公開日: 2020年4月14日

衛生管理の「見える化」で対策前後の変化を実感しよう|食品工場における社員教育について

今井みやの
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こんにちは!エクシールの今井です(^^)/
新型コロナの影響で外に出られないので、通販でちょっといい紅茶を買いました。
花びらやドライフルーツが入っていて、今から淹れるのが楽しみです(^^♪
家で過ごす時間もより有意義にしていきたいです!

本日は、食品工場における衛生管理の「見える化」についてお話をしていきます。

 

「見える」ことのメリット

食品工場では7Sや手洗い、ローラー掛けなど、様々な対策で工場内に異物や菌を持ち込まない工夫がなされています。

しかし、従業員の方から「本当にこれできれいになっているのかわからない」や、「本当に効果があるのか」といった声が上がることがあります。

衛生管理は整理整頓などの大きな対策は目に見えるものの、日々の手洗いや消毒殺菌は効果が実際に目に見えず、イメージがつきません。

これによって、「やってもやらなくても同じだろう」と、だんだんとルールを守らない人が出てくることで、思わぬ事故につながることがあります。

効果が「見える」ようにすることで、従業員の皆さんに対策をする意味を知ってもらうことは食品工場の教育において大変重要です。

 

 

 

どうやって「見える化」する?

それでは、どのように「見える」ようにすればよいのでしょうか。

現在、食品衛生用品の業界からはさまざまなツールが販売されています。

 

① 洗い残しの見える化

手洗いは、食品工場では必ず行われる衛生管理ですよね。
手洗いの手順表は多くの工場で掲示されていると思います。
しかし、その手順でなぜ行わないといけないのかを従業員の皆さんが知らないと、てきとうに手を洗ってしまい、洗い残しがたくさんある状態で調理をすることで、食中毒などの事故を起こす可能性があります。

そこで、手洗いの際に、洗い残しの見える化に有効なツール、「手洗いチェッカーLED」をご紹介します。

 

 

ローションを手に塗って、いつも通り手洗いし、専用のランプを当てると、ローションの残っているところが光るようになっています。

どの部分が洗えていないのかや、汚れが入りやすい場所が分かり、手を洗う際に意識することを学ぶツールになります。

導入するツールとしては手が出しやすい価格帯であり、ランプもセットで売られているので、導入しやすいのではないでしょうか。

 

② 除菌・殺菌の見える化

食品工場では調理器具や調理台など、さまざまなものを消毒しますが、その効果は目に実際に見えるものではありません。そのため、どの程度吹きかければ除菌できるのか、また、普段どの程度菌が繁殖しているのかを知ることが大切です。

細菌の見える化ツールには、バクテリアセルフチェッカー「mil-kin」をご紹介します。

 

 

mil-kinは簡易型の顕微鏡をイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。

使用方法としては、マイクロチューブに水を0.5ml入れ、その水で綿棒を十分に濡らします。
検査したい場所をふき取り、マイクロチューブ内で綿棒を撹拌します。
マイクロチューブ内の水を、一滴mil-kinに垂らすことで、リアルタイムで菌を見ることができます。

 

プレパラートを使用しないことから、食品工場でも安心して使用ができます。
また、見る時はスマホのカメラを通してみるので、写真も動画撮影も可能になります。

ランニングコストが綿棒や電池などの備品しかかからないことから、導入しやすいキットだと思います。

 

消毒前後でどのように変化するのかを見てみることで、どのような効果があるのか確認することができ、従業員の皆さんの意識も変化しますね。

 

もっと手軽にイメージが付く方法として、「月刊HACCP 3月号(2020 vol.26)」で紹介されていた方法をご紹介します。

作業台などにアルコールを吹きかけても見た目上変化はありませんが、生卵にアルコールを吹きかけるとタンパク質が変質して少し白くなります。

細菌も同じタンパク質でできているので、この変化を見ることで、殺菌するというイメージが付きやすいのではないでしょうか。

 

③ 施設内のほこりの見える化

手洗いや除菌と同様に、ほこりが溜まる床は、汚れていてもわからないことが多いと思います。施設内に細かなほこりや毛髪が落ちていれば、おのずと工場内に持ち込んでしまうリスクがあります。

毛髪は細いため、目の高さから床までの距離ではっきりと汚れや毛髪を見つけることができる人は少ないのではないでしょうか。

そこで、有効な見える化のツールの「ステップマット」をご紹介します。

 

 

ステップマットは本来ゾーニングなどに有効な、ウレタンゲルで作られた粘着マットです。ほこりや毛髪の除去率が高いため、異物混入対策ツールとして使用されています。
エアシャワーの中やクリーンルームの前に敷き、マット上を3歩歩くことで靴底や台車のタイヤに付着した90%以上のほこりや毛髪を除去することができます。

粘着マットと言えば、青やネイビーなどの濃い色味が一般的ですが、ステップマットは明るい水色なので、汚れが非常に目立ちます。黒い足跡が付着するということは床が汚れているという証拠になります。
足跡がくっきりと残ることで、危機感を持たせることができます。

「毎日清掃してもこれくらい汚れる」ということを知っていただくことで、普段の清掃に力が入るだけでなく、ローラー掛けや粘着マット、エアシャワーなどの活用方法の改善にも繋がります。

 

まとめ

いかがでしたか?

従業員の意識が上がらない理由として、対策の意味があるのか疑問をもっている点が挙げられます。このような見える化ツールを利用することで、どのような効果が欲しいからどんな対策が必要なのかを従業員自ら考える機会にもなると思います。

また、口で説明するよりも目でわかるため、外国人労働者の説明にも非常に役立つと思います。

ぜひ検討してみてくださいね。

 

<参考・引用>

手洗いチェッカーLED 1セット|製品情報|サラヤ株式会社 企業法人向
https://pro.saraya.com/products/41338.html

mil-kin
https://www.mil-kin.com/

Landing | クレームゼロマット|99%異物除去する工場用ステップマット
https://www.urethanegel.jp/lp/stepmat/

ヤシノミ天使のお悩み相談室111 サニテーションプラクティスⅡ 90-92P|月刊HACCP 3月号(2020 vol.26)

 

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ウレタンゲルのやわらかさ・自己粘着性を活かした商品を開発する、株式会社エクシールで働いています。最近では食品工場など製造業に向けた衛生商品を扱うことが多く、「きれいな工場をつくるお手伝い」をさせていただくため奮闘中!ウレタン製の衛生グッズを紹介する衛生管理アドバイザーとして、お役にたてる情報を発信できるよう、頑張ります。好きな食べ物はトーストです。
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