こんにちは!エクシールの清水です。
今回のテーマは【年末年始に向けて食品工場が実施すべき準備】についてです。年末年始は食品工場にとって繁忙期であると同時に、トラブルが発生しやすい時期でもあります。この時期に備えて、食品工場がどのような準備を行うべきかを解説します。
本記事では、食品工場が年末年始前にやっておくべき施策について解説します。
食品工場が年末年始に懸念すべき問題
年末年始は休暇に入る従業員が多く、社内で人手不足が起きたり、また世間一般で休暇の人が多いため、道路が混雑したりすることがあります。他にも冬の寒さで路面凍結が起きたり、積雪による通行止めなども突発的に起こる可能性があります。
■ 需要変動による生産と在庫の混乱
■ 人員不足とシフトの調整ミス
■ 機械トラブルの増加
■ 衛生トラブルのリスク増加
■ 物流の停滞
■ トレーサビリティ対応の不備
■ 緊急事態への準備不足
具体的にどのような準備が必要か
上記のような問題が起きた場合に備えてどのような準備が必要か、各項目に沿って見てみましょう。
① 在庫と生産計画の見直し
年末年始は需要が急増することが多く、需要予測が外れると生産過剰や在庫不足が発生します。また、突発的な受注が増える場合、原材料の不足や製品供給の遅れが起きるリスクがあるため、以下のような準備が必要です。
■ 需要の変動を予測
年末年始の需要増加や配送スケジュールを考慮した生産計画を立てましょう。予測をもとに無駄のない生産が可能になります。
■ 在庫の最適化
原材料や包装資材の在庫をチェックし、不足がないように補充します。過剰在庫や不足が生じないよう調整が必要です。
② 衛生管理の徹底
多忙な期間中に清掃が疎かになると、衛生基準を満たさない事態が発生する可能性があります。年末年始に出入り業者が増える場合、害虫や異物混入リスクも高まりまるため、以下のような準備が必要です。
■ 清掃と点検の実施
日常の清掃に加えて、年末には生産ラインや施設全体の大掃除を実施し、日常では手が届かない部分を重点的に清掃しましょう。
■ 防虫・防鼠対策
冬場でも油断せず、害虫や鼠の侵入を防ぐための防虫灯やトラップの点検・補充を行います。
③ 従業員のシフト調整とトレーニング
従業員が休暇に入るため、シフトの穴埋めが問題になります。特に繁忙期の急な人員不足は、生産遅延やミスの原因になります。もしトラブルが起きた場合でも、出勤している従業員で対応できるような準備が必要です。
■ 年末年始の人員確保
特別シフトを編成し、必要に応じて派遣や短期労働者の採用を計画します。
■ トラブル対応トレーニング
機械の故障や急なトラブルに対応できるよう、従業員にトレーニングを実施し、緊急時の対応力を高めます。
④ 設備と機器のメンテナンス
年末年始のフル稼働状態で、機械の負荷が増大します。定期メンテナンス不足が原因で、突発的な設備故障が発生しやすくなるため、以下のような準備が必要です。
■ 定期点検の実施
年始のフル稼働前に機器や設備の点検を行い、異常があれば修理します。
■ 予備部品の確保
生産ラインで使われる消耗品や部品を十分にストックし、予期せぬ機械トラブルに備えます。
⑤ トレーサビリティの確保
繁忙期にはミスが起こりやすく、製品の追跡記録が不完全になりがちです。トレーサビリティシステムのエラーや記録漏れが、後々の問題につながる可能性があるため、以下のような準備が必要です。
■ 記録の整理
生産記録や品質管理記録を整理し、不備がないか確認します。
■ デジタルシステムの活用
トレーサビリティシステムを活用し、製品の起源や移動経路、加工過程などを把握できるようにし、異常時に迅速に対応できる体制を整えます。
⑥ 緊急時対応計画の確認
年末年始の物流業界の繁忙期と重なり、配送の遅延や誤配送のリスクが高まります。さらには道路混雑や天候の影響も考慮する必要があります。そのため災害や停電、感染症の発生などの不測の事態に備えた対応計画(BCP)が不十分な場合、事業継続が難しくなる可能性があります。
■ BCP(事業継続計画)の再確認
災害や停電などの緊急事態に備えた対応計画を見直し、従業員と共有します。
■ コミュニケーションの確保
緊急時に備え、連絡体制や情報共有方法を再確認します。
▼ こちらの記事でも緊急時の対応についてご覧いただけます。
まとめ
これらの取り組みを実施することで、年末年始に起こりやすいトラブルを未然に防ぎ、生産の効率性と品質の維持が可能になります。計画的な準備を通じて、安全で高品質な製品を消費者に届けましょう。
▽参考サイト
トレーサビリティシステムとは?仕組みや導入メリットを簡単に解説 – Smart Craft
年末年始は用心!現場のトラブル回避に役立つ5つの極意 – さくら事務所