こんにちは、エクシールの藤吉です。
今回の記事ではもう既に生えてしまったカビに対する正しい処置方法についてご紹介していきたいと思います。
※2018年4月19日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して再度公開しました。
カビを発見した場合は速やかな除去が大切
生えたカビを放置しておくと、カビはどんどん成長していき、新たな胞子を作ります。その胞子が大量にばらまかれ、また別の場所で増殖してしまいます。
それだけではなく、生産している食品へ混入しクレームの元となったり、カビを吸い込んでしまった従業員が健康被害を引き起こすリスクも高くなります。
カビの生えやすい箇所を把握し、日頃の清掃と共にカビが生えていないかを定期的にチェックしましょう。そして、もし工場内にカビが生えているのを発見した場合は、下記の手順で速やかに除去することが大切です。
食品工場におけるカビ被害
?異物混入になる(カビが製品に混入した場合)
?建物の景観を悪くする原因になる(カビが大量繁殖した場合)
?監査時の評価が下がる
?悪臭発生の原因になる
?建物の劣化が早くなる
?室内で勤務する従業員の身体に悪影響が出る可能性がある
もし、異物混入があった場合、クレームが出ることはもちろんですが、他にも食中毒の発生や食品災害など大きなリスクが出てきます。
工場内のカビ除去のポイントは「胞子を落とす→殺菌する」
目視できる状態のカビは、その表面に無数の胞子が成形されている状態です。
その部分を拭いたりこすったりしてしまうと、カビの元となる胞子を空気中に飛散させてしまうことになります。
よって、工場内の壁や床に生えているカビの除去を行う際は、
表面の胞子を死滅し、カビを殺菌しましょう。
カビを除去するための手順を紹介していきますので、参考にしてみてくださいね!
1.表面の胞子を死滅させる
カビが生えている部分にアルコール(エタノール)をスプレーします。
10分ほど放置すると、表面の胞子を死滅させることが出来ます。
★ポイント★
アルコールは70~80%(重量パーセント)のものが最も除菌力が強く、この濃度より高くても低くても殺菌効果が激減します。使用の際は水分の混入しない状態でアルコール除菌を行うと良いです。
また、アルコール(エタノール)による除菌ではカビの胞子やカビ自身を死滅させることはできますが、カビによって生成された色素や毒素は分解できません。
カビの表面の胞子を撃退したら、しっかりと絞った状態の雑巾で拭き取るようにしましょう。
2.殺菌する
表面の胞子を撃退したところで、アルコールでとりきれなかった部分の除去に取り掛かります。
布巾やペーパータオルなどに、次亜塩素酸ナトリウムを染み込ませてから、カビの生えている部分に当てます。
しっかりと溶剤をしみこませ、ポンポンとカビの部分だけ叩くようにして拭き取るようにしましょう。
★ポイント★
カビを除去する際に、硬いブラシでゴシゴシして強く磨くと、表面に小さな傷がつき、その傷にカビが生えやすくなってしまう恐れがあるので注意しましょう。
3.溶剤を洗い流す
溶剤が壁や床に残っていると材質の劣化につながります。カビを除去した後は流水でしっかりと洗い流します。
4.しっかりと乾かす
最後に洗い流した個所を乾燥させて完了です。湿ったままではせっかく除去しても再びカビが生えてきてしまう恐れがあります。
カビは除去してもまた生えてくるので、しっかりと乾燥させた後は、「カビをはやさない対策」を行っていきましょう。
カビを除去する際の注意点
カビの除去に使用するアルコールや次亜塩素酸ナトリウムは揮発性が高く、特に次亜塩素酸ナトリウムは体に有毒な塩素を発生させます。
カビを除去する際には換気を十分に行います。また、マスクや保護手袋、保護メガネや長靴など、安全具を着用するようにし、誤って目や皮膚につかないよう注意しましょう。
万が一、目に入ってしまった場合は、説明書に従って処置を行い、医療機関で診察を受けましょう。
危険な薬剤なので、使用者は正しい知識を持って取り扱いましょう。
空気中に浮遊するカビを除去する
カビの胞子は普段私たちの生活している空気中にも浮遊しています。
この胞子が食品や壁、床などに落下し発育条件が合うことで発芽し、カビを広げていきます。
空気中の胞子は空調設備によって工場中に広がってしまう恐れがあるので、浮遊している胞子を除去するためには紫外線による殺菌方法があります。
紫外線は殺菌効果はありますが、透過性がなく、影などの当たらない場所には効果が表れないので、空気中のカビには効果が期待できます。
ただし、紫外線に長時間さらされると人体にもよくない影響を与えるので、空調設備などと合わせて従業員に直接当たらない工夫が施されていることが多いです。
カビ取り業者に依頼する
カビがひどい場合や、範囲が広い場合などは、カビ取り専門の業者に依頼するのも一つの方法です。
業者によってはカビの除去後にカビが生えにくくなる防カビ施工を施してもらえるところもあります。
ただし、防カビはあくまで生えにくくするだけですので、防カビ処理だけではなく、湿度管理や清掃などを徹底することで、再発防止の対策をしっかりと行っていく必要があります。
また、カビの菌種を特定し種類や危険度を調べたり、空気中のカビ菌の数を数値化して測定するサービスを行っている業者もありますので、必要に応じて依頼してみるのも良いでしょう。
除去しても再発するカビ
カビの元となる菌は、空気中いたるところに存在しており、環境が整うとカビは繁殖してしまいます。
カビ除去剤はカビを除去できても、「カビのエサとなる雑菌」は除去できません。また、雑菌を除去する殺菌剤ではカビを除去できません。
更に、カビ除去剤を継続的に利用してしまうと、「糸菌」という耐性の付いた菌が生まれます。
この糸菌は普通の除菌剤では死滅せず、糸菌から雑菌が繁殖し更に重症の「カビの発生」となってしまうのです。
大切なのは日々の清掃!
工場内のカビ対策で重要なことは、カビを除去した後に再発しないよう、カビの生えにくい環境を整えることです。生えているカビを除去できても、環境が悪ければカビは再発します。
こちらの記事でカビの生えにくい環境の作り方についてご紹介しておりますので、是非チェックしてみてください。
カビの増殖を抑えるために大切なことは「除湿」と「日々の清掃」です。
カビの元となる雑菌を持ち込まないためにも抗菌剤配合の「ステップマット」などを使って菌やほこりの持ち込みを予防していきましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回の記事では工場内のカビの除去方法についてご紹介しました。
自社で除去する場合も業者に依頼する場合も、その後のカビ再発を防ぐために対策を立ててからカビの除去を行うことが大切ですね!異物混入や健康被害の事件が起こる前に、しっかりとした対策をしていきましょう。
参考:カビトリ https://kabitori.jp/