こんにちは!エクシールの鈴木です。
急激に暖かくなって体がびっくりしてしまいますね!
私は寒いのが苦手なので暖かいことは嬉しいのですが、気温が上がってくると次に困ってくるのが「花粉」。私は幸い花粉症ではないのですが、ベランダの手すりや車などに積もっているのを見ると、今年の花粉の多さを再認識します。
食品工場など衛生管理が重要になってくる場所では、花粉も異物になってしまうこともあるので、外から工場内に持ち込まない対策が重要になってきます。
しっかり対策しないと、持ち込んでしまった花粉は工場の出入り口だけでなく、靴底や台車のタイヤに付着して工場の内部、重要なエリアまで侵入してしまうことも。
そんなリスクを減らすため、今回の記事では花粉も含む異物や菌の持ち込みを防ぐために大切な、「足元の汚染対策の仕方」を6種類、選りすぐってご紹介していきます!
本格的な花粉の季節に備えて、今一度対策をチェック・検討してみてはいかがでしょうか?
工場内に菌や異物を広めているのは「床」?!
ゾーニングにおいてもすべてのエリアの床は「汚染エリア」とされている通り、屋内で内履きを履いていたとしても床には細菌やホコリ・花粉やウイルスがいっぱい。
きちんと清掃することに加えて、こういった異物を他のエリアから持ち込まない・今あるエリアから持ち出さない対策をすることが重要です。
工場内に持ち込まれる汚染物質のおよそ8割は、足元からと言われています。
次の項目から、そんな足元からの汚染を予防する対策を、メリット・デメリットも含めて見ていきましょう。
ステップマット(粘着マット)
粘着マットは、粘着紙の上を靴で踏むことで、靴底の誇りを除去するというツールです。食品工場では導入しているという声もよく聞くため、使用している・見たことのある方も多いのではないでしょうか?
ただし、この粘着マットの欠点は、マットが汚れた際に汚れた粘着紙を剥がし、捨てる必要があること。めくればすぐ次の粘着紙が使える点は良いのですが、使い捨てのため、めくった粘着紙はごみとして捨てる必要があり、また継続するために維持費(買い足しする)の必要もあります。さらには工場で出るゴミが増えるためごみ処理費用も掛かってしまいます。
その欠点を解決したのが、樹脂製の粘着マット「ステップマット」です。
ステップマットは柔らかい粘着素材でできたマットで、90%以上の除去率がATP(+AMP)ふき取り検査で実証されています。この数値は一般の粘着紙をめくるタイプのマットと比べても格段に高い数値なので、粘着力の面でも問題ありません。また、この柔らかい素材は靴底の凹凸に密着し、毛髪や細かなほこりまで除去できるのも特徴の一つ。
素材自体の粘着で除去するので、めくらず、洗って繰り返し使える点が一番の違いです。ごみも出ず、買い足す必要もないのが嬉しいですね!
先日、食糧新聞社主催の2018年度日食優秀食品資材賞を受賞したマットでもあるんです。
気になった方は是非チェックしてみてくださいね!
リフトマット
足元を介して広がる異物の中には、靴底だけでなく、フォークリフトや台車のタイヤに付着して移動するものも多くあります。そんな、屋内を走り回るフォークリフトやAGVのタイヤにも使える粘着マットが「リフトマット」です。
ステップマットを改良して商品化したもので、同様に水洗いで繰り返し使用でき、めくったりごみが出たりすることはありません。
フォークリフトのタイヤの汚れを、通常の粘着紙のマットで除去しようとすると、粘着紙が破れたりめくれあがったりと危険がありますので、2~3tの重量のある台車のタイヤ汚れを除去するにはうってつけのツールになります。
使いづらい点としては、このリフトマットでもマット状のタイヤの旋回には耐えられないため、直線に敷く必要があることと、3tを超える超重量車両には対応していない点でしょうか。
使い続けることで工場床のタイヤ跡もきれいになっていくので、工場内の環境改善や監査アピールとしても効果を発揮するマットになります。
靴底洗浄機
ステップマットや粘着紙のマットは、基本的に細かな汚れやホコリを除去するためのものですが、もっと大きな汚れ、がっつりついた汚れを落とすのに適しているのが「靴底洗浄機」です。
靴底洗浄機は機械の上を歩いたり、立っているだけで、水や洗剤・ブラシで自動的に洗浄してくれるものが一般的で、使用後は吸水マットで水分を除去するタイプが多いようです。
ホコリや汚れを除去することに加え、水や洗剤を使うことで消毒まで出来ることは大きなメリットと言えるでしょう。
ただし、大掛かりな機械ですとメンテナンスをする必要があることや、水分を除去する給水マットで細菌が増殖しないようしっかりと洗浄・乾燥する点に気を付けなければならないことは、デメリットでもあります。
シューズカバー・オーバーソックス
履いている靴の上から装着する、靴専用のカバーのことです。使い捨てのものが多く、工場見学などにも使用されています。
靴をカバーするので、根本的に靴底についている汚れの持ち込みを防いだり、そのエリアから退出するときにカバーを外して捨ててしまえば、汚れの持ち出しも防止できます。
ただし、異物を除去するツールではないため、根本的に靴底をきれいにするものではないことに注意しましょう。
靴を履き替える
シューズカバー・オーバーソックスと対策の種類としては似ていますが、こちらも根本的に履くものを変えるので、それまでに靴底に付着しているものを持ち込まない・持ち出さない対策として優秀です。
特に調理場など、水を使うような場所で専用シューズに履き替えることで、ホコリや汚れだけでなく水分を他のエリアに持ち出さないなど、ウエットエリアとドライエリアのゾーニング対策としても良いでしょう。
ただしこちらも汚れを除去する対策とは異なるので、併せて床やそれぞれのシューズの洗浄も行う必要があります。
ダストキャッチャー
直接靴底を清掃するものではありませんが、工場内の異物持ち込み防止として高い効果が期待できるのが「ダストキャッチャー」です。
ダストキャッチャーはゾーン間のエアシャワーに設置する「壁用粘着シート」で、風で飛ばされた細かいホコリや毛髪を、床に落ちる前に吸着するといったツールになります。
「粘着マット」を細かく切ってエアシャワーの壁に貼っているという声も聴いたことがありますが、「ダストキャッチャー」ははさみで簡単に切れる上に水洗いで何度も繰返し使えるので、低コストでエアシャワー内のホコリ対策ができます。
ただし、エアシャワーを効果的に使う為にはエアシャワー自体の清掃メンテンナンスを定期的行うことが大切です。ダストキャッチャーについた汚れを目安に、定期的な清掃を行いましょう。
まとめ
いかがでしたか?
食品工場や薬品工場などで重要視されている「衛生管理」。
異物混入を防ぐためにも、足元からしっかりとした対策を心がけていきましょう。
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