こんにちは、エクシールの鷲見です。
今回は作業時に使用する温度計の校正方法についてお話をしていきます。
食品の品質を保つためには、温度計の精度はとても重要です。
HACCPの12手順7原則の中に「手順7:重要管理点(CCP)の決定」という項目があります。これは、各製造工程での温度や時間、速度などの基準値を決め、その通りに作業を行い、食品の安全を確保するというものです。
手順に沿って温度管理を適切に行っても、温度計自体の精度が低ければ十分な加熱、冷却ができず、食品トラブルを引き起こしてしまいます。
定期的に校正し精度の調整をしましょう。
温度計の校正方法
熱湯と氷水を用いる
氷水と熱湯の温度を基準とする、費用を抑えた方法です。
水に氷を入れてかき混ぜて1分ほど待つと、氷水の温度は安定して0℃になります。この氷水の温度を測定し0℃と表示されれば温度計の精度は問題ありません。
熱湯の場合は、電気ケトルでお湯を沸騰させてその温度を計測します。水の沸点は100℃であるため、温度計が100℃を示せば精度が保たれていると判断できます。
この方法で注意するべき点は、熱湯の温度を測る場合環境によってお湯自体の温度が前後する可能性がある点です。
表示された数値が確実とは言い切れないため、この方法は毎日の点検として目安にするのがおすすめです。
複数の温度計を比較する
3本以上の温度計を比較する方法です。
2本では異なる数値が表示された場合どちらが正しい数値か判断できません。
3本もしくは可能であれば4本以上を用意して数値を確認しましょう。
標準温度計を用いる
最も精度が高い方法です。
正しく校正された標準温度計を基準として、他の温度計を合わせていきます。
標準温度計は一般的に1年程度使用でき、期間が過ぎたらメーカーに出してその都度校正を行ってもらいます。
標準温度計の校正費用は数万円のコストがかかります。
新品の温度計を購入する
温度計には1年間の保証が付いています。
毎年温度計を新しく購入し、保証期間内である1年間標準温度計として使用する方法です。
保証期間が過ぎたものは通常の温度計として活用します。
まとめ
どの備品も長く使用すれば、劣化していきます。
その中でも温度計は、食品の品質を確認する重要なツールのため劣化状況を把握し適宜調整を行うことが大切です。
安全性の高い食品の提供のために、毎日の点検と定期的な校正を丁寧に行っていきましょう。