こんにちは、エクシールの藤吉です。
さて、今回はウレタンについてです。軟質のエラストマー材料であるウレタンですが、その組成から2つの種類に分かれるのをご存知ですか?
この記事ではエーテル系ウレタンとエステル系ウレタンについて、それぞれの特徴を踏まえてご紹介していきます!
※本記事は2018年3月29日に公開して記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して再度公開しました。
ウレタンゲルの種類
ウレタンゲルにはエーテル系(EU)とエステル系(AU)の二つの系統に分けることができます。
これらの違いは分子の結合の違いであり、主鎖がエーテル結合であるか、エステル結合であるかで分類されます。
まずはウレタンゲル全体の特徴について見ていきましょう。
①引張強さ、耐摩耗性などの機械的性質に優れる
②耐老化性、耐化学薬品性が良い
③硬さがあっても弾性が比較的あり、衝撃吸収性を持つ
④耐熱性や耐湿性は高くなく、使用する場所は制限される
これらは組成の種類や硬度(やわらかさ)によって多少のばらつきはありますが、一般的なウレタンゲルの特徴となります。
次の項目から、エーテル系とエステル系での特徴の違いについてご紹介します。
エーテル系(EU)
エーテル系ポリオールとのウレタン結合でできるウレタンゲルです。
特徴としては、以下が当てはまります。
①軟質から硬質まで様々な柔らかさのゲルを作ることができる
②加水分解を起こさない
③耐寒性、ゴム弾性はエステル系より優れている
④機械的強度はエステル系より劣っている
⑤耐久性が優れている
ポイントは①軟質から硬質まで様々な柔らかさのゲルを作ることができる点。
また、エーテル系のウレタンは加水分解を起こさないため、水周りでの使用も可能です。
ただし、エーテル系のウレタンの中にも組成によっては水にあまり強くないものもあるため、使用する際はメーカーに確認してみるとよいですね。
加水分解の心配はなくても、ゲルの粘着を利用した製品は、水が付くと粘着が弱くなってしまうので注意が必要です。
エステル系(AU)
エステル系のポリオールとのウレタン結合でできるウレタンゲルです。
特徴を見ていきましょう。
①エーテル系に比べ機械的強度が特に優れている
②広範囲の物性を持つ製品を作成可能
③加水分解を起こしてしまう
④耐寒性はエーテル系より劣っている
エステル系は構造上、加水分解が起こりやすく、エステル部分が水と反応してアルコールと酸に分解されてしまいます。
こちらも組成によっては加水分解が起きにくいものもあるようですが、一般的にはエステル系のウレタンゲルは、湿気の多いところや水回りに使用しない方が無難でしょう。
まとめ
いかがでしたか?今回の記事ではウレタンをエステル系とエーテル系に大きく分けてご紹介しましたが、ウレタン系の樹脂は組成的には非常に多くの種類があります。
今後はエクシールで扱うポリウレタンについてもまとめていきたいと思っておりますので、お楽しみに^^