公開日: 2024年10月11日

労働力不足を改善するには?|現状と施策について学ぶ

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こんにちは!エクシールの清水です。
久しぶりにブログを書きます☺
また、皆様へ役立つ情報が届くよう、精一杯書かせていただきます!

今回のテーマは【労働力不足】についてです。食品製造業者が直面している労働力不足の問題について、その背景とそれを打破するための施策に焦点を当ててご紹介します。

 

 

労働力不足の現状

今回は食品製造業者に焦点をあてていますが、製造業全体にも言える現状があります。

人口減少と高齢化の進行

日本をはじめ、多くの先進国では少子高齢化が進行しています。特に、食品製造業は肉体労働が中心となるため、若年層の採用が難しく、高齢化した労働者の代替が進んでいません。これは地方の工場で特に深刻で、地域社会全体が人手不足に悩んでいます。

 

労働環境の魅力不足

食品製造業は、長時間労働や低賃金、肉体労働が多いイメージを持たれているため、若年層や外国人労働者の参入が難しい業種となっています。結果として、求人を出しても応募が少なく、採用が困難な状況が続いています。

 

離職率の高さ

人手不足により個人の業務量が増えてしまい、負担が増加します。さらに、シフトの調整も難しくなり、休暇を取るのが困難になることもあります。十分な休養が取れないと、業務効率の悪化や生産性の低下も招きます。

 

労働力不足を打破するための施策

では、上記のような現状を踏まえ、労働力不足を改善するにはどうすればよいでしょうか。

① 自動化とデジタル技術の導入(DX)

DX(ディーエックス)とは、デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略です。
企業が労働力不足を打破するための最も有力な解決策として、自動化やロボット技術の導入が挙げられます。

例えば、AIやIoTを活用した生産ラインの自動化により、人手を大幅に削減しながら効率を向上させることが可能です。こうした技術により、特定の作業を完全自動化することで、従業員の負担を軽減できます。

 

 

一つ気を付けなければならないのは、「設備単体の自動化」と「ラインの自動化」は別であるということです。次のような例があります。

人手作業の袋詰め工程を自動包装設備の導入で置き換えた
設備の導入で作業効率は倍になったが、運用してみると中間品の供給や包材の供給や出上がった袋を梱包する作業員も必要になり、結局人手不足がボトルネックになってしまった。

原料の小分け計量作業を自動化した
毎回手動で計量値を設定する必要があるためヒューマンエラーが起きてしまい、実績を記録するのも楽にならなかった。

人が機械に置き換わるだけでは意味がありません。モノ・作業・情報の流れを考えて、自動化を進める必要がありますね。

 

② スマートファクトリーの実現

スマートファクトリーは、IoTやビッグデータ、クラウド技術を活用して、工場の稼働状況をリアルタイムで監視・管理し、労働効率を最大化する取り組みです。

具体的には、製造設備やラインの稼働状況を「IoTデバイスを用いたセンサーネットワーク」で見える化・分析し、コスト削減に結び付けるという動きです。また、設備稼働状況や生産履歴などのビッグデータを活用し、品質管理の精度を上げるといった内容が主体となっています。これにより、生産のボトルネックを素早く特定し、最適なリソース配分ができるため、少ない人員で安定した生産が可能となります。

 

 

③ 働き方改革と職場環境の改善

労働環境の改善も、重要な解決策です。
働き方改革の一環として、フレキシブルな労働時間(フレックス制度)や在宅勤務(リモートワーク)など、労働者が働きやすい環境を整えることで、採用を増やすことが可能です。また、福利厚生や研修制度を充実させることも、従業員の定着率を高めるために有効です。

 

④ 外国人労働者の積極採用

労働力不足を補うため、食品製造業界では外国人労働者の採用が進んでいます。特に、日本では技能実習制度を利用して、アジア地域から多くの実習生が食品工場で働いています。さらに、労働者の日本語能力を向上させる教育プログラムや生活支援を提供する企業も増えています。

 

⑤ 地域との連携と魅力的な雇用創出

地域社会との連携による人材確保も重要です。
地方自治体と協力して、地域住民の再就職支援や若者向けのキャリア形成支援を行うことで、地元の労働力を確保する取り組みが進んでいます。また、地元の学生や求職者に対して食品製造業の魅力を伝え、地元での雇用を増やす試みも効果を上げています。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。
食品製造業者は労働力不足という深刻な問題に直面していますが、テクノロジーの導入、職場環境の改善、外国人労働者の活用など、多角的なアプローチでその課題に対応しています。持続可能な成長を遂げるためには、これらの施策を組み合わせ、長期的に労働力の確保と生産性の向上を目指すことが不可欠です。

 

▽参考サイト
食品製造業の人手不足対策、取組み上位は「業務フロー・プロセス改善見直し」「教育訓練能力開発の強化」|食品製造業における人手不足の実態調査 | 富士電機
【実態】食品工場の人手不足、なぜ起きる?解決策も解説
食品の最先端工場における自動化とその先 | YOKOGAWA

 

 

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ウレタンゲルというやわらかな素材を扱った工場向けの商品を製造・開発する、株式会社エクシールに勤めています。海外向けのサイトを担当しており、国内外の製造者の方々へ新商品の紹介やご提案の仕事をしています。工場で働く皆様へ衛生管理の考え方や最新の情報を記事にしていきます!私ごとですが寒い時期の温泉がだいすきです。
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