公開日: 2021年5月31日 - 最終更新日: 2023年6月22日

暖かい時期は虫が大量発生!?春から夏にかけて発生する虫の種類と食品工場での防虫対策!!

鷲見まいか
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こんにちは、エクシールの鷲見です。

春から夏にかけて暖かさが増すこの時期は、食品業界の天敵である害虫が発生します。特に、湿度の高い梅雨は虫にとって過ごしやすく活動が活発になります。

夏に向けて増える虫の種類と、防虫対策について過去の記事もご紹介しながらお話をしていきます。

 

 

梅雨から夏にかけて大量発生する虫

夏は様々な虫の活動に適した気温となります。
その中でも今回は、大量に発生し食品工場の稼働に危害を及ぼす虫をいくつかご紹介します。

羽アリ:ヒメアリ、クロヤマアリなど

羽アリは主に4月下旬から9月が発生時期です。

繁殖活動のため巣から飛び出した羽アリが飛び回り、多量飛来します。アリの種類によっては光を好み、シャッターの隙間や窓から工場内へ侵入することがあります。

コバエ :イエバエ、チョウバエなど

コバエは気温25℃~30℃、湿度70%の環境を好み、4月から11月に発生します。

内部発生することがあり、排水溝やグリストラップに付着した汚泥を食べて成長します。また、ゴミ置き場も発生原因となりやすいです。

ユスリカ

春から秋にかけてに大量発生します。走光性(光に近づく特性を持つ虫)が強く、工場の照明に誘引されやすいです。

ドアや窓からの侵入に加え、溜まり水がある所で内部発生することがあります。水はけが悪い場所や排水溝、検収室のように泥が付着する場所などが発生源となります。

クロゴキブリ

クロゴキブリは春に孵化し活動を始めます。下水に生息しており基本的には建物内に巣を作りませんが、屋根裏や軒下にある水漏れ、溜まり水をそのままにしておくと巣が作られ内部発生する場合があります。

これらの虫の発生は、異物混入のリスクを高めるだけでなく、虫を介して病原細菌やウイルスが工場内へ持ち運ばれる恐れがあります。

どのような防虫対策を行うのが効果的なのでしょうか。

行うべき防虫対策!

外部侵入への対策

○走光性の習性を持つ虫への対策を行う

走光性のある虫に適した方法です。光に反応する虫は、光の中にある紫外線を頼りにして移動します。

このような虫には、紫外線で虫を引き寄せ捕獲する捕虫器の使用が効果的です。
捕虫器の設置に適した場所は以下の通りです。

・資材置き場や作業台など製品の動線から1m以上離れた位置に設置する
※捕虫器の下には物を置かない
・できるだけ製品から離れた入り口付近に設置する
・誘虫光が外に漏れない位置に設置する
・1.5~1.8mくらいの高さに設置する

捕虫器は完全に虫の発生を抑えるものではありません。捕虫器単体ではなく、他の対策と併用することが望ましいです。

また、工場内からの照明を外部に漏らさないために、遮光処理をするとよいでしょう。
窓のフィルムやシートシャッターの色をオレンジ、黄緑など紫外線を吸収しやすい色にすることで、虫が光に誘引されることを防ぎます。

 

○臭いが漏れないようにする

排水溝や浄化槽、ゴミ置き場のような臭いの発生源となる場所は虫が寄ってくる元となります。

生ごみは蓋をして外に臭いが漏れないようにし、ゴミはできるだけ製造現場から離れた場所で保管しましょう。

清楚時は汚れの除去を徹底すると同時に臭い(異臭)の確認も行います。

↓ゴミ庫の管理についてはこちら↓

ゴミ庫の管理のポイントとは?|衛生的に保って害虫・そ族(ネズミ)対策!!

 

○植物の手入れを行う

植物が生い茂っているところは、虫の住処となってしまいます。
落ち葉や雑草はこまめに引き抜き排除しましょう。

植栽が必要な場合は、建物に隣接させないようにします。また、植物の種類も虫が好むツツジやスギなどは避け、ヒノキやハーブ系などを選ぶと効果的です。

 

↓外部侵入対策!過去の記事はこちら↓

食品工場内への侵入場所別!防虫対策 ~外部からの侵入編~

内部発生への対策

○発生源の除去、清掃

前項にて、汚泥や水場をを好む虫がいることをご説明しました。このような場所の内部発生は日常の清掃、点検が大切です。

食品残さや溜まり水はこまめに除去し、毎日の清掃で工場を清潔に保ちましょう。また、天井裏のような日常清掃が難しい箇所は、定期的に頻度を決めて清掃するか専門業者に依頼しましょう。

施設内の破損、劣化箇所も汚れが蓄積しやすく、虫の住処となります。破損箇所はそのままにせず修復します。

 

↓内部発生対策!過去の記事はこちら↓

食品工場内への侵入場所別!防虫対策 ~内部からの発生編~

まとめ

今回は、これからの季節に注意が必要な虫のご紹介と、防虫対策の方法についてご紹介しました。

家庭などでは防虫、殺虫剤を使うことが多いですが、食品を扱う現場では薬品の使用はできるだけ避けることが理想です。生き物の発生、侵入は食品への混入や汚染の原因となりえるため、日々の清掃などで対策を施していきましょう。

<参考>
日本防疫株式会社:https://www.nihonboueki.co.jp/
やさしい防虫管理の考え方:http://pest-kanri.com/

 

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鷲見まいか

ウレタンを扱った製品の製造・販売を行う株式会社エクシールで働いています。仕事を通して得た知識や経験を活かして、皆様に有益な情報をお伝えできるよう努めてまいります! 大きなどんぶりサイズの茶わん蒸しを食べることが夢です!
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