公開日: 2021年6月24日 - 最終更新日: 2023年7月6日

食品工場内への侵入場所別!防虫対策 ~内部からの発生編~

今井 はるえ
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こんにちは、エクシールの今井です。

本日は防虫対策についてお話していきます。
工場内への虫の侵入には、主に外部から侵入するものと、内部で発生するものがあります。今回は内部から発生する虫の防虫対策についてお話していきます!

※この記事は2019年2月20日に公開した記事ですが、リライトに必要な文言等を追記、修正して再度公開しました。

 

 

虫はどこから発生する?

内部で虫が発生する場所は、大きく3つの特徴に分かれます。

濡れた場所

1つ目は排水溝やグリストラップ、浄化槽などです。濡れた場所は、ハエが発生しやすく、チョウバエやノミバエ、コバエが発生する恐れがあります。

ハエの幼虫は食品残さや汚泥を食べるため、濡れた場所から発生しやすいといわれています。

乾いた場所

2つ目は製粉工場や製麺工場、穀物や乾燥食品の保管庫などです。
乾燥した環境でもだめなの!?と思いますが、コクヌストモドキやコクゾウムシなどが発生する恐れがあります。

これらの虫も、乾燥した食品を食べるため、乾燥した環境から発生します。
特に大量の粉を扱う製麺工場や製パン工場ではほぼ間違いなく生息しているようです。

カビの生えた場所

3つ目はカビの生えた場所です。
工場内の清掃が不十分で、カビやほこりが発生すると、チャタテムシやヒメマキムシというカビを食べる昆虫が発生する恐れがあります。
特に、天井裏は人の視界に入らないので完全にスルーしてしまいますが、発生している可能性が高い場所です。
天井裏で昆虫は、活発に動かずひっそりと餌を食べていますが、繁殖しすぎて密度が高くなったり、餌がなくなったり、生息環境の温湿度等が変化したりすると途端に活動的になり、移動・分散しようとするため、製造現場や包装等の室内に落ちてきます。

内部からの昆虫の発生に効果的な防虫方法

上記で紹介した3つの環境別に効果的な防虫方法をご紹介します。

①水溝、グリストラップ、トイレなど濡れた環境にできる防虫対策

・清掃を徹底する!

濡れた場所で発生しやすい昆虫は、食品の残さや有機物などを餌にするため発生します。この餌となるものをキレイになくすことが最善です。

殺虫剤などを使うのも良いですが、根本的な解決にはなりません。定期的に清掃を行い、常に清潔に保ちましょう。

グリストラップの清掃方法はコチラをチェック↓

グリストラップの管理方法|間違った管理は虫害や悪臭の原因に!?

 

②製粉工場、穀物や乾燥食品の保管庫など乾燥した環境にできる防虫対策

・フェロモントラップを仕掛ける!

乾燥食品を餌にする昆虫にはフェロモントラップを使って発生状況を調べることができます。

貯穀害虫や乾燥食品害虫は一度発生させると排除することが難しくなるため、早期発見の手段としてフェロモントラップを仕掛けることが最適です。
設置場所によっては外部から同類の昆虫を引き寄せてしまう可能性もあるため、注意しましょう。

また、昆虫によってフェロモンが違うため、購入前にどの種類を調べるのか検討してから使用することをおすすめします。
モニタリングの結果を分析し、工場内の改善を行っていきましょう。

 

 

③カビの生えた場所、天井裏にできる防虫対策

・除湿機で防カビ対策!

カビは温度が-5~30℃(好条件は15~30℃)、湿度が80%以上、でんぷんや糖分をはじめ、ほこりや塗料などを栄養として発生します。つまり、湿度が高く、ほこりが溜まりやすい場所はカビが発生しやすいため、要注意です。

食品工場では、調理器具や、空調設備の裏側、天井裏などに発生しやすく、それがカビを餌とする昆虫の発生につながります。
カビを発生させないためには、湿度の管理を行っていくことが大切です。
除湿機などで湿度を低く保ち、合わせて湿度計を設置することで、効果が見えるように工夫しましょう。

・床置き式粘着トラップを仕掛ける!

天井裏に発生している昆虫の生息状況は床置き式粘着トラップを使用すると、簡単に確認することが可能です。
天井裏で見つかった場合は、清掃が可能であれば清掃を行い、昆虫とその餌となるカビも除去します。それでも昆虫の発生が制御できない場合は、炭酸ガス製剤などで空間処理を行い、一度リセットする必要があります。

 

・カビが発生しにくいコーティングや器具を使う!

工場内にカビが発生しにくいよう、壁や床にコーティングをしたり、パレットの素材を検討し直すと効果的に防カビ対策を行うことができます。

材質はカビが生えにくいだけでなく、汚れが落としやすく、洗浄しやすい素材にして、カビの発生源をなくすことが大切です。

防カビに関してはコチラの記事でも紹介しているのでぜひ参考にしてみてくださいね!

まずはここから始めよう!食品工場のカビ対策まとめ

工場内の衛生管理POINT:食品工場のカビ対策 / 細菌対策

まとめ

いかがでしたか?
工場内部で発生する昆虫は、発生源をなるべく早く特定し、徹底的に清掃を行うことが重要になります。
日々の清掃が、衛生管理だけでなく防虫にもつながっているという意識を持ってしっかりと対策をしていけるとよいですね!

 

<参考>

やさしい防虫管理の考え方 http://pest-kanri.com/

 

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今井 はるえ

ウレタンの特性を生かした商品を製造・販売している、株式会社エクシールに勤めています。どんなことも明るく、前向きに取り組んでいきます!! 好きな果物は、イチゴです!いちご狩り大好きです!

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