公開日: 2021年10月14日 - 最終更新日: 2022年12月19日

品質管理のキホン|新QC7つ道具「連関図法」とは?

今井 はるえ
  • シェア
  • twitter

こんにちは、エクシールの今井です。

今回は新QC7つ道具の中の【連関図法】についてご紹介します。
連関図法は多くの要因が絡み合う問題で、本当に解決すべき要因を見出すことに最適な手法です。早速見ていきましょう!

※この記事は2018年12月10日に公開した記事ですが、リライトに必要な文言等を追記、修正して再度公開しました。

 

新QC7つ道具について

新QC7つ道具は言語情報や文字情報の言語データを解析し、関係を図解化することで問題の方向性を見出す手法です。
事務・販売・設計・企画などの部門においては、数値データよりも言語データが多くあるため、QC7つ道具では解析が難しくなります。そのため製造現場以外でも活用できるQC手法として、新QC7つ道具が生まれました。

また新7つ道具とは次の通りです。

・親和図法
・連関図法
・系統図法
・マトリックス図法
・アローダイアグラム法
・PDPC法
・マトリックスデータ解析法

 

連関図法について

連関図法とは、原因と結果や目的と手段などの関係が複雑に絡み合った問題について、その相互関係を矢印で結ぶことで全体像を把握し、複雑に絡み合う問題から重要な要因を見つける方法です。
入り組んだ問題の因果関係を明らかにし、解決テーマの設定をすることができます。

 

連関図法を用いると、平面上に連関図が広がってゆくに従い、複雑に絡み合う問題の全体を見渡すことができるようになり、新たな発想が生まれてきます。また相互の因果関係を明らかにすることができます。そして矢印が集中しているところは他の要因との関連が強く、重要な要因であると考えられるため、問題の核として解決へと導くことができるようになります。

 

連関図法と特性要因図の違い

連関図法と似ているのがQC7つ道具の中の「特性要因図」です。
特性要因図も1つの結果とその原因を整理する目的で使われるため、連関図法と似ています。ただし、特性要因図はそれぞれの原因が結果に向かって一直線に伸びる構造をしているので要因同士の因果関係を表現することができません

それに対し連関図法は原因が複雑に絡み合っている問題でも因果関係を明らかにすることができます。

 

連関図法の書き方

では、実際に連関図法の書き方をご紹介します。ここでは問題解決手法の紹介と解決力をつけるサイトを参考にしながら見ていきます。

 

①問題の設定

この問題は、例えば「~にならないのはなぜか?/なぜ~なのか?」といったものです。
目立つように色を変えて中央に書きます。

 

例:職場の整理整頓が悪いのはなぜか

 

②一次要因を探る

問題を引き起こしている原因を探り、枠で囲んで問題の周りに書きます。これを一次要因といいます。大体2~5つ程度は出しましょう。
また、一次要因に関する数値データや画像などがあれば横に貼付しておくとグループ内で共有できます。
そして一次要因から結果(問題)へ矢印を引きます。

例:
①マニュアルがない
②整理するスペースがない
③整理の時間がない
④整理の意識が低い
⑤強く指導する者がいない

 

③二次要因、三次要因…と探る

1つの一次要因を結果として「なぜこの一次要因が発生するのか」を考えていきます。そして②と同様に二次要因を書いていき、二次要因から一次要因へ矢印を引きます。この流れでさらに下位の原因を書き込んでいくことを繰り返します。

全てが原因→結果で結ばれるようにしましょう。

ここでは「なぜ、なぜ」と原因を考えることが大切です。原因を考える中で他責的に考えられる原因があれば、自責的な見方に変えることも重要です。(例:予算がない→現状の予算でなぜできないか)

例:
①の二次要因
└方針がない、整理責任者がいない、廃棄基準がない
②の二次要因
└使わない書類が多い、部屋が狭い、キャビネットがない、整理方法が悪い
③の二次要因
└整理の意識が低い
④の二次要因
└罰則がない、整理の必要性を理解していない、強く指導する者がいない
⑤の二次要因
└整理責任者がいない

 

④因果関係を探る

相互に関連している要因があれば、そこにも矢印を加えます。

 

⑤重要要因を決める

最後に問題を解決する要因となる重要要因を決めます。
これは末端にある要因や関係線の出入りが多いものになることが多いです。太枠で囲ったり色を変えたりして表しましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。多くの要因が絡んでいる問題では、どこから取り組めばよいかわからず、目についた要因から対処しがちです。しかし、連関図法で結果に対する原因を一つ一つ結んでいくことでどこを重点的に対策すればよいかが明確になります。
「なぜ、なぜ」と疑問を持ちながら、社内で原因を出し合い、本当に解決すべきポイントを見つけられると良いですね!

 

 

  • シェア
  • twitter
The following two tabs change content below.

今井 はるえ

ウレタンの特性を生かした商品を製造・販売している、株式会社エクシールに勤めています。どんなことも明るく、前向きに取り組んでいきます!! 好きな果物は、イチゴです!いちご狩り大好きです!
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

カテゴリー

月別アーカイブ