公開日: 2018年6月27日 - 最終更新日: 2022年9月1日

労働災害ゼロへ!今すぐ始められる危険予知訓練(KYT)のやり方とポイント

鈴木ちか
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こんにちは、エクシールの鈴木です。
先週大きな地震が発生しましたが、関西にお住みの皆さまはお怪我などされていないでしょうか?
私の住んでいる東海でもかなりはっきりと揺れを感じて、とても怖かったです><

ニュースでは交通機関の停滞や建物の倒壊の話をよく見ますが、地震による被害は会社や工場にも大きく及びます。
天災は回避の仕様がありませんが、少しでも被害を少なくするため、建物の耐震性能を見直したり、棚や備品、機械などの転倒予防対策をしっかり行っていきたいですね。

 

もしものために…!地震防災マニュアルで最初に作るべき4つの項目

 

今回は「労働災害ゼロへ!」と題しまして、危険予知訓練のやり方とそのポイントについてご紹介していきたいと思います。
訓練」・・・と聞くとなんだか大がかりだったり手間がかかるようなもののように感じてしまうかもしれませんが、そんなことありませんよ!
この危険予知訓練は誰にでも簡単にできてすぐに実践に移せる、さらに現場の作業員の意識向上にも役立つ優れモノなんです^^
次の項からご紹介していくので、皆さん是非チェックしてみて下さいね。

 

危険予知訓練(KYT)とは?

危険【K】予知【Y】訓練(トレーニング)【T】の頭文字を取って「KYT」とも呼ばれます。もともとは住友金属工業で開発されたもので、職場や作業現場に潜む災害を未然に予測し、予防することを目的としたトレーニングになります。

具体的には、イラストで示されたとある作業シーンにおいて、どんな危険が潜んでいるか、どんな事故が起こり得るかを、各々の従業員に考え想像させます。
これによって個人の危険に対する感受性を磨くとともに、特に気をつけなければならない・確認を怠ってはいけない項目を把握し、現場全体で常に緊張感を持って作業することが出来るようになるためのトレーニング、というものです。

 

危険予知訓練(KYT)のやり方

危険予知訓練の基本的な手法として、「TYK基礎4ラウンド法」と呼ばれるものがあります。今回はこのTYK基礎4ラウンド法のやり方について簡単にご紹介していきます。

 

1.潜んでいる危険を探し出す・想像する

作業風景のワンシーンのイラストを見て、どんな危険が潜んでいるかを各々に考え、意見を出してもらいます。
この時、ひとりひとりが意見が言いやすいように5~6人の少人数グループに分けて行うとよいかもしれません。
発見された危険や災害の種は、記録の担当者が一括にまとめて模造紙に書いていきます。

(引用:(社)安全衛生マネジメント協会|危険予知訓練無料イラストシート集より)

例えば上のシーンで起こり得る危険の例としては、

・「鍋に入っているお湯の量が多いためしぶきが飛び散って火傷をする」

・「足元が見えないため滑ったり躓いたりして転倒する恐れがある」

・「周りの作業員にぶつかってお湯が飛び散る」

等があげられるのではないでしょうか。

グループで行うことによって、一人では気付かなかった他の危険も気づけるようになったり、全体で共有することが出来ます。
採用するシーンは実際に現場で起こり得るシーンだったり、過去に事故が起きてしまったシーンを採用することで、より現実の現場に近いトレーニングが行えるでしょう。

 

2.特に重要な項目をピックアップする

危険の種を出し切ったら、次のステップへと移ります。
前項目で出された危険のうち、「問題のある重要な危険はどれか?」という問いかけのもと、グループ内で重要な危険はどれにあたるかを考え、ピックアップしていきます。
メンバーのひとりひとりに一番重要だと思う項目を発言してもらい、ばらけた場合は話し合って「特に重要性の高い危険」を1~2項目に絞ります。
普段の仕事の中でのひやりとする体験や、過去に起きた事故なども踏まえて話し合うと、より内容のある話し合いになるでしょう。

 

3.危険を解決するにはどんな方法があるかを考える

ピックアップした「特に重要な危険」に関して、あなたなら予防したり防止したりするために何をするか?という質問をグループ内で問いかけ、具体的で実行可能な対策案を3つ程度提案させます。

 

4.今後必ず実行していく対策を一つ決定する

リストアップされた対策案のうち、自分たちが実行していく対策を1つ、グループで話し合って決めます。
グループの行動目標「~する時は(~のときは)、~を~しよう」といったように、話し合った結果を確定させ、指さし唱和で確認します。

 

訓練を行う際のポイント

この訓練の目的は、現場で働く従業員全員が危険について把握して危機感を持って仕事をすることです。その目的を達成するためにも重要になってくるのは、全員が積極的に訓練に参加してもらうことになります。
そのため訓練を行う際には、これを行う目的と理由をしっかり説明し、積極的な参加をしてもらうように呼びかけるとよいと思います。
また、最後に決めたグループの行動目標は今後に活かしていかなければ意味がないため、きちんと文書に残して作業の場で確認できるようにしておくことも重要です。
作業風景のワンシーンイラストは、ネット上に例題もありますので、まずはその例題から訓練していくのも良いでしょう。

このあと、ど~なる?KYT(危険予知訓練)|エンジニア転職のメイテックネクスト https://www.m-next.jp/kyt/
危険予知訓練(KYT)無料イラストシート集 |(社)安全衛生マネジメント協会 https://www.aemk.or.jp/kyt

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?
自分の作業に直接関係あるシーンでトレーニングするのが一番ですが、それとは異なる別の作業場の中でも、危険を見つけ出す訓練をすることで、普段から危険に関して敏感にしていくことが出来ます。
慣れてこれば、簡単なものなら時間を掛けずに行うことが出来る訓練ですので、是非、労働災害を少なくするためにも取り入れてみてはいかがでしょうか?

参考:厚生労働省職場のあんぜんサイト http://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo40_1.html

 

 

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鈴木ちか

ウレタンの特性を活かし様々な商品を製造・販売している、株式会社エクシールで働いています。最近は食品工場向けの依頼が多く、仕事を通して学んだ製造業のアレコレを記事にしていきたいと思っています。同じ製造業の方が見て何かヒントになるような、そんな記事が描けるよう日々努力していきます!
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