適です。
④ エプロン
エプロンにはウレタン製、合成ゴム製、塩化ビニール製、EVA製などがあります。
ウレタン製は耐油性・耐寒性に優れており、無毒で軽い素材となります。合成ゴム製はウレタン製における耐油性・耐寒性の特徴に加えて、耐熱性も優れているため、火気を扱う場所にも最適です。塩化ビニール製は耐酸・耐アルカリ性だけでなく対候性や絶縁性にも優れています。そしてEVA製は可塑剤を含まないので、低温焼却をしてもダイオキシンの発生がありません。
衛生面で厳しい条件が求められる場合は、EVA製のエプロンを使うと良いでしょう。
作業着の素材や色の選定
前項のエプロンでも素材の違いを紹介しましたが、白衣に使用する素材は、食品工場での衛生管理において重要な役割を果たします。以下のポイントを押さえた素材や色選びが、異物混入のリスクを最小限に抑えることに繋がります。
■ 防塵素材
繊維くずやほこりの放出が少ない素材。
■ 通気性と快適性
作業者が長時間着用しても快適であることが大切です。
■ 静電気防止加工
静電気による異物の付着を防ぐために加工された素材。
■ 白色または淡い色
汚れや異物が目立つため、即座に対応できます。
作業着の着用方法
着用方法を順に見ていきます。
① 着用前にも手洗いを徹底し、清潔な状態にする。
② 前髪をヘアバンド等でおさえ、インナーネットを被る。
頭全体を覆うように、前髪だけでなく後ろ髪もしっかりネットに入れましょう。
③ フードキャップを被り、あごの部分をしっかり留める。
被り終えたらもみあげ部分や毛髪がはみ出していないかを鏡でチェックしましょう。
④ 帽子のたれ(帽子についているネット)を上着の中に入れて、上着を着る。
⑤ ウエストガードをパンツの中に入れてからパンツをはく。
上着を閉める前にパンツをはきましょう。インナーを確認し、異物や私物の持ち込みがないかを確認します。
⑥ 首に隙間ができないように、上着の前を上まで閉める。
隙間ができる場合、帽子あるいは上着のサイズが合っていない可能性があります。サイズの合わない服は、身体と衣服の隙間から異物が混入する可能性があるため、自分に合ったサイズの白衣を着用しましょう。
⑦ マスクを鼻に密着させ、あごの下まで覆う。
⑧ 着衣に粘着ローラーをかける。
上から下へ向かってローラー掛けをします。鏡を見ながら決められた時間行います。
着用時の注意事項として、専用エリアでの着脱を徹底し、その他の場所では禁止することや、汚れた白衣や破損した白衣は使用せず、速やかに交換すること、携帯電話、アクセサリー、ペンなどの異物の持ち込みを禁止することなどが挙げられます。
まとめ
単に白衣を着ていれば異物混入を防ぐことができるというわけではなく、しっかりと自分に合ったサイズのものを着用し、製造現場の環境や仕事内容を考慮して素材を選びましょう。
また、いくら白衣を着ていても白衣や帽子、靴底にはほこりが付いてしまうことがあります。そんなときは粘着ローラーや粘着マットを使用して着用後にも異物混入対策ができると良いですね。
▽参考サイト
【食品白衣メーカー解説】食品工場白衣用ジャンパー・ズボンの正しい選び方・着用方法! | 食品工場用作業着・衛生白衣・ユニフォーム通販のSEASON静岡