公開日: 2021年12月7日 - 最終更新日: 2022年10月20日

食品産業におけるSDGsの取組|⑮陸の豊かさも守ろう

今井みやの
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こんにちは!エクシールの今井です(^-^)

本日はSDGsの取組の中でも「陸の豊かさも守ろう」についてお話していきます!

前回の「⑭海の豊かさを守ろう」に続き、森林や陸での自然の生息地の劣化を食い止めるための目標です。

SDGsについてはコチラ

SDGsとは|世界共通の取り組みを学ぶ

 

SDGs「⑮陸の豊かさも守ろう」の食品産業視点から見た目標

この目標では、2020年までに国際的な協定に従って、森林、湿地、山地、乾燥地など陸上の生態系と、内陸の淡水地域の生態系、それらがもたらす自然の恵みを守り、回復させ、持続できるようにしていくことを目的しています。

森林を守ることは、水源の育成CO2の吸収に大きな役割を果たすだけでなく、農林漁業を営む人々の生活を支えるものであり、食品産業の持続を目指す上で非常に重要です。

森林の減少や砂漠化を食い止め、おとろえてしまった森林や土地を回復させていく努力が必要とされています。

 

この目標を食品産業の視点から見ると…

 

  • FSC認証を受けた容器や梱包材等、環境に配慮した容器類を使用する
  • 環境に配慮した原料の調達活動を行う

 

などといった問題を解決しなければなりません。

 

FSCとは、「Forest Stewardship Council®(森林管理協議会)」の略で、木材を生み出す森と、その森から生まれた木材を使って製品をつくる過程を「認証」する制度を作っている国際的な機関です。

森で暮らす人々の権利を守りながら、経済的にも続けることができる形で生み出された木材だけがこの認証を受けることができます。

つまり、責任のある森林管理をした木材を使用している証となります。

 

 

食品産業の取り組み例

① FSC認証紙容器の活用と植生再生活動の実施|キリンホールディングス株式会社 https://www.kirinholdings.com/jp/impact/env/3_3/vineyard/

キリンホールディングス株式会社では、FSC認証紙でできた紙パックを「トロピカーナ」という飲料の容器に使用しています。

また、2016年からは、専門家の指導のもと、従業員参加による希少種・在来種の再生活動を開始しています。

秋に、希少種・在来種が生息する場所の枯草を集め、畑の中の再生地に蒔くことで植生再生を目指す活動を行い、再生場所では、2016年に平均出現種数が8.2種であったものが、2020年には17.5種に増加し、順調に良質な草原に変わってきています。花の咲く在来種も定着し、秋には花畑のようになるそうです。

 

② 生物多様性の保全活動の実施|株式会社明治 https://www.meiji.co.jp/sustainability/harmony/biodiversity/

株式会社明治では、2007年に北海道根室市に所有する社有地467ヘクタールを自然環境保全区に設定し、社有地の工場が閉鎖した今でも、公益財団法人日本野鳥の会と連携しながら野鳥の保護生物多様性保全活動を行っています。

この活動により、タンチョウやオジロワシなど、絶滅危惧種である鳥類の生息数が保たれていることが確認されています。

また、従業員ボランティアによって森林整備や野鳥観察も行っており、従業員の環境意識の向上にもつなげています。

 

③ 環境保護に配慮した包装容器の活用|株式会社ニップン ( https://www.nippn.co.jp/csr/environment/eco/1223004_10541.html

株式会社ニップンでは、環境に配慮した無漂泊の木材パルプで作られたeco紙トレーを一部冷凍商品に使用しています。

eco紙トレーを製造する際にモールド容器(原料パルプを水に溶かし、金型で漉き上げて乾燥させた紙成形品)を活用することで、これまでは、紙トレー化が難しかった冷凍食品の仕切り付きトレーができるようになりました。

また、パスタなどの冷凍食品には、適切に管理された木材や木材製品であることが認められたPFFC認証紙を使用しており、この容器を使用した冷凍パスタは2019年度で前年比の1.7%増加しています。

社内報や、CSR関連の報告書、株主へ送る事業報告誌などの定期刊行物にはFSC認証紙を使用するなど、積極的に森林管理保全につながる取り組みをしています。

 

まとめ

いかがでしたか。陸を守ると聞くと漠然としていていまいち何を取り組めばいいのか分からないかもしれませんが、森林などの自然を守っていくと考えれば取り組めることが思いつきやすいですね。

食品産業では、原材料を育てている畑や森の保全に取り組んだり、プラスチックトレーから、森林保全の認証を受けた紙トレーへの変更などの取り組みが多く見られました。

今一度、原材料がどのような環境で作られているのかを見直したり、ダンボールや食品トレーなどの梱包材は森林保全に貢献しているのか等、確認してみてくださいね。

 

<参考>

17の目標と食品産業とのつながり:目標15に対する取組:農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sdgs/goal_15.html#goal_top

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ウレタンゲルのやわらかさ・自己粘着性を活かした商品を開発する、株式会社エクシールで働いています。最近では食品工場など製造業に向けた衛生商品を扱うことが多く、「きれいな工場をつくるお手伝い」をさせていただくため奮闘中!ウレタン製の衛生グッズを紹介する衛生管理アドバイザーとして、お役にたてる情報を発信できるよう、頑張ります。好きな食べ物はトーストです。
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