こんにちは!エクシール清水です。
1年以上ぶりにブログを書きます!(^^;
今回は、最近お問い合わせが多い【防振】をテーマにしたいと思います。
工場内でたびたび作業者を困らせるのが「振動」。機械から出る音はうるさく、床や周りの機械に悪影響をもたらします。また最近は自宅で過ごすことも増え、生活音が気になってしまうことも。
今回はそんな振動を取り除く防振効果のある素材を3つ紹介し、最適な防振素材を見つけるお手伝いをします!
※本記事は、2017年12月13日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して再度公開しました。
工場における振動による害と防振について
例えば工場の機械から発生する振動。これは働く作業員に対して大きな影響をもたらします。まず、常に機械の振動音を聞きながら作業をすることは、作業員に多大なストレスとなります。また、床にひびが入る・塗装がはがれるなどの建物への影響や、周りの精密機械に振動を伝えてしまい、故障の原因になることもあります。
他にもアパート等では他のフロアの生活音による振動があります。例えば部屋で筋トレ用の器具を使用する際に振動が起きてしまい下のフロアの人へ迷惑をかけてしまうこともあります。
このお悩みを解決しているのが、防振材です。
「防振」とは、発生した振動が床や機械に伝わるのを防ぐことです。主に防振材には、ゴムやシリコーン、ウレタンなどが使用されています。
防振材によく使用される素材とその特徴
上記で述べたように、防振に使われる素材は振動吸収率の良いゴムやシリコーン・ウレタンがよく使用されます。この3つの素材について特徴を見ていきましょう。
① 低温下でも使用できる高強度素材!『天然ゴム』
ゴムには天然ゴムと合成ゴムがあります。
天然ゴムはタイヤやホースに使用されるなど、耐摩耗性があり強度が高い素材です。低温に強く、-70℃程度まで耐えられる素材で、減衰が小さいため、高弾性の防振材としてよく使用されています。
ただ、寒さに強い反面、熱や油には弱い特性があるようです。
合成ゴムは人工的に作られているゴムの総称で、物によっては耐油性や耐候性など、天然ゴムにはない特性を持つものが存在します(フッ素ゴムなど)。
天然ゴムや合成ゴムは比較的安価ですが、フッ素ゴムはシリコーン、ウレタンに比べても高価です。
② 過酷な温度変化・高温も心配なし!紫外線にも強い『シリコーン』
シリコーンも合成ゴムの一種ですが、非常に多くの特性を持ちます。特に温度変化に強く、その他の合成ゴムより発火点が高く、燃えにくい特性があります。200℃を超える高温でも耐えることができるため、焼き菓子の型や加熱状況下におけるパッキンなどにも使用されています。
耐寒温度も天然ゴムと同様に-100℃程度まで耐えることができ、使用できる幅の広い素材です。
また、耐候性にも優れているので、紫外線や雨風にも強く、外での使用にも向きます。
シリコーンは本来、防振性が低く、防振材としては不向きな素材です。
しかし、一般的に防振材として販売されているシリコーン製のダンパーやシートは、防振性能を高めたものなので、安心して使用ができます。
他のゴムに比べると高価ですが、高温な場所で使用する場合は、シリコーン製の防振材を検討してみるといいでしょう。
③ 常温の乾燥した環境に使うならコレ!衝撃吸収率の高い『ウレタン』
エーテル系のウレタンゴムは耐摩耗性が良いです。
水や湿気の多い場所は素材が滑ってしまい危険なため、乾燥した環境での使用に向いています。
ウレタンにはスポンジ状のものや成形したゲル素材のものもあり、こちらも衝撃や振動吸収材として使用されます。特に、ゲル素材のダンパーやシートは、その他の素材に比べて硬度が大幅に変えられます。
柔らかいほど衝撃吸収性に優れており、天然ゴムやシリコーンゴムに比べても、数倍高い衝撃吸収率があります。
ウレタンも、シリコーンと同等か若干低い価格帯です。
おすすめしたい!防振に最適なダンパー・シート
では先程の中からウレタン素材に焦点をあてておすすめ商品をご提案していきたいと思います。
ウレタンゲルでできた『ゲルダンパー』は、機器の脚に設置することで振動を除去。ウレタンならではの硬度のバリエーションを持ち、硬度によっては23.8Hzと低い領域においても防振効果を発揮します。また機械だけでなく家庭でのベッドの脚やソファの脚等、家具にも使用できます。
ゲルダンパーが防振効果を発揮する適正使用荷重があります。
詳細等は写真にリンクがありますので、サイトで確認してみてくださいね。
もし適正使用荷重表を見たときに、「もっと軽いものを載せたいんだけどな…」と思った方は、ダンパーのようなブロック状ではなくシート状のウレタンゲルがおすすめです。
ウレタンゲルでできた『ハイパーゲルシート』は硬度が3種類から選べるだけでなく、シートの厚みやゲルシートの片面に粘着材がついているかどうかまで選ぶことができます。
まとめ
今回は防振材に最適な素材について紹介しました。
振動を取りたいもの、使用する場所は人それぞれ違うかと思います。防振材をしっかりと機能させるためには、使う場所の温度や湿度、油や水の有無などを把握し、素材を選ばなければいけないことが分かりました。環境に合わせて最適な防振材を使用し、働きやすい・生活しやすい環境づくりに取り組んでくださいね。
参考文献
https://www.silicone.jp/catalog/pdf/rubber_j.pdf
http://www.daiichi-gomukakou.com/knowledge/variety.html
http://www.tokyokikaku.co.jp/products/rubber/rubprice/