こんにちは!エクシールの藤吉です。
今回の記事では、食品業界の衛生管理といたしまして、ほとんどの工場・店舗においてある「冷蔵庫」の正しい清掃の仕方を見ていきたいと思います。
自社にある冷蔵庫は中も外もきれいですか?冷蔵庫は湿気も多くカビや虫の温床となりやすいので、今回を機にしっかりと清掃の仕方を学んでいきましょう!
※本記事は、2019年10月3日に公開した記事であり、リライトに必要な文言等を追記、その他の部分も修正して再度公開しました。
冷蔵庫が汚いと…
冷蔵庫の内部は保存時に食料品と接しており、出し入れ等で外側や取っ手は従業員が頻繁に触れる環境にあります。
そんな冷蔵庫に雑菌が繁殖してしまうと、製品に混入し食品事故の原因となってしまうリスクが大きくなってしまいます。
また、冷蔵庫の下などは清掃がしにくいうえに湿気や温度も高く、注意して清掃を行っていないとカビの繁殖や虫の発生源になっていたという話はよく聞きます。
更に、汚れやカビがひどくなると冷蔵庫の冷却機能も落ちるため、食材が適正温度で保管されない危険も出てきてしまいます。
冷蔵庫の清掃方法
この項目では、冷蔵庫の清掃方法を箇所別に、清掃頻度も交えてご紹介していきたいと思います。
1. 外装(毎日)
柔らかい布で大きな面から水拭きをします。汚れがひどい場合はスポンジに中性洗剤を付けて優しく落としましょう。
硬いタワシやクレンザーなどは傷やサビの原因になるので使用は控えます。
また、機械部分は故障の原因となるため、水や洗剤を付けないようにしましょう。
2. 扉・取っ手部分(毎日・頻繁)
外装の一部ではありますが、この部分は特に目に見えなくても汚れています。
中でも取っ手部分は、汚れた人が触った後にきれいな人が触ることで汚れが移ってしまう、「交差汚染」の危険が潜んでいますので、注意してこまめに除菌を行うことが大切です。
清掃方法は、中性洗剤をダスターにとり、扉・取っ手部分を拭き上げた後に、よくすすいだダスターで水拭きを行います。
その後、乾いた清潔なダスターで水分をふき取ってから、アルコールを噴霧してしっかりと除菌を行います。
扉・取っ手部分に関しては詳しく紹介した記事がありますので、そちらも是非参考にしてみてくださいね。
3. 扉のゴムパッキン(毎日)
ゴムパッキン部分にカビが生えると劣化が激しくなり、庫内の適正温度が保たれなくなったり、電気代が余計にかかってしまったりします。
清掃は、まず、パッキンの表面に付着している汚れをふき取ります。汚れが取れない場合は中性洗剤を使います。
洗剤を使用するときは、樹脂部分の劣化や割れが発生しないように、溶剤を含まないものを使用しましょう。
その後、よくすすいだダスターで水拭きし、乾いたダスターで水分をふき取ってからアルコールを噴霧し除菌をします。
ゴムパッキンが外せるタイプの冷蔵庫はパッキンを外して中性洗剤で手洗いします。
外した溝は中性洗剤を含ませたダスターで拭いた後、水拭き、乾拭きをして、アルコールを噴霧します。洗ったパッキンは乾かす(水分をふき取る)ことをした後に、アルコールで除菌をして再び設置します。
4. 庫内・網棚(毎週)
庫内は食材や網棚をいったん外に出し、内側や網棚を中性洗剤を付けたダスターで拭き上げます。その後水拭きで洗剤をふき取り、乾いたダスターで水分をとります。
網棚を庫内に戻し、アルコール製剤を噴霧します。その後、食材を庫内に戻します。
冷蔵庫内は絶縁不良やサビの発生の原因となる恐れがあるので、タワシやクレンザー、ベンジン、熱湯などは使用しないようにしましょう。
5. コンデンサーフィルター(毎週)
機械室パネルを開け、フィルターを外してたわしなどで水洗いします。
その後、乾いたダスターで水分をふき取り、しっかり乾かしてから元の位置へ戻します。
6. 水受け(毎週)
霜取りの際に発生した水が外に漏れないように、水受けにたまる冷蔵庫もあります。
この場合、この水受けにたまっている水からカビが発生したり、水受けトレー自体がコバエやゴキブリの巣窟になってしまっていることがあります。
水を捨てるだけでなくきちんとトレーも洗い、しっかり乾かしてから設置しましょう。
パッキンの黒ずみが気になるときは
冷蔵庫のパッキンが黒ずんだ場合は、100~300倍に希釈した塩素系漂白剤を使用するとよいでしょう。
ペーパータオルに含ませて黒ずんだ部分に貼り付け、10~30分後に剥がしてしっかりと水ぶきで溶液をふき取ります。取れない場合は、何度か繰り返すとよいでしょう。
その際に、溶剤の濃度を濃くしたり付ける時間を長くしても、パッキンの劣化が早まるだけなので注意しましょう。
また、塩素系漂白剤を使用する際は注意事項をよく読んで、保護具や換気をしっかり行ったうえで、アルコールや酸性タイプ製品と混ざらないように注意して清掃します。
冷蔵庫の衛生管理チェック
清掃の際には、冷蔵庫がきちんと管理されているかもチェックする必要があります。
次のチェックリストを参考に、正しく運用されているかを毎日確認しましょう。
☑ 庫内温度が正しいかどうか(冷蔵庫10℃以下、冷凍庫-15℃以下)
☑ 庫内温度が一日二回以上記録表に記入されているか
☑ 容積の7割以上食材が入っていないか(食材を詰め込みすぎてないか)
☑ 扉パッキンに破損や劣化、汚れがないか
☑ 庫内外が汚れていないか(著しい結露や霜の有無もチェック)
☑ ファン・フィン・フィルターなどに汚れが蓄積していないか
業務用冷蔵庫の日頃のメンテナンス。買い替え時期は10年程度
冷蔵庫は電化製品なので水に弱いため、中に水を流すことがないようにしましょう。コンプレッサーのフィルターが詰まると余分な負荷がかかるため、フィルターの掃除をこまめに行いましょう。そうすることで、冷蔵庫のもちを長くします。庫内の量は入れすぎると冷えが悪くなってしまい、冷蔵庫内にある食品への悪影響を与えてしまいます。庫内に入れる量は8割と考えましょう。業務用冷蔵庫を使用するときは、以下のことを気にかけましょう。
・温度設定
・霜が付きすぎていないか
・フィルターの汚れ
・ものの詰めすぎ
大事に使っていても毎日使っている冷蔵庫は、年々冷えが悪くなっていきます。業務用冷蔵庫の耐用年数は陳列用で6年、その他で8年といわれています。部分的なコンプレッサーやコンデンサーなどの交換をしたとしても、買い替えた方が安く済むことが多いようです。こまめにフィルターの掃除をし、年に数回、業者の方に依頼をして細かい部分も掃除してもらうことで長持ちさせることができます。
まとめ
いかがでしたか?
冷蔵庫の中の汚れは、あまり気にならないかもしれませんがしっかり対策する必要があります。
食中毒を出さないよう清掃は大事ですが、同時に、清掃の際の洗剤が残らないようにも気を付けて、清潔な厨房を作っていきましょう。
参考:オフィス用品教科書 簡単解説!業務用冷蔵庫の掃除の仕方やコンプレッサーについて→https://office-frt.com/384/