公開日: 2018年7月25日 - 最終更新日: 2022年8月10日

電子デバイス・レンズの新しい清掃方法!傷つけずにホコリを取る秘密道具とその魅力

鈴木ちか
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こんにちは、連日続く熱帯夜に我慢できず、寝苦しさに夜中飛び起きれば、クーラーのタイマーが切れた直後だった、鈴木です。
夜間も30度を超える日が出てくると、寝ている間にも脱水症状や熱中症になりかねません。皆様も体調管理にお気を付けくださいね!

近年、モノづくりに求められる品質は年々高まってきている傾向にあります。その中でも、デバイスや集積回路など、精密部品を扱う分野では、ほんの小さなホコリ一つが重大なクレームにつながりかねないため、高度なコンタミ防止対策が求められています。
今回の記事では、電子デバイス・レンズの新しい清掃方法と題しまして、半導体業界のコンタミ防止対策に最適な「ウレタンゲルでできたコンタミ除去ツール」について、その魅力と概要をご紹介していきたいと思います。

 

従来の洗浄方法の問題点

半導体や精密部品の洗浄には様々なものがありますが、洗浄液を全体に付けコンタミを洗い流す「ウェット洗浄」という方法が主流といえます。
しかし、全体を洗浄する方法ゆえに、もしも洗浄液にコンタミが混入していた場合には対象全体に汚染が広がってしまう恐れがあります。また、ウォーターマークという、液体が乾いた跡が残ってしまうこともあります。
他にも、膨大な量の超純水を必要とするなどのコスト面も、今後の課題と言われています。
ウェット洗浄は一度に大量の部品を洗浄できますが、それと同時にリスクもあります。

 

ゲルクリーナーペンってどんなツール?

ゲルクリーナーペンはペン型のコンタミ除去ツール。
握ってみると、軽くて扱いやすく、本当のペンを持っているようで、プラスチックの柄の部分の先端には透明なペン先がついています。
このペン先はウレタンという素材でできており、触ってみるとペタペタと粘着性を持っています。この粘着を使って、プリント基板や電子デバイスなどに付着したごみ・ホコリを取り除く、というアイテムなんですね。

先に挙げたウェット洗浄のように、大量の製品を一度にまんべんなく洗浄することはできませんが、しっかりとピンポイントで異物を除去できる、最終チェックに向いているアイテムになります。

 

ゲルクリーナーペンの魅力

ゲルクリーナーペンはそのペン先の柔らかさや材料の特性上、従来の除去方法にはない魅力がたくさんあります。この項目ではその魅力について紹介していきます。

 

魅力その1:柔らかなペン先が対象を傷つけない!

電子基板などはホコリだけでなく、傷にも非常に弱いです。ペン先に使われているウレタンゲルはとても柔らかい素材のため、基板を傷つけることなくごみを除去することができるんです。

またこの特性を利用して、同じように傷や指紋などをつけたくない、顕微鏡カメラのレンズなどの汚れ除去にも役立つ優れものです。

 

魅力その2:シロキサンフリー(シリコンフリー)

半導体を扱っている工場では、電流の流れを阻害するシロキサン(シリコン)を嫌い、原材料に入っている製品の持ち込みを禁止している工場も多くありますよね。
ゲルクリーナーペンはウレタン素材のためシロキサンの汚染がないため、そういった工場にも持ち込みが可能なところが魅力の一つです。

 

魅力その3:糊の転写が起こらない!

これは大きな魅力ですね!
例えばセロテープや両面テープのように「粘着剤」が使われているものでほこりを取り除こうとした場合、触れた部分に粘着剤の転写が起こり、逆に対象を汚染してしまう、という場合があります。
ゲルクリーナーペンはペン先に粘着剤が塗布されているわけではなく、ウレタンの素材自体が持つ粘着力を利用していますので、対象に糊が転写してしまう恐れはありません。

 

魅力その4:洗浄して使える

ペン先に付いたごみやホコリは、他の転写ゲルに転写させるか水で洗うことによって、きれいに除去することができます。
更に、乾くと粘着が復活するので、繰り返し使用することが可能です。

 

まとめ

いかがでしたか?
ウェット洗浄は一度に大量の部品を洗浄できるという利点がありますが、それと同時にリスクもあります。
今回紹介したゲルクリーナーペンなどのツールも組み合わせて使用していくことで、しっかりとコンタミ防止対策を行っていけるでしょう。

 

 

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鈴木ちか

ウレタンの特性を活かし様々な商品を製造・販売している、株式会社エクシールで働いています。最近は食品工場向けの依頼が多く、仕事を通して学んだ製造業のアレコレを記事にしていきたいと思っています。同じ製造業の方が見て何かヒントになるような、そんな記事が描けるよう日々努力していきます!
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