こんにちは!エクシール清水です。
まだ6月だというのにすでに小麦色の肌になりました。岐阜で移動するには車が必須なため、気を付けていても焼けてしまいます。まだ梅雨も明けていないのでなんとかこのあたりで日焼けを食い止められるよう頑張りたいです…!
さて、今回は引き続き【ゾーニング】がテーマです。
前回は部屋や空間内を工程ごとにどうやって仕切るかについてご紹介しました。この仕切られたエリアを移動する際に、作業員が異物や汚染物質を運んでしまう可能性があります。どのように移動すると異物の持ち込みを防ぐことができるのか、見ていきたいと思います。
「ゾーニング」はなぜ必要なのか
まずゾーニングとは製造施設の中をゾーンごと(製造工程や洗浄度)に区分することです。先に既述したように、ゾーニングには交差汚染を防ぐ効果があります。
例えば原材料を保管庫から下処理場へ移動させるときに、そのまま段ボールの状態で持って来たらどうなるでしょうか?下処理場で下処理をしている材料と段ボールについたほこりや虫が共存する空間が生まれてしまうということです。これでは下処理をしている材料を汚染してしまいますよね。
この他の工程でも同じようなことが言えます。作業場所が変わるとき、工程が変わるときというのは汚染物質が移動するリスクが最も高くなります。
そのため以下のようにゾーニングする必要があります。
・一般区域(外部)と作業区域(工場内)
・洗浄度ごとに 清潔作業区域と準清潔作業区域と汚染作業区域
→小規模の工場であれば清潔作業区域と汚染作業区域に分けるだけでも良い。
ゾーン間の移動にともなう異物混入を防ぐ方法
清浄度が異なるゾーン間を移動する場合、汚染ゾーンから準清潔ゾーンや準清潔ゾーンから清潔ゾーンへ異物を持ち込む恐れがあります。床から、人から、機械から…など、どんな対策を取ることができるか見ていきます。
キャスターを区別する
外からの荷物を搬出用プラットフォームに運ぶ時、キャスターは外で使用したものと区別することが大切です。
具体的に入荷と下処理の間を往復するだけのキャスター、下処理と調理の間を往復するだけのキャスター、調理とパッケージの間だけのキャスター、そしてパッケージと倉庫の間のキャスターなどに分けられ、短い距離しか移動できないようにします。もちろん移動の際は外箱ごとではなく、中身は取り出して(必要であれば移動用のコンテナを用意する)運ぶようにしましょう。
短い距離しかキャスター移動できないようにすれば、汚染が次のゾーンへ拡散されるリスクを減らすことができます。キャスターも移動空間の床も洗浄すれば、さらに清潔に保つことができますね。
★キャスターの洗浄について
キャスターやリフトのタイヤ汚れはどのように洗浄したら良いのでしょうか?キャスターは取り外すことができても、タイヤは難しいですよね。
そんなときは、フォークリフト用粘着マットを使用してタイヤ汚れを除去できます。
リフトマットは床掃除と同様、汚れたらマットを掃除すれば繰り返し使用できる画期的なアイテムです。
動線を短くする
先程「短い距離しか移動できないようにする」ということをお話ししましたが、キャスターだけでなく人や製品の移動も短縮していくことが大切です。
人が移動に時間をかけると作業効率の低下や人件費の増加が起こり、また移動距離が延びれば人の移動時の風によって異物を舞い上げてしまい異物混入のリスクを上げてしまいます。
そして製品が長い距離を露出した状態で移動していては、エネルギーコストがかかるうえ、空気中のほこりなど異物混入の危険性が増えてしまいます。
方法としては使用する機械の位置を見直すことや製造方法や備品の見直しがあります。
例えば機械の位置については2つの製品の製造ラインが存在しているのに共通して使用する機械が1台しかない場合、もう1台機械を購入することができればベストですが、金額的に難しい場合はどちらの製造ラインでも無駄ができないような位置に設置することが重要です。工程の中で2製品とも同じ部屋に入ることがあればもちろん機械はそこに設置するのが最適ですよね。
また分散している作業が備品を変えることで1つの工程にまとめることができれば、異物混入のリスクも減ります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。エリアをゾーニングすることで交差汚染を防ぐことができますが、ほとんどの工程でゾーン間を移動しなければなりません。
本記事で移動における異物混入を防ぐ方法としてキャスターの区別と動線の短縮化をご紹介しましたが、異物混入を防ぐことはもちろん、生産効率やコストまで改善できるのが特徴です。
簡単に自社の作業の流れを工場内の地図に書き起こして、無駄がないかや異物混入のリスクがないかを確認してみましょう。そこから適した対策を講じていけると良いですね。