今こそ「新」原料原産地表示制度を学ぼう!

こんにちは!エクシールの清水です。 先日、来期の経営計画発表がありました。4月から新入社員や配置転換など、社内で色々と変わることもありますので、それまでにしっかり準備をしてスムーズに仕事ができればと思います! さて今回は【原料原産地表示制度】についてです。 消費者庁では2017年9月1日に食品表示基準を改正・施行し、全ての加工食品で原料原産地の表示を義務付けることとなりました。移行期間は約5年で2022年3月末までを予定しています。 猶予期間である今だからこそ、改めて原料原産地表示制度について学んでいきましょう! 本記事では農林水産省のマニュアルを参考に、わかりやすくまとめました。早速チェックしていきます!   新たな原料原産地表示制度はどこが変わったのか? 簡単に言うと次の3点が大きく変わりました。 ①輸入品を除く、全ての加工食品が対象であること ②原材料のうち、最も割合の高い原材料が対象であること ③表示方法が増えたこと   以前は表示を義務付けられているのが「26品目のみ」で、原材料のうち「最も多い生鮮食品」かつ「全体の50%以上」を占めていなければ、原産地表示は不要でした。 新たな表示制度では、対象となる食品は「おにぎり+全ての加工食品」が追加され、そして対象となる原材料は「おにぎりののり+加工食品に占める重量割合上位1位の原材料」が追加されました。 表示方法も1種から増えておりますので次項で紹介します。   表示方法をチェックしよう! 表示方法は今まで通り、原則「国別重量順表示」です。 使用した原材料に占める重量割合が最も高い原材料が対象となり、その対象となる原材料の産地を、 「国別」に「重量の割合が高い順」で表示し、国名を「、(読点)」でつなぐ表示方法です。 上記の方法に加えて、今後1年間で国別の重量順位の変動や産地切り替えが行われる見込みがある場合、次の例外表示が認められることとなりました。 これは今までの表示制度にはなかったものです。   ①又は表示 産地が2か国以上のとき、使用予定の産地を一定期間使用割合の多い順に「又は」でつないで表示する方法です。 (※一定期間使用割合:過去の一定期間における産地別使用実績、または今後の一定期間における産地別使用計画) 例えば「A又はB」と表示した場合、AかBのどちらか、または両方が使われることを意味するので、この範囲であれば表示切替は不要となります。 また産地が3か国以上ある場合は、3か国目以降を「その他」で表示することができます。 「又は表示」で注意すべき点が3つあります。 ⅰ一定期間使用割合順に表示した旨を注意書きで書く ⅱ一定期間使用割合が5%未満である産地の後にその旨を表示する  →ただし、その他と表示する産地が5%未満の場合は不要です。 ⅲ表示に至る根拠書類の保管が必要  →期間:賞味(消費)期限に加えて1年間、または、製造してから5年間(賞味期限表示を省略している場合)   ②大括り表示 3か国以上の外国産の原材料が使用されるとき、3つ以上の外国の産地表示を「輸入」と表示する方法です。 国産をあわせて使用する場合は、輸入品と国産との間で重量割合が高い順に「、(読点)」でつないで表示します。 「輸入」のほかにも「外国産」「外国」「EU、アフリカ、南米など」の表示も可能です。 「大括り表示」の場合も根拠資料の保管が条件となりますが、又は表示とは異なり注意書きは不要です。   ③大括り表示+又は表示 原材料の産地が国産を含む4か国以上使用され、かつ国産と輸入との間で重量順の変動が見込まれる場合、「輸入又は国産」「国産又は輸入」と表示する方法です。 「大括り表示+又は表示」で注意すべき点は「又は表示」と同じく3つあります。 ⅰ一定期間使用割合順に表示した旨を注意書きで書く ⅱ一定期間使用割合が5%未満である産地の後にその旨を表示する  →ただし、その他と表示する産地が5%未満の場合は不要です。 ⅲ表示に至る根拠書類の保管が必要   ④製造地表示 原材料が加工原材料の場合(例:マヨネーズなど)、その原材料の名称に対応した製造地を「○○製造」などと表示する方法です。 ○○には「国内」や「外国名」、「都道府県」などを入れ、製造地の表示は国別重量順が基本となります。 製造地表示で注意する点は大きく2点あります。 ⅰ生鮮原材料名に対応させて「○○製造」と表示できない ⅱ製造地表示をする国が複数ある時は、必ず国名ごとに「製造」の文字を付ける また、製造地表示の中でも国別重量順に表示することが難しい場合、生鮮原材料同様に「又は表示」「大括り表示」、及びこれらの併用が認められています。 加工食品原材料の産地が、生鮮原材料の段階まで判明しているときは、「○○製造」の表示ではなく、生鮮原材料名とその産地を表示することができます。 最後に、複合原材料の生鮮原材料の産地をさかのぼって表示する場合、複合原材料の重量割合上位1位の原材料を表示する義務があります。   まとめ いかがでしたでしょうか。 新しい原料原産地表示制度は以前よりも細かく条件が定められており、事業者にとっては切り替えが大変かもしれません。日本は原材料を輸入することが多い国ですので、その原産地が変わるたびにパッケージを変更して価格を維持していくことは、個人的に非常に難しいと思います。 2022年3月末までが変更猶予期間と予定されていますので、今一度自社商品の表示を見直し、梱包やラベルなどの準備と材料の仕入れ先を確認してみてはどうですか?   ★今回参考にした農林水産省のマニュアルはコチラ     【前の記事】振動からくるストレスを軽減「振動対策」の仕方【次の記事】営業部で食事会をしました!The following two tabs change content below.プロフィール最新の記事 清水まり ウレタンゲルというやわらかな素材を扱った工場向けの商品を製造・開発する、株式会社エクシールに勤めています。海外向けのサイトを担当しており、国内外の製造者の方々へ新商品の紹介やご提案の仕事をしています。工場で働く皆様へ衛生管理の考え方や最新の情報を記事にしていきます!私ごとですが寒い時期の温泉がだいすきです。 最新記事 by 清水まり (すべて見る) 製造業は環境規制へどう対応する?|具体例と対応策 – 2024年11月29日 デジタル技術や自動化を社内に定着させる施策5選! – 2024年11月15日 サプライチェーンの混乱はなぜ起きた?|その影響と対策ついて学ぶ – 2024年11月1日 Pocket