公開日: 2020年9月30日 - 最終更新日: 2022年9月5日

ノロウイルス汚染箇所の消毒方法を知ろう|食品工場で食中毒を効果的に防ぐ

鈴木ちか
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こんにちは!
最近編み物をやり始めました、鈴木です!先日友人のお子さんに、猫耳付き帽子を編んだのですが、使ってくれるといいなぁ。

今回の記事では、先週に続きノロウイルスについて書かせていただきます。
先週紹介した中でも、特にノロウイルスが発生してしまった後の消毒方法について詳しく見ていきましょう。

 

ノロウイルスが発生してしまった時は

ノロウイルスは長期間感染性を持ち、わずかな量のウイルスだけでも感染するため、集団感染が起こりやすい感染症になります。
そのため、万が一社内・または店舗内でノロウイルスによる食中毒が発生してしまった場合は、感染拡大を防ぐ対応が大変重要になってきます。

感染拡大を防ぐための対処方法を確認し、適切な消毒を行うことで、集団感染を防ぎましょう。
感染拡大防止の手順や方法については、こちらの記事も参考にしてみて下さいね。

 

ノロウイルスの集団感染路、感染拡大を防ぐには?|食品工場で食中毒を効果的に防ぐ

 

 

場所別ノロウイルスの消毒方法

ノロウイルスの消毒には次亜塩素酸ナトリウムを使用します。

また、ウイルスは目に見えないほど小さいため、飛沫が飛んだり手足に付着してもわかりません。
作業者に付着してしまったウイルスを介して別の場所にウイルスが移動し、そこから感染が拡大する可能性もあります。「二次汚染」を防ぐためにも、消毒作業を行う場合は必ず作業者はガウン(エプロン)を着用し、マスクや手袋を使用するようにします。

換気を十分に行い、作業が終わったらそのままの格好でいろいろ移動してはいけません。
使用後のペーパータオルやマスク、手袋、ガウンなどはビニール袋に入れて廃棄しましょう。

ここからは場所別に消毒方法の処理例をご紹介します。

 

調理器具の消毒

洗剤などで十分に洗浄した後で、次亜塩素ナトリウム(塩素濃度:200ppm)で浸すようにペーパータオルで拭きます。
ウイルスは熱に弱いので、加熱できるものに関しては熱湯消毒が有効です。
熱湯消毒する際は、85度以上の熱湯に1分以上漬けます。

 

煮沸消毒が難しいものの消毒

ドアノブやカーテンなどの日用品を消毒する場合は、塩素濃度200~500ppm、トイレや浴槽などを消毒する場合は、塩素濃度300ppm以上の次亜塩素酸ナトリウムを使います。
浸すようにペーパータオルなどで拭きます。

 

おう吐物やふん便による汚染場所の消毒

おう吐物やふん便には大量のウイルスが含まれていますので、特に注意して作業する必要があります。
まず、ウイルスが飛び散らないように気を付けながら、ペーパータオルなどで静かにふき取り、ビニール袋に入れていきます。
ふき取りが終わったら、ペーパータオルが入ったビニール袋の中に、中身が十分に浸る量の次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度:1000ppm)を入れ、密閉して廃棄しましょう。
その後、汚染された床などは、塩素濃度200ppmの次亜塩素酸ナトリウムで浸すようにペーパータオルで覆い、ふき取り後は水拭きを行います。

 

患者が使用していたリネンや下着の消毒

可能ならば廃棄するのが望ましいです。
消毒する場合は煮沸消毒か、次亜塩素酸ナトリウムを用いた消毒を行います。
どちらの場合も、水やお湯のしぶきを吸い込まない等、二次感染への注意をしなければなりません。
煮沸消毒する際は、洗剤を入れた水の中でウイルスが飛び散らないように注意しながら静かにもみ洗いし、有機物を取り除いた後で、85度以上の熱湯で1分以上煮沸させます。
煮沸消毒が難しい場合は、同じように有機物を取り除いた後で、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度:200ppm)を使って消毒します。
消毒後は十分にすすぎ、高温の乾燥機などを使用することで効果が高まります。

有機物を除去するため、もみ洗いに使用した水や石鹸水はそのまま捨ててはいけません。
塩素酸ナトリウム(塩素濃度:1000ppm)を加え、10分以上置いたのちに捨てるのが望ましいです。

※可能であれば、もみ洗いをせず、直接次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度1000ppm以上)に漬け置きする方が好ましいです。

 

布団など、すぐに洗濯するのが難しい物についての消毒

この場合は、日光に当ててよく乾燥させ、スチームアイロンや布団乾燥機を使って熱による消毒を行うと効果的です。
ただし、ノロウイルスは12日以上前に汚染されたカーペットを通して感染が起きた事例も確認されているため、汚染から時間がたっていたとしてもしっかりと消毒を行うことが感染拡大を防ぐために重要です。

 

消毒を行う時の注意点

ノロウイルスに感染してしまった人の着用していた衣類、おう吐物やふん便など、高度な汚染がある場合を除けば、消毒液に使う次亜塩素酸ナトリウムの塩素濃度は200~500ppm程度のもので構いませんが、次亜塩素酸ナトリウムの殺菌能力は有機物(ウイルス以外の汚れ)による影響を受けるため、必要に応じて濃度を調整してください。

また、次亜塩素酸ナトリウムを使う際は説明書をよく読み、換気を行うよう注意しましょう。
こちらの記事も参考にしてみて下さいね。

塩素系漂白剤の使用用途と使い方を学ぼう!酸素系との違いは?|食品工場の衛生管理

 

まとめ

いかがでしたか?
これからの季節、ノロウイルスによる食中毒にも注意しつつ、クレームのない会社を作っていきましょう。

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鈴木ちか

ウレタンの特性を活かし様々な商品を製造・販売している、株式会社エクシールで働いています。最近は食品工場向けの依頼が多く、仕事を通して学んだ製造業のアレコレを記事にしていきたいと思っています。同じ製造業の方が見て何かヒントになるような、そんな記事が描けるよう日々努力していきます!
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