今週から梅雨入りするそうですが、昨年に引き続き大雨や異常気象には気を付けていきたいですね。
そして梅雨が明けた後は・・・日差しが強すぎて、日光に当たった肌が痛かった昨年の夏が思い起こされて、今から心配な鈴木です。
さて、今回の記事ですが、「汚染されやすい箇所No.1!?」と題しまして、食品工場や製薬工場などにおける衛生管理で是非注目してもらいたい「ドアノブ・取っ手の衛生管理」についてご紹介していきたいと思います。
クリーンエリアの気密性や材料の保管、汚染度ごとのゾーニングなどのために、工場に欠かせない仕切りや扉。その取っ手やドアノブは、実は食中毒菌や汚れに汚染されやすい箇所でもあります。
食品工場ではどのような形式のドアが向いているのか、またドアノブや取っ手の清掃方法はどのようにしたらよいのかを、一つ一つ簡単に見ていきましょう。
※この記事は2019年5月に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して再度公開しました。
なぜドアノブが汚染されやすいのか?
どうしてドアノブや取っ手が汚染されやすいのか、その理由は「不特定多数の従業員が直接手を触れる」からです。
同じ理由で電気のスイッチや、食品工場では冷蔵庫の取っ手や水道の蛇口なども、汚染されやすい箇所と言えます。
それは、手袋をしていたとしても同じです。
工場内で作業をしていれば、手に何も触れないということはありません。
そんな従業員も、手洗いをしたばかりの従業員も同じように同じドアのノブを触れば、せっかくした手洗いの意味がなくなってしまうことは予想できますよね。
消費者の口に入るものを生産する食品業界は特に注意が必要です。
何百人と従業員がいる中で、たった一人ノロウイルスを持っている従業員がいたとして、その一人が触ったドアノブから、他の従業員の手へと汚染が移り、食品に混入してしまう可能性もあるのです。
ドアノブから汚染を広げないようにするには?
ドアノブを介して汚染を広げないポイントは3つ、
①清掃をしっかり行う
②ドアノブに触れなくてもよい工夫を作る
③従業員に「ドアノブは汚れている」という意識を持たせる
という事です。
次の項目から、一つずつ見ていきたいと思います。
対策その1:清掃をしっかり行う
たくさんの人が触れる箇所だからこそ、清掃をしっかり行わないと付着した細菌が増え、より汚染がひどくなってしまいます。一日に複数回、頻度と担当者を決めてドアノブや冷蔵庫の取っ手などはしっかり清掃・除菌を行いましょう。
ドアノブ・取っ手の清掃の仕方
1.薄めた洗剤を含ませたダスターでドアノブや冷蔵庫の取っ手などを拭く
2.かたく絞ったダスターで水拭きする
3.乾いたダスターにアルコール製剤を噴霧し、拭き上げる
この時注意する点として、アルコール製剤は水分が残っていると効果が半減してしまうため、余分な水分はしっかりとふき取ってからアルコールを吹きかけましょう。
対策その2:ドアノブに触れなくてもよい工夫を作る
手洗い後、手をふくのに使った使い捨てのペーパータオルを捨てずに、そのペーパーでドアノブを包み、直接手を触れないようにして扉を開け、作業場側に出てから捨てる、など、ドアノブを手で触らないような工夫があると、ドアノブの汚染やドアノブからの汚染をかなり軽減することが出来ます。
また、こういったドアノブからの汚染を対策するといった点では、ドアのタイプを「スライドドア」や「スイングドア」にするといった方法も効果的です。
スライドドアは、その名の通り横にスライドさせる形式のドアで、持ち手の部分を肘で開けられるタイプがあります。
スイングドア(スウィングドア)は、よくスーパーなどで見かける、押して開け通過した後、スプリングで自動的にドアが閉まる形式のドアです。
このタイプなら、ドアノブ(取っ手)事態を取り去ってしまって肘で開けるようにすると便利です。
ドアを変更する場合はコストもかかりますが、ノブを回して開けるタイプのドアと比べ明けやすく衛生的というメリットもあるので、一度検討してみるとよいでしょう。
その際、スライド式にする場合はレールが下ではなく上についているもの(吊り戸)だと、ドアの外と中で地面が滑らかにつながり、ゴミがたまりにくく清掃しやすいため便利です。
ちなみに、この工夫は水道の蛇口にも応用できます。
蛇口の部分を肘で開ける用のハンドルに取り換えることで、蛇口を触れずに水を出したり止めたりすることが出来ます。このハンドルはホームセンターや水道機器の販売店で入手でき、コストも大きなものではないため、蛇口の衛生管理を考えている方におススメです。
対策その3:「ドアノブは汚れている」という意識を常に持つ
ご紹介してきた通り、不特定多数が触れるドアノブや取っ手は「キレイじゃない」ということは、従業員全員が常に意識している必要があります。
ドアや蛇口の変更など、工夫をすることはできますが、すべてのドアを変更できるわけではないですし、冷蔵庫や機器の取っ手など、全てが触れずに済むようになるわけでもありません。
働くスタッフには「ドアノブや取っ手は汚れているもの」としっかり理解してもらい、例えば、冷蔵庫を開けるために取っ手を触ったら、直接食品に触れる前に必ず手洗いをする、といったようなルールを決めるとよいと思います。
ドアだけでなく床の衛生管理も
ここまでの説明で、工場内のドアにはいろんな対策や工夫が必要といった点をご紹介してきました。
汚染度をエリア分けするゾーニングとしても重要な仕切りであるドア付近は、手元だけでななく、足元ももちろん、きちんと対策する必要があります。
ステップマットなどの粘着マットを設置して、足元からの汚染の移動もしっかり防ぎましょう。
めくらずごみの出ない、手入れも簡単な「ステップマット」は、以下の記事でも詳しく紹介していますので、是非チェックしてみてくださいね!
まとめ
いかがでしたか?
ドアや冷蔵庫の取っ手やノブ、持ち手は、不特定多数の従業員が触れる機会が多いため、しっかり対策しないと汚れや細菌などの「汚染」が広がる原因になってしまいます。
汚染を防ぐためにも、まずは働く従業員さんたちにしっかり理解をしてもらい、自社に合った対策やルール設定をしていきましょう。
こちらの記事も参考にしてください^^