こんにちは、エクシールの今井です。
本日はカビを好むチャタテムシについてお話ししていきます!
チャタテムシは食品工場や医薬品工場、包装資材工場などに発生しやすい害虫です。
生態や対策について確認していきましょう!
※この記事は2019年2月27日に公開した記事ですが、リライトに必要な文言等を追記、修正して再度公開しました。
チャタテムシの生態と害について
チャタテムシは別名本シラミとも呼ばれる、体長1~2㎜程度の小さな虫です。
チャタテムシは年間を通じて活動しますが、湿度の高くなる梅雨や、気温の上がる夏はチャタテムシにとって過ごしやすい環境になるのでより発生しやすくなります。
繁殖力が強く、好物の乾物がある場所や、カビが生えている場所で温度や湿度などの条件が揃うと大量に繁殖します。
メスのみで繁殖でき、1日に1~2個の卵を産むといわれています。
成虫になるまでには2週間ほどしかかからないため、多く繁殖してしまうのです。
色も半透明なので遠目からでは発見しにくく、気づいた時には大量発生…ということもあるようです。
チャタテムシには羽が生えているものと生えていないものがおり、それぞれ、発生しやすい場所が異なります。
チャタテムシによる害は2点あります。
1点目はチャタテムシを餌とするツメダニが発生する危険があることです。
人がツメダニに刺される可能性がありますし、製品に混入する恐れもあります。
2点目はチャタテムシの死骸が原因でアレルギー反応を起こす可能性があることです。
乾物を好むチャタテムシは、乾麺や小麦粉などに繁殖します。製品に混入してしまった場合、知らずに食べた消費者がアレルギーを起こしてしまうことがあります。
チャタテムシを増やさないための対策
①チャタテムシはどこに集まりやすい?
チャタテムシは上記でもお話ししたように、カビが生えている場所や、乾物のある場所付近に発生しやすいです。
また、上記でも述べたようにチャタテムシには羽の生えたものと生えていないものがいるため、それぞれの特性ごとに対策する必要があります。
②チャタテムシを増やさないための対策
トラップを仕掛ける
羽が生えているチャタテムシは光に誘引されやすく、ライトトラップで発生状況を見ることができます。
ライトトラップに大量のチャタテムシが捕まっていたら注意が必要です。
逆に、羽の生えていないチャタテムシは暗い場所に集まる習性があり、倉庫内や段ボール箱の影、シーリングが施してある角などで見つかることがあります。
生息密度が高くなると、床置き式の粘着トラップに多数捕獲されます。
チャタテムシは繁殖するにつれて密度が高くなると、餌が豊富にある別の場所へ分散する習性があるため、1か所見つけて1か所駆除しても、他の場所ではまだ繁殖している可能性があります。
上記のようなトラップで、常に監視することが繁殖の拡大を防ぐことに繋がります。
清掃と個人衛生を徹底する
チャタテムシを除去するには餌を除去することが必須です。
カビはもちろん、他の昆虫の死骸やフケなどもチャタテムシの餌になるので、普段から施設の清掃や従業員の衛生管理を徹底することが大切です。
施設の清掃や個人衛生については下記の記事を参考にしてみてください。
すでにカビが生えている場合は、殺カビ剤で除去するだけでなく、防カビ剤を使ったり、湿度が一定に保てるよう除湿機を使ったりして、カビが再度生えないように工夫しましょう。
また、外部から侵入してくるケースとして、段ボールやパレットにくっついて入ることがあるので、工場内に物資を入れる前にエアーで虫を飛ばすとよいでしょう。
隙間を埋める
チャタテムシは小さいため、1㎜ほどの隙間でも工場内に侵入します。
コーキングを施し隙間を埋めることで外部からの侵入や、繁殖場所の拡大を防ぐ必要があります。
コーキングはカビの発生を防ぐため、防カビのものを使用することをおすすめします。
隙間にシールトラップを仕掛ける
発生源や侵入経路が分からない場合は、シールテープによるシールトラップが役立ちます。あらゆる隙間にシールテープを貼っておくと、どこから来ているのか知ることができます。
どれだけクリーンな工場でも天井裏では、昆虫が発生していることが多く、そういった昆虫は照明設備やスピーカーなどの隙間を通ってクリーンルーム内に落ちてくることがあります。
また、ダクト内で発生した昆虫がエアコンなどの吹き出し口を通って室内に入ってくるパターンもあります。
こういった場所にシールトラップを仕掛けておくと、チャタテムシが捕獲されることがあり、発生源や侵入経路の特定につながります。
まとめ
いかがでしたか?
チャタテムシは触っただけで死んでしまうような弱い虫ですが、繁殖力が強いため、知らない間に大量に増殖する厄介な虫です。
製品に混入してしまうと、お客様に不快感を与えるだけでなく、アレルギーを引き起こす原因にもなります。
トラップのモニタリングや日々の清掃を入念に行い、繁殖させない体制をつくることが大切ですね。
<参考>
チャタテムシ|やさしい防虫管理 http://pest-kanri.com/category9/entry213.html
畳に白い小さい虫!チャタテムシの生態を知れば駆除ができる! | おしえて!田舎センセイ https://inakasensei.com/chyatatemushi
ナリア アカデミー 有害物質Vol.7「チャタテムシ 予兆編」|月刊工場長 2018年12月号 P58~59