公開日: 2018年5月7日 - 最終更新日: 2022年8月10日

「硬度」について

川島まさき
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先日より、たまに記事を書いている川島です。
前回も内容が硬く、なかなかうまく書けておりませんが、今回は硬い話をしようと思います。硬いといっても「硬度」の話です。

物性について

物性とは物理特性を略したもので、素材の特性を表し、どんな素材なのかということを理解するのに役立ちます。このように、素材の柔らかさや強度などを知り、使用目的に耐えうるかを判断する指標となるものです。
一般的には「硬さ」「引張強度」「伸び」を試験し表しますが、素材に合わせて調べる特性は変わります。例えば電気を通す素材ならば「電気抵抗値」、水を通さない用途であれば「耐水性」などです。

今回はこの物性の中でも【硬度】についてお話していきたいと思います。

 

硬さの基準について

では、硬い・柔らかいというのは何をもって判断しているのでしょうか?
皆さんが硬度を判断するときは、握ったり、指で押したり、つぶしたりして感覚的に判断していると思います。実は力を入れて、どのくらい凹むかという事を、指や手などで測っているのです。
物理的に言うと、接触している指などの面積[mm2]において、その押した際の力[N]によって、どのくらい深く凹む[mm]のかという事を計測しているのです。実際の硬さ試験では硬度試験機を使用して上記の指で押すようなことを機械で行っています。

ではゴム等の硬さを測るときはどのような硬度試験器が使用されるのでしょうか。

 

ショア硬度での試験について

ゴム等の硬さを測るときはショア試験機というものを使用します。ばねで押してどのくらい凹むかという事を見ていますが、ばねは押し込む際の圧力が一定であるため、凹む深さを測定し、数値化することで、他との比較が容易になります。また、ばねで押し込む先端部分の形状が変わると凹む量は変わってしまいます。これを利用して「硬いもの」「柔らかいもの」はそれぞれ先端形状を変えて測定されています。
表示をショアA・ショアD・ショアCなどと表示し、対象となる素材によって先端形状やばねの強さを変えた試験機を使用します。

そのほかに金属であればビッカース硬さ、更に凹まないダイヤモンドなどはモース硬度を使用して硬度の試験を行います。

ビッカース硬さは、押し込む力が錘(おもり)の自然落下による力、先端形状がとがったダイヤモンドという点においてショア硬度と違うのですが、計測の理屈は一緒です。高硬度用のモース硬度は、対象となる素材の試験片自体を凹ませることができないので、他の物を引っ掻いたときの傷のつきやすさをもって硬度としています。
その他にも硬度を調べる方法があり、錘(おもり)を試験片の上に落として跳ね返りを測るというものもあります。

 

前述したショア硬度での試験については補足があります。
ばねで押し込んだ際、まったく反発しなかった場合には柔らかいと判断できますが、数値が読めません。そのため柔らかいものについては、もっと柔らかいものを測定する試験機を使用する事となっています。硬いものについても同様です。また、試験機はばねが限界まで押された状態をMAXとして目盛りを100等分したものになっています。

 

「柔らかい」「硬い」という言葉は人が何かに触れたときに感じる感覚を言葉に表したものです。
柔らかいものは人が接触する場面。硬いものは便利に使用する場面に使用されることが多いのではないかと思います。

 

 

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川島まさき

株式会社エクシールで開発営業を担当しております。技術的な話を中心にお伝えできればと思います。よろしくお願いします。

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