こんにちは!エクシールの今井です。
今回は給食や病院食等で実施される検食の重要性についてお話していきたいと思います。
※この記事は2019年11月6日に公開した記事ですが、リライトに必要な文言等を追記、修正して再度公開しました。
検食とは
検食とは、施設や学校、病院などで供給される食の安全を担保するために、事前に責任者が試食を行うことです。
学校給食では学校給食法に定められた学校給食衛生管理基準に基づいて検食、保存食の基準が定められています。
検食を行うことによって、異物混入食品の発見ができたり集団食中毒が起こった場合の原因の究明ができます。
検食には以下の2通りの意味があります。
給食責任者による試食
学校給食や病院食、老人ホームなどの施設で栄養士や施設の責任者が学校給食法の定める「学校給食衛生管理基準」にもとづいて以下を確認するために試食を行います。
・献立の内容
・栄養
・量
・衛生
・嗜好性
検食を行う目的は、献立計画通りに作られているか、また、栄養価が高い食事が提供されているかを確認するためにあります。
異物混入や、異味・異臭がないか、加熱処理が適切かなどもこのときに確認します。
検食は喫食者の接触開始時間の30分前までに行い、異常があった場合は給食を中止する必要があります。
検食時は、検食簿に記録をつけることで食の安全を守り、品質の改善に役立てます。
衛生検査用に保存する保存食
衛生検査用に保存しておく理由は、万が一食中毒などが発生した場合に保健所へ提出するためです。
食中毒が発生する恐れがあったり、異物混入など、食品に異常が発生したときに、原因究明をし、再発防止に努めるために使用します。
学校などの集団で給食する場だけでなく、弁当を販売する業者でも行われている検食です。
検食の重要性
検食は、上記でも述べたように、ただ栄養価や色合い・風味などを確かめるために試食をするのではなく、安全な品を届けるためにあります。
ここでは、実際にあった事例をもとに、検食の重要性について考えていきます。
事例 集団食中毒
東京都内の小中学校で食中毒が4事例発生した。
患者は10校に及び、いずれの事例においてもノロウイルスGⅡが検出された。
従事者においては、給食を喫食していた1名を除きノロウイルスが検出されず、また調理施設のふき取り検査でも検出されなかった。
事例ごとに給食メニューは異なっていたが、全事例に共通して提供されていたものは同業者が製造した刻みのりであり、検査に供された31検体中7検体(同一ロット5、残品1、検食1)よりノロウイルスGⅡが検出された。
この結果から、4事例は同一の刻みのりを感染源としたノロウイルスGⅡによる食中毒と断定された。
引用:No.17016 学校給食で提供された刻みのりによるノロウイルス食中毒 国立保健医療科学院
https://www.niph.go.jp/h-crisis/
集団食中毒の原因が検食から発覚した事例です。
食中毒が起こった際に、その時の給食の状況を調べたくても、検食がなければ調べることはできません。
検食することで、原因究明が早くなり、それ以上食中毒患者を増やさないように対応することができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
集団で供給された食品を食べる際には、食の安全性を守るために必ず「検食」が行われています。
これによって、アレルギーや食中毒菌、ウイルスの心配がない安全な食事を提供することができます。
ぜひ、今一度検食の重要性について考えてみてくださいね。
<引用・参考>
検食とは|意味・食品衛生法などの法律・やり方など いろはにかいご
https://1682-kaigo.jp/article/000631
栄養士が給食や施設で行う「検食・検食簿」をイチから解説! 栄養士のお仕事Magagine
https://eiyoushi-shigoto.com/magazine/archives/1402/#i