こんにちは、エクシールの鷲見です。
今回は、冷凍食品とそうざい半製品の違いについてご紹介してまいります。
どちらも冷凍コーナーに陳列されている食品ですが、それぞれどのような特徴があるのでしょうか。早速確認していきましょう。
冷凍食品とは
冷凍食品とは、長期間の保存ができるように加工して冷凍された食品のことです。
冷凍食品と呼ぶためには、以下の4つの条件を満たす必要があります。
■生産から販売に至るすべての段階で、商品を-18度以下の温度で保管していること
■食材の洗浄や必要な調理などの前処理をしていること
■必要項目を表示し形が崩れないよう規定の包装方法で適切に包装していること
■品質を損なわないように急速冷凍していること
また、食品の種類や調理の有無などによって分類され、食品衛生法で成分規格が定められています。
冷凍食品の分類
■生食用冷凍鮮魚介類
→凍結された生鮮魚介類
例:切り身、むき身など
■無加熱摂取冷凍食品
→凍結前の加熱の有無に関係なく、加熱せず喫食可能な食品
例:果物、ゼリーやだんごのような菓子類
■加熱後摂取冷凍食品(凍結直前未加熱)
→凍結前に未加熱、または一部加熱済で、加熱調理をして喫食する食品
※加熱済でも凍結前に水冷のような工程があった食品などが分類されます。
例:餃子、焼き鳥など
■加熱後摂取冷凍食品(凍結直前加熱済)
→凍結直前に加熱済で、加熱調理をして喫食する食品
例:フライドポテト、ハンバーグなど
そうざい半製品とは
そうざい半製品とは、冷蔵や冷凍の状態で販売されている、加熱前の生に近い状態の加工品のことです。喫食には消費者による加熱調理が必要です。
そうざい半製品は、冷凍食品のような規格基準は定められていません。
2021年6月食品衛生法改正により、そうざい半製品の製造には新たに「そうざい製造業」の営業許可が必要になりました。
例:衣をつけただけの未加熱の揚げ物など
そうざい半製品は食中毒に特に注意が必要!
そうざい半製品は食中毒が発生しないよう特に気を付ける必要があります。
2016年には、そうざい半製品の冷凍メンチカツが原因で腸管出血性大腸菌O157による集団食中毒事故が発生しました。
前項の通り、そうざい半製品はほぼ生の状態で流通・販売されます。万が一、生の食肉がサルモネラや病原性大腸菌などの食中毒菌に汚染されていた場合、十分な加熱処理をしなければ上記事例のような食中毒が起きてしまう恐れがあります。
そうざい半製品の調理時には以下のことを心がけましょう。
■手洗いの徹底や調理器具の洗浄、使い分けで二次汚染を防ぐ
■調理時は中心部が75℃で1分間以上加熱する
(ウイルス対策は85℃~90℃で90秒間以上)
■調理後は切り分けて中まで火が通っているか確認する
また、提供者側は消費者が正しく調理できるよう、具体的な保存方法や調理方法を包装に表示しましょう。
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まとめ
今回は、冷凍食品とそうざい半製品の違いと調理時の注意点についてご紹介しました。
冷凍食品は品質を保つために前処理や保存方法、細菌数などいくつかの条件が定められています。喫食方法も、自然解凍できるものや加熱が必要な物など様々です。一方、そうざい半製品は定義などがなく処理の有無も食材やメーカーによって異なるため、喫食時には十分な加熱処理が必須です。
そうざい半製品はもちろん、冷凍食品の中にも喫食前に加熱調理が必要な場合があるため、喫食前には説明をよく読み正しい手順で調理することが大切ですね。
また、提供者側は適切な調理手順を消費者にしっかり伝え、加えて食中毒を防ぐための衛生管理の徹底を心がけましょう。