こんにちは、エクシールの今井です!
さて今回は新QC7つ道具の中の【系統図法】についてご紹介します。
系統図法は何を対策すべきか見えてきたけど、実際どうやって対策したらよいかわからない…といったときに最適な手法です。早速見ていきましょう!
※本記事は2018年12月17日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して再度公開しました。
新QC7つ道具について
新QC7つ道具は言語情報や文字情報の言語データを解析し、関係を図解化することで問題の方向性を見出す手法です。
事務・販売・設計・企画などの部門においては、数値データよりも言語データが多くあるため、QC7つ道具では解析が難しくなります。そのため製造現場以外でも活用できるQC手法として、新QC7つ道具が生まれました。
また新7つ道具とは次の通りです。
・親和図法
・連関図法
・系統図法
・マトリックス図法
・アローダイアグラム法
・PDPC法
・マトリックスデータ解析法
系統図法について
系統図法とは、目的と手段を系統づけ、その体系を枝分かれさせてわかりやすく図式化したものです。
目標を達成するための道順を決めて対策を整理する方法です。
段階的に細かく分割・展開することで、より具体的な方策を出したり、抽象的なアイデアを広げたりします。
目的に対する手段が定まっていないときに系統図法を用いることで、新たな発見が得られ、最適な手段を見つけることができます。
系統図法を用いると、事象を系統的に展開できるので、作成の過程や結果の中から具体的な解決策を考えることができます。達成すべき目的に対して手段①を考え、さらにその手段①を目的と置き換えて、これに対する手段②を考える…というような流れ(目的-手段=目的-手段)で順番に展開していきます。この手段は実現できるものでなければならないので、実現可能な手段になるまで展開していきましょう。
ちなみに展開する際は、一つの目的に対して2つ以上の手段を考えると、展開の幅が広がります。そのため最初の目的を具体的にしすぎてしまうと、後に展開しづらくなってしまうので注意しましょう。
系統図の種類
系統図には、要素を分解して掘り下げていく方策展開型と方策を生み出しながら展開していく構成要素展開型の2つがあります。
方策展開型系統図は、概念を大きなものから徐々に小さなものへと枝分かれさせながら展開し、課題解決へのいくつかの方策を出すために用いる図法です。
一般的にはこちらが多く使われています。
構成要素展開型系統図は、構成要素を整理して、要素の相互の関連や要素の抜け落ちをチェックするために用いる図法です。
系統図の書き方
では実際の例を見ながら書き方を学んでいきます。こちらのサイトを参考にご紹介します。
日本のものづくり~品質管理、生産管理、設備保全の解説 匠の知恵
①目的の設定
連関図法で取り上げたテーマや解決したい問題を「~を~するためには」という表現で表します。
手段を展開するにあたり、なぜこの目的になったのかをしっかりグループで明確にしておきます。
必要に応じて制約条件を設けると良いです。
例:利用しにくい図書室を利用しやすくするためには
└制約条件:設備改善を行わずに運用上での手段を検討する
②一次手段~三次・四次手段の検討
ここでは具体的な手段というよりも、目的を達成するため手段を順に展開していきます。
大体三次か四次手段あたりまで展開します。
目的-手段①=目的①-手段②=目的②-手段③=目的③-手段④
③チェック
展開が完了したら、再度目的から順に見直していきます。次に最後の手段(四次手段など)から逆に目的へと確認してみましょう。
前章でも記述しましたが、1つの目的に対して1つの手段しか出ていない場合は、もう一つ手段を考えるなど、手段の追加や修正をしていきましょう。
親和図と連関図との違い
親和図は多くの問題・事柄があるときに、それらを整理するために使用します。
連関図は1つの複雑な問題があるときに、問題が発生する要因や問題点を整理・深堀するために使用します。
系統図法は達成したい目的があるときに、最適な手段を追求し見つけるため使用します。
まとめ
いかがでしたでしょうか。目的を達成するための手段が明確でないときに系統図を用いることで、最適な手段を見つけることができますね。また図解化することで誰が見ても分かるようになり、チーム内での意思の統一を図ることができます。
解決すべきポイントが見えてきたら、系統図を使って対策を考えられると良いですね!