こんにちは!先週は「アレ!?」と違和感を感じるくらい暖かかったのに、一気に冷え込みましたね。
寒いのが苦手な鈴木です。今年もこの季節が来てしまったか・・・
今回の記事では「企業・工場を成長させる、本当に重要な「内部監査」のススメ」と題しまして、今後大手企業だけではなく多くの中小企業に関しても重要になってくると思われる「内部監査」を有効に活用するためのポイントをご紹介していきたいと思います。
内部監査をこれから行っていきたい、
行ってはいるけれど期待した効果が出ているかわからない
・・・といった方にお勧めの記事ですよ^^
内部監査の重要性って?
「内部監査ってぶっちゃけそんなに役に立たないと思う」と思っている企業は、実はたくさんいらっしゃるのが現状だそうです。理由は、直接的な利益を生み出さないと認識されてしまっていることからです。
しかし、効果的な内部監査は「今の社内ルール・マニュアルの問題点や改善のヒントを発掘する」ことができる、ひいては会社全体を改善していくうえでとても重要な役割を担っている活動なのです。
先週の記事を読んでくださった方の中には、きっと「ちゃんとした内部監査」の魅力を理解して、「それなら効果的な内部監査をウチだってしたい!」と思っている方も多いのではないでしょうか^^
内部監査はそれを行う監査員のためでも、働く従業員のためでもなく、会社の仕組みを改善していきたいと考えている経営担当者が、改良や判断のヒントを得るために行うものです。つまりどういう事かというと、良い監査を行うためには会社の中心人物こそがその重要性を理解し、内部監査の中身をしっかり作っていく必要があるということです。
内部監査の重要性については、こちらの記事で詳しくご紹介しておりますので、是非チェックしてみてくださいね。
より良い内部監査づくりのポイント
それでは、これまで述べてきたような「会社の経営に役立つ内部監査」をするためには、何をしたら良いのでしょうか。
実は内部監査の課題として、人材不足や監査のノウハウを知らないことが挙げられます。
より良い内部監査を作るためにも、監査員に若手を導入したり、しっかり教育を行っていくことが大切です。
チェックリスト作成の工夫
監査を行うにあたって大切なのが、事前に準備しておくチェックリストです。
監査当日は、このチェックリストを参考に、現在のマニュアルやISOシステムの
適合性・・・マニュアルどおり行えているかどうか、
そして有効性・・・成果が出ているかどうか、
を確認しなければいけません。
ここでは、事前にチェックリストを作成する際にポイントとなる事項を紹介していきたいと思います。
1.チェックリストだけに注意がいかないようにする
いきなりチェックリストとは少しずれるポイントですが、チェックリストを埋めることに意識が行き過ぎると、他の重要な確認事項を見落としてしまうリスクがあることを、監査員にはしっかりと伝えておく必要があります。
監査の際には、その場に応じてチェック項目から展開した「リストにない様々なやり取り」を行います。その記録も残し、次のチェックリスト作成時に追加していくなど、チェックリストの改良も行っていくことで、経験の浅い若手や新しく入った監査員も効果的な監査が行いやすくなります。
2.誰が使うのかを想定して作成する
どのマニュアルにでもいえることではありますが、実際にそのチェックリストを使う人が、調査項目の内容をしっかり理解できるようなチェックリストを作成すべきですし、特に初めて監査をする人が対象の場合は、あらかじめ内容の理解を確認するなどの指導が必要です。
例えば、「管理表を作成しているかどうか」というチェック項目。
これだけでは、初めての人は作成されていればOKと思ってしまうかもしれません。しかし実際には、作成の日時や承認の有無、記載されている数値の適切性も大切な項目ですよね?
このように、単にチェックすればよいというのではなく、何のためにどこを注視してチェックするかということを、監査員を行う担当者に理解してもらうことが大切です。
3.実際に使う段階を想定して作成する
「管理表を作成しているかどうか」のチェック項目に対して、作成日時も承認もされているが数値が適切でない場合、その項目は×、となりますが、それだけで十分でしょうか?
この場合、後でチェックリストを見返した際に、管理表のどこがNGだったかがわからなくなってしまう恐れがあります。
このように、実際に使うときに起こる事態を想定し、チェック項目を細かくしたり、「何がダメだったのか」「何故できなかったのか」「どのようになら行えるか」などを記入できるような工夫があると、後で見返した際にもわかりやすく、問題点や改善点も見つけ出しやすくなります。
4.チェックリストも改良・バージョンアップしていく
最初の項目にも出てきたことではありますが、とても大切なことなので改めて項目として記載させてくださいね。
誰が使うかの想定も、実際の使用の想定も、使ってみて初めて分かること、新しく項目が出てくることは多々あります。
そういった経験や結果を吸い上げて、チェックリストをバージョンアップしていくことで、監査の質も向上し、新しく入ってきた監査員の教育もより良くなっていくでしょう。
監査を行う時の工夫
【導入編】の記事で、
「監査の場というのは、見張る場でも、ダメ出しをする場でもなく、「協力して現場の声を聴く機会」であるべき」
と表現しましたが、実際に現場で監査のためのインタビューをする際に最も重要なことは「協力してもらう」ことです。
もちろん、監査が早く終わるように、ですとか、問題が少なく済むように、といった意味での協力じゃありませんよ!!
ここでは、監査を行う際のポイントをご紹介していきます。
1.相手が答えやすい環境を作る
現場の声を吸い上げ、本当の問題点や改善点を見つけ出すためには、現場担当者の協力が必要不可欠です。
なので、上からの立場ではなく、相手も答えやすいような、対等な立場として、思いやりのあるインタビューができると良いでしょう。
威圧的な態度をとったり、監査の場で議論や喧嘩はよろしくありません。相手の話をしっかり聞く態度を示し、わかりやすい・答えやすい質問をし、回答を考える時間を与えましょう。
こちらが真剣に聞く姿勢を見せることで、相手も真剣に回答をしてくれるような環境を作ることになり、改善点も発見しやすくなります。
2.ポイントを押さえた的確な質問をする
あらかじめ用意したチェックリストを参考に質問をしていきくのですが、ここで重要なのは、担当者が、「①ルール(手順)を理解しているか」「②実際にルール(手順)通りに作業しているか」「③現在のルール(手順)に問題点はないか」の3点を押さえて質問するようにすると、無駄な質問を減らしたり話が脱線することを防ぐことができます。
またその際には「はい」「いいえ」でこたえられるような質問はせず、相手に説明してもらうような質問をすることで、相手の考え方や理解度の確認が行いやすいでしょう。
例えば、「記録をつけることで有効性はありますか?」という質問では、回答者はイメージしづらいですし、回答も難しいと感じてしまいます。「記録をつけないとどんな不具合が起こると思いますか?」だったり、「記録をつけていなかった時とどんな変化がありましたか?」など、YES/NOではなくその回答者の意見を聞き出せるような工夫をされることが望まれます。
監査員の能力の見せ所ですね。これらも共有して次の監査につなげていくことで、監査の担当者たちの能力向上や監査自体の品質向上につながっていくでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
監査に関わりがなかった人間からすると、確認を一つするに対しても様々なコツやポイントがあって驚きました。
でも、確かに。相手から聞き出すためには、こちらも聞き出す努力を惜しまないことが大切ですよね!
これらのポイントを参考に、効果的な内部監査が行えるよう体制づくりを整えていきましょう。
来週の記事では、会社を成長させる監査結果のまとめ方について、ご紹介していきたいと思いますので、お楽しみに!