こんにちは、エクシールの今井です!
今回は、油の交換のタイミングの設定方法についてお話をしたいと思います。
※この記事は2020年8月20日に公開された記事ですが、リライトに必要な文言等を追記、修正して再度公開しました。
油の劣化の原因と使いまわしによるデメリット
揚げ物に用いる油は、水分・酸素・光・温度・金属などに触れることによって酸化が進み劣化していきます。高温での加熱を続けたり、水分量の多い食材を揚げたり、油の中に不純物が混じった状態で保管したりすることが酸化を進行させる原因となります。
酸化した油には過酸化脂質という体に有毒な成分が発生し、動脈硬化の原因にもなるとされています。他にも、胸やけや吐き気を催す場合があります。また、酸化した油を使用するとべたつきのある仕上がりとなり商品価値の低下に繋がってしまうため、こまめに油の交換をすることが大切です。
油の交換時期の調べ方
劣化した合図として油に次のような変化が表れます。
・色が濃くなり黒っぽくなる
・泡が消えにくくなる
・粘り気が出る
・油臭い不快な臭いがする
これらの見た目の変化は交換のタイミングを知るのに最適です。
しかし、飲食店や工場など多くの食品を調理する場では誰がフライヤーを担当しても安全なものを提供できるよう、感覚に頼るのではなく交換時期を明確に設定する必要があります。
厚生労働省は油の酸化の指標となる酸価と過酸化物価の値を以下のように定めています。
〈参考〉
厚生労働省「酸価・過酸化物価に関する規定等」:
https://www.mhlw.go.jp/stf2/shingi2/2r9852000000ip55-att/2r9852000000ipvm.pdf
公益社団法人福岡市食品衛生協会「油脂の酸化について」:
https://www.fsyokukyou.com/fax_maga/image/h3006/fax_info_h3006.pdf
試験紙やテスター、検査キットなどを用いて酸化状況を測定し、油交換のタイミングを数値として決めましょう。
油の保存時に気を付けること
使用した油を再利用する場合は以下のことに気を付けて保管しましょう。
①ろ過をして不純物を取り除く
揚げた後のカスを溜まったままにしていると品質上、衛生上ともによくありません。
冷めないうちに浮いている揚げカスや底に沈殿している揚げカスを丁寧にすくい取ります。
油が冷めてきたら、ろ過フィルター(コーヒーフィルターでも代用が可能)を用いて油の汚れを除去します。
冷めすぎると油に粘り気が出てきてろ過しにくくなるため注意が必要です。
②涼しく光が当たらない場所に保管する
前述したように油は熱や光の影響を受けます。蛍光灯や日光が当たらない涼しい場所で保管しましょう。
③密封する
保管時に水分や虫の混入を防ぐため、容器に蓋をします。
油が完全に冷めていない状態で蓋をすると水蒸気が発生し、油に水が入る可能性が高くなってしまいます。
使用した油を鍋に入れたまま放置すると酸化が進んでしまうため、保存容器に移し密封することが大切です。
まとめ
劣化した油の仕様は健康被害に繋がる可能性があるため、適切なタイミングで交換を行うことが大切です。
酸価、過酸化物価の点検を定期的に行い、数値として安全性を確認することが安心できる食品提供のポイントになります。
食品の仕上がりを左右する油の管理を徹底して、美味しく安全な食品を提供していきましょう。
〈参考〉
J-オイルミルズ:https://www.j-oil.com/