こんにちは!エクシールの清水です。
食品工場で働く際の衛生管理の一環として、正しい爪の長さや指先のお手入れは非常に重要です。本日は、食品工場で求められる【爪や指先のケア】についてお話していきます。
※2020年7月28日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して再度公開しました。
爪や指先のケアの重要性
食品工場で特に重要視されているのが「食中毒」や「異物混入」の防止についてです。
重要管理点(CCP)を特定して対策をしているのはいいけれど、なぜか「異物混入が発生する」、また「食中毒が起きてしまった」といったことはありませんか?
これは、HACCPの土台となる一般衛生管理(PRP)がうまくいっておらず、HACCPシステムがうまく機能していない可能性があります。
一般衛生管理の中でも、特に食品の一番近くにいる従業員の個人衛生は非常に重要です。
毛髪の除去や、手洗い、ユニフォームの管理のほかに、爪や指先のお手入れも大切な個人衛生です。
しかし、適切な長さに切れていなかったり、手が荒れていることがあれば、食中毒や異物混入の原因になってしまうこともあります。
こんな爪や指先はNG!その理由と対策
爪が長い
× NG理由
爪と指の隙間に汚れがたまり、食中毒菌の巣窟となる可能性が高い。また、装着していた手袋が爪で破れてしまう可能性がある。
○ 対策
こまめに適切な長さまで切る(詳細は次項参照)。
切るのを忘れてしまった人のために、更衣室などに爪切りを用意しておくと、手洗い前にも使うことができます。
爪が短すぎる(深爪)
× NG理由
指まで傷つけている可能性があり、傷ついた指先には食中毒菌である黄色ブドウ球菌が大量に発生。
○ 対策
爪を噛んだり、剥がす癖のある人には癖を直してもらうよう注意する。
深く切りすぎている人は、適切な長さを見直すようにし、短くしすぎて指が傷ついている従業員には、食品工場用の絆創膏を配る。
つけ爪・ネイルをしている
× NG理由
剥がれて食品内に混入する可能性がある。
○ 対策
ネイルはジェルネイルやマニキュアなどの種類を問わず、どんなに薄いものでも禁止し、定期的に指先のチェックをする。
通常のマニキュアは除光液で落とせるので、手洗い前に使えるよう、更衣室などに置いておくと良いです。
指先が荒れている
× NG理由
黄色ブドウ球菌が大量発生し、食中毒引きおこす可能性があります。
○ 対策
傷がある場合は自己申告してもらうようにし、食品工場指定の絆創膏を貼ってもらう。
もともとつけている絆創膏は菌が繁殖している可能性があるので、外してもらうようにする。
ささくれができている
× NG理由
作業中に取れて食品中へ落下する可能性がある。また、無理に引っ張ると血が出て化膿することもあり、混入したら大変危険です。
○ 対策
ささくれの根元に近い部分(ギリギリはNG)でカットし、ハンドクリームなどで保湿する。万が一、ささくれが取れても大丈夫なように、食品工場指定の絆創膏を貼って落下を防止する。
正しい爪の長さ
正しい爪の長さは以下の通りです。
指先から爪が飛び出ておらず、深爪にならない程度の短さにしましょう。
また、手荒れをしている場合は以下の記事を参考に対策してみてくださいね!
▼手荒れに関する記事はこちら
指先や手のケアとして必要なものは?
作業開始前、休憩後、トイレ後などに十分な手洗いを行うことや、手洗い後にアルコール消毒や食品用消毒剤を使用して、手指の殺菌を徹底することはもちろん大事です。
プラスαの個人衛生管理として、正しい爪の長さ+清潔な状態の手で作業ができるように、以下の道具を更衣室に共用で置いておくと良いでしょう。
毎日指定の場所に元あった数があるかを確認することで、工場への持ち込みや盗難を防ぐことができます。
心配な場合は、管理者を決め、必要な人は管理者に借りるという方法をとっても良いですね。
① 爪切り
手を洗う前に、適切な長さまで切れるように用意しておくと良いでしょう。
② ハンドクリーム
食品工場でも安心して使えるハンドクリームがあります。
手指のひび割れや乾燥は、ささくれや爪が割れる原因になりますので、あると良いでしょう。
業務用・皮膚保護クリーム KERODEX ケロデックス クリーム
ただし、作業中はハンドクリームを避け、食品用の手袋を着用することが大事です。
③ 絆創膏
金属探知機で検知される絆創膏が食品工場向けに販売されています。
家からつけてきた絆創膏は雑菌が繁殖している可能性があるので、専用のものを付けてもらうようにしましょう。
食品・医薬品工場での異物混入対策 検知できる絆創膏|ディテクタブルバンテージ ピアック
作業時は専用の防水性絆創膏の上に手袋を着用して作業する必要があります。
まとめ
いかがでしたか?
食品工場では、手洗いや正しい身だしなみをするように叫ばれていますが、根本の部分が解決しなければ、異物混入や食中毒の危険性はなくなりません。
食品工場で求められる爪の長さや指先のお手入れ方法は、食品の安全性と品質を守る基本的なルールです。危険を防ぐために、まずは従業員に正しい知識を知ってもらうところから始めましょう。
▽参考サイト
食品衛生.com | 食に関する衛生問題のソリューションサイト
爪の手入れは必須?!食品加工工場勤務者に聞いてみた
指のささくれの治し方。カットして保湿、栄養補給を徹底しよう | 女性の美学