公開日: 2025年2月21日

食品工場の業務を効率化するための「ECRSの4原則」

今井 はるえ
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こんにちは、エクシールの今井です!

今回は【食品工場におけるECRSの4原則】についてです。
食品工場では、効率化が生産性の向上やコスト削減に直結するため、「ECRSの4原則」を実践することで大きな効果が得られます。この記事では、ECRSの原則を食品工場の実務にどのように活用できるかについて詳しく紹介していきます。

 

 

 

 

ECRSの4原則とは?

食品工場では、生産性の向上やコスト削減が常に求められています。競争が激しい業界で生き残るためには、業務の効率化が不可欠です。ECRSは、業務効率化のための4つの原則を示しており、それぞれの原則を実践することで無駄を削減し、業務の流れを最適化することができます。

・ Eliminate(排除)…  無駄を排除する

Combine(結合)…  作業を結び付けて効率化

Rearrange(順序の変更)…  作業フローを最適化

Simplify(簡素化)…  作業の簡素化で効率アップ

 

↓ECRSの4原則に関する他の記事はこちら

業務のさらなる効率化を目指す『ECRSの4原則』とは?|具体例もご紹介!

食品工場におけるECRSの4原則

これらの原則を食品工場のどのような場面で適用できるのか、具体例を交えて紹介していきます。

① Eliminate(排除):無駄を排除する

ECRSの4原則の中でも最も重要な原則のひとつで、業務の効率化を図るためにはまず無駄を取り除くことが必要です。食品工場においての「無駄」は時間や労力、資源を無駄に使うことを指します。これらを排除することで、作業の効率化・コスト削減・品質向上につながります。

 

無駄な待機時間の排除
製造ラインでの待機時間が発生することは無駄のひとつです。例えば、加工機器が故障したり、メンテナンスのために停止している時間があると、その間に生産が止まってしまい待機時間が無駄になります。
排除方法としては、設備のメンテナンスを定期的に行い、計画的にダウンタイムを減らします。また予防保全を強化し、故障を未然に防ぐための取り組みを行いましょう。

 

在庫の過剰や無駄な材料の使用
食品工場では、原材料やパッケージ材料の過剰在庫を抱えることがあります。在庫が多すぎると、保管スペースを無駄に占拠し、品質劣化や賞味期限切れなどのリスクも増えます。過剰な材料を仕入れることも、無駄なコストが発生します。
排除方法としては、在庫管理システムを強化し、使用頻度や消費期限を正確に把握し適切なタイミングで発注します。また、必要な時に必要な分だけを仕入れる体制を整えることで、過剰在庫を避け、無駄なコストを削減できます。

 

 

 

② Combine(結合):作業を結びつけて効率化

ECRSの4原則の中でも作業の重複を排除し、より効率的に業務を進めるための重要な原則です。食品工場では、作業の一部を結びつけたり、関連する工程を統合したりすることで無駄な手間を減らし、よりスムーズで効率的なフローが作られ、全体の生産性が向上します。

 

複数の作業工程を統合する
個別に行われている作業を結び付けて行うことで、時間と労力を削減することができます。
例えば、野菜を洗う工程とカットする工程を別々に行っている場合、洗浄とカットを同時に行うための設備を導入することで2つの工程を一度に行うことができ、作業員の移動時間を減らし、加工時間を短縮することができます。

 

従業員の役割を統合する
従業員の役割を最適化するために、同じエリアで複数の作業を担当できるような作業分担を行います。
例えば、同じラインで材料の補充、パッケージ、ラベリングを一貫して行えるようにすることで、作業の無駄を減らすことができます。

 

 

③ Rearrange(順序の変更):作業フローの最適化

効率的な作業を実現するためには作業の順番を見直すことが必要です。食品工場において、作業工程の順序を最適化することで、無駄を減らし、生産性や品質向上、コスト削減が可能になります。
この原則の目的は、各作業が適切な順番で実行されるようにすることです。それにより、作業員の移動時間や待機時間、製造ラインの停滞を最小限に抑えることができます。

 

作業順序の見直しと最適化
多くの食品工場では、工程ごとの作業順序が定まっていますが、順番を少し変更することで、全体の作業が効率よく進む場合があり、無駄な待機時間や移動時間を減らすことができます。
例えば、包装作業が終わった後にラベル貼りを行う場合、先にラベル貼りを終えてから包装を行う方が効率的な場合があります。特にラベル貼りを行う際に一度包装を開ける必要がある場合、順番を逆にすることで作業が無駄なく進行します。

 

作業の並行化と後工程への影響を考慮
順序を変更することで、いくつかの作業を並行して進めることができる場合もあります。これにより、全体の作業時間を短縮できます。ただし、後の工程が順調に進むように、前工程で作業の負荷や作業順を考慮して変更することが大切です。
例えば、加熱後の製品は検査を経て出荷されますが、加熱中に製品の検査準備を行うことで加熱が完了した時点ですぐに検査が開始できるように並行して作業を進めることができます。これにより、待機時間を削減し、複数の作業を並行して進めることができるため、生産性が向上します。

 

④ Simplify(簡素化):作業の簡素化で効率アップ

この原則は業務の手順や作業をできるだけ簡単にすることを目的としており、食品工場での業務効率化に非常に役立ちます。簡素化によって作業が無駄なく進み、時間やコストが削減され、全体の生産性が向上します。

 

作業手順の見直しと簡素化
食品工場は手順が複雑すぎると作業効率が悪化し、無駄が発生するため、作業手順を簡素化することが効果的です。
例えば、製品の検査工程が多すぎる場合、検査方法を見直して効率化を図ることができ、必要のない検査を減らし、重要な部分だけに注力することで、時間を短縮できます。

 

 

まとめ

これらの原則を実践することで、食品工場はより効率的で競争力のある生産体制をつくることができます。業務の見直しや改善を進めることで、持続可能な運営が可能になります。

 

<参考>
「ECRSの原則」を使って業務効率化を成功させよう!|ADAPTERINC.
食品製造業の生産性向上 事例集|農林水産省

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今井 はるえ

ウレタンの特性を生かした商品を製造・販売している、株式会社エクシールに勤めています。どんなことも明るく、前向きに取り組んでいきます!! 好きな果物は、イチゴです!いちご狩り大好きです!
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