こんにちは、エクシールの鷲見です。
食品業界において消費者に健康被害を及ぼす可能性のある異物混入は、発生を未然に防ぐための対策が重要です。
今回は、生産設備に用いられているネジやナットなどの金属部品、パッキン、Oリングのようなゴム部品の混入対策についてお話をしていきます。
生産設備の部品の混入対策
生産設備に用いられる金属部品やゴム部品は、機械の固定、接続部の密閉などの役割を果たしています。これらは摩耗品であるため、経年劣化によって破損し食品に欠片が混入する恐れがあります。
どのような対策を講じるのが効果的でしょうか。
材質にこだわる
稼働時の振動に強く破損しにくい材質を使用します。
ネジやナットなどの金属部品は耐熱性があり錆びにくいステンレス素材が適しています。
ゴム部品はゴム材料によって得意とする分野が異なります。例えば、ニトリルゴムは耐油性、耐摩耗性に優れており、フッ素ゴムは耐熱性、耐薬品性を持っています。使用環境や使用場所を考えて最適なものを選びましょう。
目立つ色のものを使用する
ゴム部品には色がついているものもあります。
原色で目立つ色や、扱う食品とは反対色のゴムを使用すると万が一破損した場合に発見しやすいです。
メンテナンスの実施
洗浄時の分解、組み立てやメンテナンス時には劣化状況を確認します。
目視で形状の変化(割れ、削れ、変色、色移り、臭い、変形)が見られたら部品を交換しましょう。
劣化が見られなくても、頻度を決め定期的に部品交換を行うとトラブルを未然に防げます。交換したらいつどの場所を替えたのかを記録し、交換時期の目安を把握することが大切です。
また、正しく部品が取り付けられているかの確認も必要です。ねじに緩みはないか、脱落していないか、パッキンの装着間違いはないかなどの点検を作業前に行いましょう。
異物検査装置の導入
異物検査装置で欠片の混入を検出する方法です。
異物検査装置には主にX線検査機と金属検出機の2種類があります。
それぞれに得手不得手があるので、用途に応じて選びましょう。
最近では、金属検出機で検知できるゴム部品も増えてきたので、異物検査装置に対応した材質の部品を使用するのも効果的ですね。
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汚れを蓄積させない清掃も大切!
ネジやナット、パッキンなどの固定に用いる部品は、部品自体の混入を防ぐことが重要ですが、部品が汚染源とならないよう清潔に保つ管理も求められます。
部品の固定部分には小さな凹凸が生じており、食品残さや水分などが蓄積していきます。毎日の清掃で汚れを落としましょう。
まとめ
今回は、生産設備に用いられる部品類による異物混入を防ぐための対策方法をご紹介しました。
使用環境に適した材質や色の部品を選ぶ方法もありますが、日頃から異物になる恐れがあることを念頭に置いてこまめな点検を行うことが重要です。
<参考>
六菱ゴム株式会社 技術情報「ヘキサシール:材質の選定」:https://www.mutsubishi.co.jp/index.html