こんにちは、エクシールの今井です。
今回はラバーのベタベタの原因と対策についてお話していきたいと思います。
※この記事は2020年10月15日に公開した記事ですが、リライトに必要な文言等を追記、修正して再度公開しました。
樹脂製品のベタベタの原因とは?
マウスやリモコンやゲームのコントローラーと様々なものによく使わているラバー製品ですが、しばらく使われていなかったものを取り出して触った時にベタベタなんてことがあるかと思います。
そもそもなぜベタベタするのでしょうか?
① 加水分解
まず考えられるのは、ラバー(樹脂)の加水分解です。
加水分解とは、反応物に水が反応し、分解生成物が得られる反応。水と反応することで、ベタベタが発生するようです。
日常で水といえば、実は湿気が要因となっています。日本では、湿気が多い季節や室内でも温度差により湿気が避けられないところが多いですよね。
そのため知らずに保管していると、空気中の水分やそれを含むほこりの付着などによって、加水分解が進んでしまいます。
② 可塑剤の溶出
次に考えられるのは、可塑剤の溶出です。
ゴム製品には柔らかさを保つために可塑剤が使用されています。長時間経過するとこの化学物質が分解し、表面にベタベタした物質が浮き出てくることがあります。
ラバー製品のベタベタを取るには?
ゴムの主成分は油脂なので、水拭きや洗剤ではなかなか落ちません。ティッシュで拭くと逆にティッシュがベタベタしているところにくっ付いてしまい、さらに汚い状態になります。
そこで簡単にベタベタを取る方法を3つ紹介していこうと思います。
〇無水アルコールを使用する
アルコールを布に染み込ませて拭きます。
アルコール濃度の高いものを使用する場合、ゴム手袋を着用していると肌荒れの心配がなくなると思います。
それでも多少べたつきが残っている場合は、メラミンスポンジにお湯を付けてこすりましょう。
これは、市販されているアルコール入りのウェットティッシュでも対応可です。
〇重曹を使用する
お湯に重曹を溶かして使用します。
バケツ等の容器で作成し、半日から1日程度浸しておきます。取り出した後は、水でこすりながら洗い流します。
リモコンなどの電子機器は水につけることができませんので、代わりに歯ブラシなどを浸けておいて磨くとよいです。
〇消しゴムを使用する
消しゴムでこすると取れますが、少しお勧めはできません。
こすった後、消しゴムにベタベタがついてしまったり、こすった箇所に傷がついてしまう可能性があるからです。
加水分解させないためには?
直射日光が当たる場所などに置いておくと、急激に加水分解が進み、ベタベタになってしまいます。
定期的に使うことが一番いいですが、しばらく保管させる場合は、直射日光を避け、箱の中に湿気をとる乾燥剤を入れておくと良いかもしれません。
マウスやリモコンだけでない!スニーカーや安全靴のポリウレタンも!
放置していたスニーカーの靴底がパックリなんてことはご存知の方も多いかもしれません。
スニーカーもポリウレタンが使われていることで上記と同様に加水分解が起きてしまいます。
これは工場でよく使われている安全靴も同様です。
安全靴の靴底には、発泡ポリウレタンが使われていることが多く、発泡ポリウレタン底製品は「軽量でクッション性が良く、底減りしにくい」という特長があり、作業者の疲労低減に貢献できることから広く普及されています。
しかしながら、発泡ポリウレタンは長期保管すると加水分解が発生し、その劣化原因として、空気中の水分、水、酸、アルカリ、バクテリア、カビなどが挙げられます。
ミドリ安全(株)の公式サイトによりますと、一般的に製造後4年以上保管されていた状態で発生する頻度が上がるようです。
以下は、同サイト上に記載されている取り扱い注意点です。
1.購入後は速やかに着用する。
2.風通しの良いところで保管する。
3.水分(溶剤)が付着したら速やかに拭き取る。
3.の溶剤の中でも、特に酸性やアルカリ性物質は加水分解の進行を早める原因となります。
上記に気を付けることで、安全に使用し職場での災害防止につなげましょう。
まとめ
いかがでしたか。ベタベタを放っておくと作業効率の低下や異物混入の可能性もあります。
身近なラバー製品のベタベタの原因を知ることでスニーカーや安全靴の劣化も防げるようになりそうです。
保管方法など再確認して、職場の安全に努めていきましょう。
参照:発泡ポリウレタン底製品の経年劣化について | 【ミドリ安全】公式通販