公開日: 2020年6月9日

洗浄剤を誤って使ってしまったら?|目に入る・触れる・吸引・誤飲時の対処法

今井みやの
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こんにちは!エクシールの今井です。

先日、柔軟剤を買ったつもりが洗剤を買っていました!
パッケージでどちらなのか判別しづらい商品は、裏までしっかりと確認しないといけませんね…反省です。

本日は洗浄剤を誤って使ってしまった場合の対処法についてお話していきます。

 

使い方を間違えると怖い洗浄剤

食品工場では、様々な種類の洗浄剤を使うかと思いますが、それらの使い方はすべて把握できているでしょうか?
日本では過去に洗剤による事故が多く発生しています。

その一例を見ていきましょう。

 

① 洗剤を入れたアルミ缶が爆発

2018年8月下旬、JR新宿駅でアルミ缶からアルカリ性の洗剤が噴き出し、ホームを歩いていた2人に液体がかかり軽いやけどを負ったという事件が起きています。

飲食店で働いていた男性が、職場にあった強力な洗剤を自宅に持ち帰るため、アルミ缶に移し替えて持ち出したところ、駅のホームで破裂したとのことです。

これは洗剤に含まれる水酸化ナトリウムが、容器であるアルミと反応し、アルミが溶けて水素ガスが発生したため容器が爆発し、液体が漏れ出したようです。

アルカリ性に限らず、酸性の洗剤を入れた場合も同じような反応が起こるため、通常ポリエチレンの容器に入れて販売されていますが、知らずにアルミ缶に移し替えたことによってこのような事故が発生しました。

 

② 野菜洗浄室内で清掃作業の際、塩素ガスが発生

食品工場の野菜洗浄室内で、従業員が清掃に使用して余った次亜塩素酸ナトリウムを、誤って塩酸の容器に入れたことから塩素ガスが発生した事故が起きています。

食品工場にてチーフが野菜洗浄室内の殺菌水生成装置で使用している次亜塩素酸ナトリウムをバケツに小分けにして作業員に渡し、洗浄室の壁、機器などについたカビを除去。作業終了後、作業員の一名が余った次亜塩素酸ナトリウムを戻そうと、バケツから間違って隣の塩酸の容器に入れたため塩素ガスが発生しました。

チーフは従業員を非難させるなど適切な対応をしましたが、一名が帰宅後気分が悪くなり、緊急搬送されました。

 

「まぜるな危険」などの表示があるものは取り扱いを誤ると、人体に被害を及ぼす危険性があるため、特に注意が必要です。

 

洗浄剤を誤って使用した場合の対処法

① 皮膚についた場合

皮膚についてしまった場合は直ちに流水で洗い流しましょう
衣服に液がかかってしまった場合は、直ちに脱ぎます。

異常がある場合は皮膚科を受診しましょう。

 

② 目に入った場合

目に入った場合は、こすらずに、コンタクトレンズは外し、直ちに流水で15分以上洗い流しましょう

この場合は、異常がなくても、直後に眼科を受診してください。

 

③ 飲み込んだ場合

すぐに多量の水、牛乳、または生卵を飲みましょう
水には洗浄剤を薄める効果が、牛乳や生卵には胃の粘膜を守る効果があります。

嘔吐すると食道を痛める可能性があるため、無理やり吐こうとせず、すぐに病院を受診しましょう。

 

④ 吸引して体調がすぐれない場合

使用中に吸引してしまい体調がすぐれない場合は、使用を中止し外のきれいな空気を吸いましょう。使用していた空間は換気をしましょう。

体調に異常がある場合は、病院を受診しましょう。

 

⑤ 混ぜてはいけないもの(塩素系洗剤・漂白剤と酸性洗剤)が混ざった場合

すぐに喚起をし、発生したガスを外へ逃がし、屋外など空気のきれいな場所へ避難しましょう。
水が流せる環境であれば、物質を水で洗い流します

吸い込んでしまった場合は、きれいな空気を吸い、水でうがいし、病院を受診してください。

 

誤って使用しないためには?

使用方法を誤らないためには、従業員に安全教育をすることが大切です。

始めに例に挙げた述べたアルミ缶が爆発した事件も、塩素ガスが発生した事件も、知識がなかったことや、危険意識が低かったことから起こっています。

工場で使用する洗剤は、強力なものが多いため、使い方は口頭で伝えるだけでなく、壁に掲示してどのように使用するのかがいつでもわかるようにしておくと良いですね。

 

また、パッと見たときにその洗浄剤がどのように使用しなければならないのかが分からないと、事故が起きるリスクが高まります。

居酒屋チェーンで、消毒用のアルコールと飲料用のアルコールが間違って提供された事件もありましたが、業務用の洗浄剤はパッケージが簡素であり、色も同じであることが多く、一目で何かわかる商品は少ないかと思います。

表示シールを作成し、一目で何が入っているかわかるように工夫することも安全につながります。

 

まとめ

いかがでしたか?

食品工場で使用する洗浄剤は強力なものが多く、使い方を間違えれば大きな事故や事件になり得ます。

使用方法をまとめたり、何が入っているのかを分かりやすくすることで、事故防止に努めましょう。また、もしも事故が起きたときはパニックになる可能性がありますので、どのように対処するのかも事故に備えて詳しく決めておくことが大切です。

ぜひ、自社工場の洗浄剤の管理を見直してみてくださいね!

 

<参考>

洗浄剤を安全に使用するために|花王プロフェッショナル 衛生ナビ
https://pro.kao.com/jp/sanitation-navi/clean_knowledge/safety/

次亜塩素酸ナトリウムは「混ぜるな危険」!何を混ぜてはいけないの?
https://kasaju2019.com/infection-sodiumhypochlorite/

アルミ缶に洗剤、化学反応で破裂 容器移し替えに注意|日本経済新聞 電子版
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36683160Z11C18A0CC0000/

 野菜洗浄室内で清掃作業の際、塩素ガスが発生|職場のあんぜんサイト:労働災害事例
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=101317

 

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ウレタンゲルのやわらかさ・自己粘着性を活かした商品を開発する、株式会社エクシールで働いています。最近では食品工場など製造業に向けた衛生商品を扱うことが多く、「きれいな工場をつくるお手伝い」をさせていただくため奮闘中!ウレタン製の衛生グッズを紹介する衛生管理アドバイザーとして、お役にたてる情報を発信できるよう、頑張ります。好きな食べ物はトーストです。
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