こんにちは!エクシールの今井です。
最近デリバリーを利用する機会があったのですが、以前はピザしかなかったのにコロナウイルスの影響なのか選びきれないくらい多くのお店がデリバリーを受け付けていて感動しました?
また落ち着いてきたら減ってしまうのかもしれませんが、選択肢が増えることは消費者にとってはうれしいですよね?
先日は熱に強い「セレウス菌」についての記事を投稿いたしましたが、今回も熱に強い菌シリーズとして「ウエルシュ菌」についての記事です。
セレウス菌との違いなども見比べながら、適切な対策ができるようにしていきましょう。
ウエルシュ菌とは
ウエルシュ菌は人や動物の腸管、土壌や水中など、自然界に広く分布している菌です。
食品では、特に牛、豚、鶏肉などの汚染が高いようです。
熱によって死滅しないのは、セレウス菌と同様、芽胞(がほう)と呼ばれる熱に強い殻のようなものを作り出すためです。
ウエルシュ菌は無酸素の状態で増殖するため、大型の鍋などを使用する給食施設で作られた食品によって起こりやすい食中毒です。
大量に作った煮込み料理やスープなどの中心部等、無酸素状態になる食品は要注意です。
それでは、ウエルシュ菌による食中毒はどのように防げばよいのでしょうか。
ウエルシュ菌の増殖を防ぐ対策
厚生労働省のウエルシュ菌による食中毒統計資料を見ると、平成29年から令和元年での3年間で4705人の患者が出ています。
下記の表は平成29年から令和元年までのセレウス菌による食中毒患者数を月別に分けたものです。
月ごとの患者数は以下の通りで、5月や6月にかけて、また、冬場にも多く発生していることが分かります。

ウエルシュ菌による食中毒の原因となる食品は、肉や魚、野菜を使用した煮込み料理やスープ等が主です。これは、ウエルシュ菌が酸素のない環境で増殖するからです。
そのため、ウエルシュ菌による食中毒が起こりやすいのは一度に大量の料理を作る給食施設や飲食店です。
一般的には食中毒菌に対して「加熱したから大丈夫」と思いがちですが、ウエルシュ菌は熱では死滅させるのが難しく、更に最も発育に適した温度は43~47℃と他の菌よりも高く増殖速度も速いため、加熱した料理が冷める途中で急激に増えます。
以下の対策を行うことで増殖を防ぎましょう。
- 食材は十分に洗浄し、汚れを良く落としてから使用する
- 前日調理は避け、喫食までの時間を短くする
- よく混ぜて空気との接触を増やしながら調理する
- やむを得ず保管するときは、小分けにして急激に冷却すること
ポイントとしては「食べるまでの時間を置かない」ことと「空気によく触れるようにする」ことです。
保管時に小分けにするのは、食材に酸素が行き渡りやすくなるためです。
以上の点に注意して食中毒の発生を防いでいきましょう。
まとめ
いかがでしたか。
ウエルシュ菌は飲食店や給食施設など、大量調理をする現場で発生しやすい食中毒です。
無酸素状態で増殖するため、よくかき混ぜたり、小分けにするなどの工夫をして増殖を防ぎましょう。
ぜひ今までの対策を見直してみてくださいね。
<参考>
ウエルシュ菌食中毒の症状や特徴、予防方法について|MHCL WORKS LABO
https://www.mhcl.jp/workslabo/hatena/welch01
ウェルシュ菌|「食品衛生の窓」東京都福祉保健局
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/micro/uerusyu.html
4.食中毒統計資料 |厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/04.html