こんにちは!エクシールの清水です。
さて、今回のテーマは「防虫対策」で用いられる【捕虫器】についてです。
食品工場や飲食店において、虫の侵入は異物混入のリスクを高める重大な課題となっています。器機を用いた「防虫」「殺虫」「捕虫」対策は、衛生管理の基本的な対策として多くの現場で活用されてますが、実際どのような種類のものがあるのか、具体的に見ていきたいと思います!
防虫対策を含む大きなテーマとなる「ペストコントロール」について知りたい方は、下記ブログをご覧くださいね!
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※この記事は2018年4月11日に公開された記事ですが、リライトに必要な文言等を追記、修正して再度公開しました。
防虫対策の基本と重要性
食品に関する業界では特に細心の注意を払って対策されているのが「異物混入防止対策」。
せっかく買った食品に異物が入っていた、なんてことになったら、消費者としてはがっかりですよね。正直同じ会社の食品は二度と買いたくない‥と思うこともあるかもしれません。このように異物混入防止対策をすることはブランドイメージを保ち、顧客の信頼を維持することにつながります。
では、もし食品に入っていた異物が、虫などの不衛生なものだったらどうでしょうか。
虫が一匹混入していただけで大きなクレームになったり、最悪の場合混入した虫が保有する菌によって感染症が引き起こされたりというリスクがあるため、防虫対策はしっかりと行っていきたいですね。
さて、そんな防虫対策の基本ですが、すべての虫に効果抜群の対策があるわけではありません。
この記事では、外から侵入する可能性のある飛翔性の虫についての防虫対策についてまとめていきたいと思います。
外から侵入する可能性のある虫に対する対策の基本は、まず建物に虫を寄せ付けないことになります。
工場の中に外からの虫が侵入するのを防ぐ措置を取ったのちに、それでも侵入してしまった虫は殺虫器や捕虫器で対策していきましょう。
建物に虫を寄せ付けない・侵入させない対策
虫を工場に近寄らせない対策として上げられるのが、建物から離れた場所に虫を誘い込む方法です。これは一般的に光を用いた対策方法が行われています。
建物から遠い場所には虫を誘いやすい高出力水銀灯を設置し、逆に建物に近いところの照明を嫌虫ランプや低誘虫ランプにすることで、建物に虫が接近するの防ぐことができます。
しかし、この方法は全ての虫に有効なわけではありません。対策を通り抜けて建物付近に近寄ってしまった虫や、そもそも光による誘引が効きにくい虫もいます。
そんな虫たちを建物の中に侵入させないよう、壁や扉に隙間ができていないか、侵入ルートができていないかをよく確認し、隙間はパテなどで埋めるようにしたり、出入り口や搬入口にエアカーテンを設置したり、窓や換気口などの通気口に目の細かい網戸を設置するなど、侵入させない対策を強化しましょう。
殺虫器・捕虫器による対策
寄せ付けない・侵入させない対策を講じても、残念ながらすべての虫を侵入させないというのは不可能です。どうしても侵入を許してしまった虫は、材料や製品に混入する前に殺虫器や捕虫器を使って対策していきましょう。
殺虫器・捕虫器には、一般の白熱電球のおよそ100倍以上の誘虫能力(フェロモンや特定の匂いで虫を引き寄せる仕組み)を持った光を出す蛍光灯がついています。その光で誘われてきた虫を電撃でやっつけるのが殺虫器(電撃殺虫器)、粘着材で捕獲するのが捕虫器になります。
■ 殺虫器
高電圧で虫を即座に駆除する装置。適切に使用することで効率的に虫を駆除します。やっつけた虫が溜まるトレイが設置されており、定期的な清掃や粘着シートの交換が必要になります。
■ 捕虫器
光に引き寄せられた虫を粘着板で捕獲する装置。静かで異物飛散のリスクが少なくなっています。粘着材に虫がくっつくため、こちらも定期的な粘着シートの交換が必要になります。
殺虫器・捕虫器の設置場所
まず、建物の入り口や窓からは離れたところに設置しましょう。
侵入した虫をすぐに撃退したい気持ちはありますが、あまり入り口や窓に近いところに設置してしまうと、強力な誘引作用のある光が建物の外に漏れて、余計に虫の侵入を増やしてしまうことになりかねません。
また、近くに別の灯りがあったり、周りの壁材が光を吸収してしまうような色の場合、誘虫効果が存分に発揮されない恐れがありますので注意が必要です。
設置場所としては他にも調理・加工エリアの周辺に設置することで、虫が内部に入らないようにしたり、虫が集まりやすいゴミ置き場付近などに設置することで、発生源自体を封じ込めることもできます。
次に、取り付ける高さも重要なポイントになります。
ターゲットとする虫がどれくらいの高さを飛行するものなのかをチェックし、その高さに設置しましょう。ただし、その高さが作業者の邪魔にならないか、安全な高さなのかをしっかりと確認することが大切です。
※電撃殺虫器は高い電圧がかかっているため、取扱説明書に従った安全な場所に設置する必要があります。
虫の死骸・破片もしっかり対策
虫が好む光でおびき寄せ、やっつけたり捕まえたりするのが殺虫器・捕虫器ですが、定期的に捕虫板や電撃網を清掃・交換するようにしましょう。
その際に虫の破片が飛び散ったり、死骸が器機の下、工場床に落下してしまう場合があります。
床に落ちた虫の破片は、工場内を移動する際の風や作業者の靴底、原料や製品を運搬する台車のタイヤなどにくっつき、エリアを移り製品に混入してしまいます。(これが異物混入です!)
このリスクを少なくするために効果的な対策は、「工場床の清掃」と「靴底・タイヤに着いた汚れの除去」です。
工場の床はいつでも汚れているもの、と思わず、毎日の清掃が大切です。またステップマットや粘着ローラーを使って、作業エリア(またはその前段階のエアシャワーなど)に入る前に、作業者自身の体に付着したホコリや虫の破片、毛髪などを除去することで、よりクリーンな衛生環境を保つことができます。
まとめ
いかがでしたか。殺虫器や捕虫器は、防虫対策の基本であり、それぞれのターゲットによって対策方法が異なるため、正しい設置と運用が効果を左右します。他の対策と併用することで、より高い衛生管理基準を達成できるため、これを機に防虫以外の対策を見直すのもよいと思います。
自社に合った隙のない対策を行うことで、異物混入のリスクをしっかり予防していきましょう。