公開日: 2021年6月3日 - 最終更新日: 2023年2月6日

給食センターにおける野菜の洗浄方法~下処理室編~

今井 はるえ
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こんにちは、エクシールの今井です。

本日は給食センターにおける野菜の洗浄方法についてお話していきます。

検収室より清潔度が高い下処理室での野菜の取り扱い(汚染エリア→清潔エリア間)について説明していきます。

 

※この記事は2019年11月27日に公開した記事ですが、リライトに必要な文言等を追記、修正して再度公開しました。

 

野菜の洗浄はなぜ重要か

学校給食は、1か所で作った料理を大勢が食べるため、食中毒や異物混入が発生した場合被害や損害が大きくなる可能性があります。
特に、仕入れた野菜や果物は給食センター内で汚れを落として調理するといった一連の流れを行うところが多いかと思います。

学校給食は、多いところで一日に1000人を超えるような食事を作るため、野菜の汚れを落とすのも一苦労ですよね。

しかし、その工程でしっかりと汚れを落とし、異物を取り除けないと、土に付着していた大腸菌や、野菜をまとめていた輪ゴムがそのまま食品に混入してしまったりと、思いがけない事故を起こしてしまう可能性があります。

まずは、学校給食で重要視されている野菜の洗浄について見直していきましょう。

野菜の洗浄方法

野菜は検収室で大まかな汚れを落とし、下処理室でより細かな汚れを落とします。
本日は下処理室での工程をお話していきます。

下処理室における洗浄

下処理室は検収された食材が運び込まれるエリアです。
大きな汚れや輪ゴムなどの異物は検収室にて取り除かれますが、それではまだきれいな状態ではありません。
そこで、より細かな汚れを落とし、調理するだけの状態にまで持っていくのが下処理室の役割です。

ここでは、検収室では落としきれなかった土由来の微生物、虫、異物を落とすために専用のシンクで十分にすすぎ洗いをする必要があります。

海外では、レタスを原因食とする赤痢菌食中毒事件、腸管出血性大腸菌O157食中毒事件、生のもやしを原因食とするサルモネラ食中毒事件など、野菜を原因食とした食中毒事件が報告されています。
そのような事態が起こらないよう、しっかりと汚れを落とし、食中毒防止に努めましょう。

また、下処理室での洗浄作業はその後の加熱工程の有無で分けて考える必要があります。

加熱工程のある食品

加熱をしても、菌数が0になるわけではないですが、加熱前にできるだけ菌数を減らすことが重要になります。汚染度の低い野菜を先に、汚染度の高い野菜を後に洗浄できるよう作業工程を工夫します。やむを得ず汚染度の高い野菜を先に洗浄する場合は、シンクをしっかり洗ってから、他の野菜を洗浄します。

 

加熱工程のない食品

生食する野菜は、加熱工程のある食品と洗浄ラインを区別する必要があります。
ラインが区別できない場合は、加熱工程のある食品より先に洗浄しますが、それも困難な場合は、シンクを確実に洗浄してから使用します。

 

POINT①  シンクは3槽以上のものを使用する

野菜や果物の洗浄には3槽シンクを使用しましょう。
下図のように3槽が横並びになったシンクで順番に洗っていくことで汚れを効率よく、確実に落とすことができます。

 

POINT② ため水ではなく流水でこすり洗いをする

ため水では汚れを十分に落とすことができないため、流水で水の循環を良くしながら清潔な水で野菜を洗浄しましょう。

水につけておくだけでは汚れが落ちないため、しっかりとこすり洗いをします。
また、この時床を汚染しないために流水は勢いが強すぎないようにしましょう。

 

POINT③ 汚れが少ない順番に洗う

泥の多い野菜から洗うと、シンクが汚染され、次に洗う野菜にまで影響が出てしまいます。
そのため、比較的きれいな野菜から洗えるように工程を工夫しましょう。

 

POINT④ シンクへ一度に野菜を入れすぎない
洗浄を十分なものにするため、また、床を汚染させないため、シンクに一度に多くの野菜を入れることは避けましょう。
適切な量で数回に分けて洗うことで十分な洗浄ができ、異物が入っていた際も気づきやすくなります。

 

POINT⑤ 葉物野菜はばらばらにして洗浄する
白菜やホウレン草、レタスなどは、根本に泥が残っていたり、葉部分に虫が付着していることがあります。
束のままだと十分に洗浄ができないため、切ってばらばらにしてから洗浄することが望ましいです。
泥がなくなるまで、何度も水を入れ替えて洗浄しましょう。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。
食品を清潔な状態にするためには、洗浄の仕方や順番など工夫しながら洗浄しなければならないですね。
下処理室でしっかり汚れを落とせていないと、加熱加工のない食品から食中毒が発生してしまう可能性があります。
今一度洗浄方法を見直し、十分な管理ができているか確認してみてくださいね!

<参考>

第3章 食品、設備等の洗浄・消毒マニュアル
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2009/05/26/1266277_08_1.pdf

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今井 はるえ

ウレタンの特性を生かした商品を製造・販売している、株式会社エクシールに勤めています。どんなことも明るく、前向きに取り組んでいきます!! 好きな果物は、イチゴです!いちご狩り大好きです!
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