こんにちは、エクシールの鷲見です!
今回は工場内を衛生的に保つため、清掃がしやすい環境づくりについてお話をしたいと思います。
食品を取り扱うには作業室内が常にクリーンな環境でなければなりません。クリーンな環境づくりには、清掃のしやすさが大切だと考えます。清掃がしにくい場所は目が届きにくく、そこが汚れの発生源になってしまいます。
工場内の設備にどのような工夫ができるのでしょうか。
清掃しやすい環境とは
・入隅部分にはR構造にする
壁と床、壁と天井などといった境目は埃や粉塵が溜まりやすいです。視認性も低いため、汚れを取り逃してしまう可能性もあります。
入隅部分に丸みをつけることにより、汚れの蓄積を防ぐだけでなく清掃がしやすくなります。
・空間を作る
設備配置の際は物置台と床との空間を確保しましょう。
15㎝程度の空間を作ればブラシやモップを差し込むことができます。食品が水はねによる汚染を防げる目安である60㎝の高さがあれば、人が入り込んで清掃できます。
他にも、床だけでなく壁との距離の取り方も大切です。
例えばシンクと壁のわずかな隙間は洗浄しにくく、異物混入の可能性が高まります。床同様15㎝の空間を作ることで汚れが溜まりやすい配管部分も簡単に洗浄することが出来ます。
可能な場合は壁とシンクの隙間を埋めてしまえば洗浄する必要がありません。
・更衣室のロッカー上部に傾斜をつける
更衣室内のロッカーの上の空間は埃が溜まりやすいです。上にたまったほこりや毛髪は落下の可能性があるため、せっかく着替えた衣服に汚れが付着し清潔エリアに異物を持ち込む原因を作り出してしまいます。
ロッカーの上部に傾斜をつけることによって、埃や毛髪が溜まる心配がありません。また、清掃時のふき取りも容易になります。
ウェットエリアでの工夫
・排水溝は極力設けず排水桝を設置する
排水桝とは、流れ出た油や食材のゴミを受け止め、水のみが排出されるようにする排水設備のことです。カゴ付きの排水桝を使用することで、つまりの原因となる食品残渣などを取り除きやすくなり簡単に洗浄ができます。
排水溝は汚水が流れる範囲が広いため掃除の手間もかかり、悪臭の原因になります。
排水溝を用いる場合は蓋の開け閉めが容易にできる構造を選ぶことで清掃時の負担が軽減されます。もし排水溝がキャスターや人が通らない場所に排水溝が設置されているのであれば、蓋を取り払うことで汚れを視認しやすくなり効率も上がります。
他にも、床に勾配をつけ水が自然に流れていく構造を作ると排水がスムーズです。
・泡洗浄できる箇所を増やす
泡洗浄は洗剤を泡状にして噴射し、15分程度放置し汚れを浮き出させた後に洗い流す方法です。床や壁などの部屋全体、複雑な構造の機械にも使用できます。
洗浄効果が高く、手作業で洗浄するのに比べて時間も大幅に短縮される点が特徴です。
泡洗浄ができる環境づくりとして、まずは整理整頓が大切です。紙や段ボールなど濡れては困る資材が置いてあっては、泡洗浄はできません。それだけでなく、余分なものがある環境は作業効率を下げる原因にもなります。必要なものを見極め整った環境を作りましょう。
コンセントやスイッチ類などにはカバーをかけ濡らさない工夫をします。
他にも、先述したように壁や床との空間を確保することもポイントの一つです。
泡洗浄に関しての記事はこちら↓
https://www.urethanegel.jp/blog/eiseikanri/2935
まとめ
清掃がしやすいということは、汚染源となる隙間や空間がないということです。
食品工場内では食品残渣や油、粉塵などが日々発生します。毎日正しく清掃をしているつもりでも、作業室内に隙間があるとそこに汚れが入り込みどんどん蓄積されていってしまいます。機械や作業棚、その他設備の配置の工夫は、その汚染源の発生を防ぐことに繋がります。
掃除がしやすい環境であるか、目が届きにくいような場所はないか工場内を定期的に確認ができると良いですね。
〈参考文献〉
大成建設
https://www.taisei.co.jp/
FOODS DESIGN
http://www.foodesign.net/
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