こんにちは!エクシールの藤吉です。
アレルゲン対策で調理器具を替えたり調理場所を変えることは今や食品工場で常識となっています。
しかし、包装の段階でラベル表示を間違えてしまうと、せっかくの対策が無意味になり、誤った情報をお客様に伝えることになります。
ラベルの誤表示は食品回収のニュースでもよく見かけるため、ラベルの貼り間違えや誤表示に関する対策についてお話しようと思います。
※本記事は、2019年4月10日に公開した記事ですが、リライトに必要な文言等を追記、その他の部分も修正して再度公開しました。
食品事故の半数以上は誤表示!?
食品事故には、ガラスや毛髪、昆虫などの異物混入や、期限切れの材料を使ってしまったなどの理由がありますが、半数以上をラベルやパッケージ内容に誤表示があるという理由が占めています。
下記の図は食品事故情報告知ネットという食品事故の品目や理由を集計したサイトを元に作成したものです。
図で分かる通り、食品事故の全体の半数以上は誤表示が原因となっています。
不適切な表示をさらに細かく見ると、アレルゲンの表示が間違っていたものがほとんどです。
アレルゲンを正しく表示することは、アレルギー患者にとって必要不可欠ですから、工場できちんと管理をしていく必要があります。
ラベルの貼り間違えはどう防ぐ?
ラベルの誤表示は、確認不足が主な原因かと思います。
メンチカツやコロッケなどの見た目がほとんど変わらないものや、箱や包み紙にラベルを貼る場合などは誤表示のリスクが高くなります。
それでは、どのように貼り間違えを防いでいけばいいでしょうか?
①似た製品は時間帯を分けてラベルを貼る
見た目が似ている製品のラベルを同じ時間帯に貼ると貼り間違えのリスクが高いです。
海鮮太巻きと一般的な太巻きなど、特定原材料が入っているものと入っていないものの見た目が全く同じだと、間違えた時に消費者に危険が及びます。
容器が缶であれば、蓋をした時点でラベルを貼る場所に印を付けるなどといった対策があるのも良いと思います。
見た目が似ているのであればラベルを貼る時間帯を分け、貼る人が混乱しないようにすると良いですね。
アレルゲン別に台車の色を分ける、ラベラーや容器の外装を別々にするなどの工夫も良いかもしれません。
②ラベル確認者は定期的に交代する
「いつも合っているから大丈夫」「今回も合っているだろう」という気持ちでチェックしていると、間違いを見落とす可能性があります。
ラベルの内容が合っているか確認する担当者は定期的に交代しましょう。
複数人で確認している場合は、確認の順番も入れ替えるとよいでしょう。
ここでは、普段ラベル貼りをしていない人に確認してもらうと、より慎重にチェックしてもらえると思います。
③指さし呼称を徹底する
鉄道総合研究所で調べた指差し呼称に関する押し誤りの実験で、指さし呼称をせずに確認した時と比べ、間違いが6分の1に減少したそうです。
声に出して読むことで異変にも気づきやすくなりますね!
④商品の特徴が分かる表を用意しておく
上記のように、似たような製品は外装を全く違うものにするという方法も、ラベル貼りの担当者がどちらがどの商品かを理解していなければ意味がありません。
完成品の写真と商品名や値段、アレルゲンなどの情報が分かる表を用意しておくことで、確認がしやすくなります。すぐに表を確認できる場所に置きましょう。
もちろん、印刷した紙をそのまま置くのではなく、異物混入対策の観点から、千切れにくい物や、衛生的なファイルなどで保護しましょう。
まとめ
いかがでしたか。
揚げ物類は似たようなものが多く、パッケージも同じで違いを理解するのが難しいですが、毎回違う人に確認してもらうことや商品ごとに違いを分かりやすくしておくことで効果的に貼り間違えを防げるとよいですね!