こんにちは、エクシールの今井です。
今回は【PSI管理】についてです。
企業が生産活動や物流業務を効率的に行うためには、サプライチェーンの管理が非常に重要になってきます。
この記事では、PSI管理のメリット、実践するためのポイントを紹介していきます。
PSIとは?
PSI管理とは、サプライチェーン全体における3つの重要な要素を効果的に管理する手法です。これらの要素は以下の通りです。
Production(生産) 製品を効率的に生産するための計画を立てる
Sales(販売計画) 需要予測に基づいた販売計画を作成する
Inventory(在庫) 適切な在庫量を維持し、過剰な在庫を避ける
この3つを密接な関係として捉え、より精度の高い生産計画を立てたり、在庫を最適化したりするための取り組みをPSI管理といいます。
バランスよく管理することで、企業のリソースが最大限に活用され、最適な供給と販売が実現できます。
特に製造業においてはPSI管理は過剰在庫の発生や品切れのような状況を防ぐためには欠かせないものです。
PSI管理のメリット
PSI管理のメリットを確認しておけば、実際に取り組む価値があるのかを確かめることができます。
以下がPSI管理をするメリットになります。
■ 仕入れのコスト削減
適切なPSI管理ができれば、無駄な在庫をなくし、生産工程で発生する無駄なコストを減らすことができます。
無駄な在庫を生産する際に発生する人件費も削減できます。
PSI管理を通じて適切な在庫レベルを保ち、調達と供給を最適化することで、必要以上の資源投入を防ぐことにも繋がります。
■ 販売期間の損失を防止できる
在庫を抱えない受注生産などの場合は、注文を受けてから製品を生産するため、顧客に製品が届くまで時間がかかってしまいます。タイムリーに需要に応えられないと顧客が離れてしまう恐れもありますが、在庫を保有することで顧客から注文を受けてから製品を届けるまでのリードタイムが短縮され、販売機会の損失を防止できます。
また、新製品の発売時期や販促キャンペーンのような需要の急変が予想される場面でも、正確な対応が可能になります。
■ 需要変動にも対応できる
近年は市場の需要変動が激しくなっています。SNS上での情報拡散など何かしらのきっかけで急激に需要が増えた場合、在庫が十分にあれば製品を提供することができます。
ただし、あくまでも需要変動を見越した適正在庫の数字は「過去のデータ」から分析した結果なので、一定の誤差は出てきます。
PSI管理の手順
PSI管理を導入する際には、以下の手順を踏んでいきます。
① 需要予測の実施
まずは過去の販売データや市場動向をもとに、今後の需要を予測します。過去データから、長期的に需要がどのように推移して、その原因がどこにあるのかを分析します。
この予測を元に、どれだけの在庫が必要か、どれだけの製品を生産すべきかを決定します。
② 在庫計画の作成
予測された需要にもとづいて、適切な在庫量を決定します。過剰な在庫を避け、かつ欠品が生じないように在庫を調整します。販売計画の目標を達成できるような製品や資材などを仕入れる数量や時期の計画を立てます。
③ 生産計画の立案
需要予測と在庫計画をもとに、必要な生産数量と時期を検討し生産計画を立てます。生産能力やリードタイム、必要な設備を考慮し、効率的な生産を行うための計画を作成します。
④ 在庫のモニタリング
在庫の状況や販売の進捗を常にモニタリングし、計画が実行通りに進んでいるかをチェックします。必要に応じて、在庫量や生産計画の修正を行います。
⑤ フィードバックの反映
実際の結果をもとに、予測精度を向上させるためのフィードバックを反映します。この改善サイクルを繰り返すことで、PSI管理の精度が高まります。
PSI管理を実践するためのポイント
■ 正確なデータの収集と分析
PSI管理の成功には、正確なデータの収集が欠かせません。販売データや市場動向、在庫の状況をリアルタイムで把握し、分析することが重要です。
■ 柔軟な計画変更
市場の変動に迅速に対応するため、計画は柔軟に変更できる体制が必要です。需要が急増した場合や、予測に誤差があった場合には、即座に調整を行えるようにしましょう。
■ 部門間の密な連携
PSI管理は製造、販売、在庫管理といった複数の部門が密接に関与するため、部門間の連携が極めて重要です。情報の共有と協力が不可欠です。
まとめ
PSI管理は、製造業や流通業において、在庫管理や生産計画の最適化を図るために非常に重要な手法です。正確な需要予測、適切な在庫管理、効率的な生産計画を実現することで、企業の競争力を高め、コスト削減やキャッシュフローの改善に貢献します。
しかし、成功させるためには精度の高いデータの収集やシステムの導入、部門間の密な連携が不可欠です。PSI管理を実践することで、持続可能な成長と効率化が期待できます。