こんにちは、エクシールの今井です。
今回の記事では、工場内の製造や生産現場で使用される、FG、WIP、SFG、RMが何を示しているのか、またどんな意味なのかをご紹介していきたいと思います。
基本的なワードではありますが、工場内の生産管理・在庫管理においてとても重要な意味を持っていますので、ぜひ一度確認してみてくださいね。
※この記事は2018年7月19日に公開した記事ですが、リライトに必要な文言等を追記、その他の部分も修正して再度公開しました。
FG(Finished Goods)とは
製造現場において使用されるFGとは、Finished Goodsの頭文字からとった略語で「完成品」を意味します。
完成品は、その名の通り工場内での製造がすべて完成した後の品を意味し、検査や包装などの全工程を経て、顧客に出荷・販売できる状態の在庫のことを示します。製品・商品と表されることもあります。
FG(完成品)があることで、急な注文が来た場合でもお客様を待たせる期間(出荷リードタイム)が少なく商品を出荷できますが、在庫を抱えるうえでのリスクも生じます。
WIP(Work In Progress)とは
WIPとは、Work In Progressからとった略語で「仕掛品」を意味します。
仕掛品は英語の方がイメージしやすいかもしれません。完成品に向けて製造途中の品を表します。
WIP(仕掛品)がある場合とない場合では、生産指示があってから製品が出来上がるまでの期間(製造リードタイム)に大きな違いが出てきます。
SFG(Semi-Finished Goods)とは
SFGはSemi-Finished Goodsからきており、日本語では「半製品・中間製品」と表します。
仕掛品と同じく完成品になる前の製造途中である品を意味しますが、半製品であるSFGは会社にとって中間的製品であり、その状態で出荷することが可能です。
WIP(仕掛品)とSFG(半製品)は最終製品に至る前段階の在庫として混同されがちですが、簡単に分類分けすると、「そのままでも販売できる状態の在庫」を半製品、「製造途中でありそのままでは外部販売できない状態の在庫」を仕掛品となります。
■ 加工食品の缶詰の場合
製造途中でまだ完成していない状態であり、それ単独での販売ができない状態のものをWIP。
加工した食品を缶に詰めて密封したものは、ラベルの貼付や箱詰めがされていなくても販売や貯蔵が可能なのでSFG。
SFG(半製品)の有無は出荷リードタイムにも製造リードタイムにも関係してきます。
RM(Raw Material)とは
RMはRaw Materialの頭文字から来た略語で「原材料」を意味します。
加工に入る前の、購入したままのものを指し、これを使って何かしらの工程を行うとWIP(仕掛品)に進んでいきます。
その他
他に、検査前の完成品のことをBQAやBQCということがあります。
BQAのQAはQuality Assuranceの略で「品質保証」、BQCのQCはQuality Controlの略で「品質管理」を意味します。
これは検査待ちの状態であるため、完成品にもっとも近い状態ではありますが、工程途中のため、仕掛品に近いものとなります。しかし、生産数のカウントなどを行う場合は、検査前まで終了しているものと、まだ初期の工程のものでは完成品になるまでの製造リードタイムが大きく異なるため、別途集計することがあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
工場ではそれぞれの工程での生産管理・在庫管理はとても重要です。例えば、完成品の在庫管理しかしていなかった場合、在庫切れの状態で注文が入ってしまった場合の納期が全く分からない状態となってしまいますよね。
製造現場での完成品、仕掛品、原材料など各工程における在庫管理は製造コスト算出や生産能力、生産効率やコスト改善を行う際にも役立ちます。
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