公開日: 2025年1月10日

食品工場とプラスチック問題|持続可能な未来へ向けた取り組み

今井 はるえ
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こんにちは、エクシールの今井です。

新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします!

今回は【食品工場におけるプラスチック問題と解決策】についてです。
食品工場におけるプラスチックの使用は、包装、製造過程、廃棄物管理など多岐にわたり、その影響は計り知れません。現在の課題とそれに対する解決策、そして業界全体の取り組みについて紹介していきます。

 

 

 

食品工場におけるプラスチック問題

近年、環境問題への意識が高まる中で、特に「プラスチック問題」が注目されています。プラスチックは便利で軽量、そして衛生的という理由で食品業界でも広く利用されていますが、その使い捨て文化や環境への負荷が深刻な問題となっています。

 

プラスチック包装の過剰使用

食品業界で最も多く使用されているプラスチックは、包装材です。プラスチックは軽量で強度があり、食品の保存性を高め、衛生的に保つために非常に有効です。しかし、これらのプラスチック包装が環境に与える影響は深刻です。

食品工場では、個別包装された製品やテイクアウト用の容器が頻繁に使用されています。特にコンビニエンス食品や冷凍食品などは、一度使われた後、ほとんどが廃棄されてしまいます。多くの包装は一回限りの使い捨てであり、リサイクルされないまま埋め立てられたり、焼却されたりします。これが、海洋プラスチック汚染埋立地の問題につながっています。

 

マイクロプラスチックとその影響

プラスチック製品が破片となり、マイクロプラスチックとして海洋や土壌に広がる問題も深刻です。これらは微細なプラスチック片で、海洋生物や鳥類が誤って摂取することがあり、その影響は食物連鎖を通じて最終的に人間にも及ぶ可能性があります。食品工場で使用されるプラスチックが、このような環境問題を引き起こしているのです。

 

 

リサイクルの課題

食品工場におけるリサイクルは、環境に配慮した生産プロセスの一環として重要な役割を果たしますが、リサイクルの実施にはさまざまな課題が存在しています。

 

リサイクル率の低さ

プラスチックはリサイクル可能な素材ですが、食品工場内で使用されたプラスチックのリサイクル率は十分とは言えません。特に汚れたプラスチックはリサイクルが困難です。
例えば、食品が残っているプラスチック容器や包装は、リサイクル工程に入れる前に清掃する必要がありますが、清掃作業が非常に手間がかかり、コストが高くなるため、汚れたプラスチックはリサイクル施設で処理されず、そのまま廃棄されることが多いです。

また、プラスチックと他の素材が組み合わさった複合素材もリサイクルを難しくします。
例えば、飲料のパックやスナックの袋などには、プラスチックとアルミニウムが複合された包装材が使われていることがあるため、リサイクルの際に素材を分けることが難しく、リサイクル処理が効果的に行われません。

 

食品工場内での廃棄物管理

食品工場内では、製造過程で使用されたプラスチック部品や工具、梱包資材などが廃棄されます。これらの廃棄物が適切に処理されず、環境に悪影響を与えることがあります。特に、機械部品や製造ラインで使われるプラスチックの部品は、再利用されることなく捨てられることが多いです。

 

取り組みと解決策

プラスチック削減と代替素材の採用

食品業界は、過剰なプラスチック使用を削減するための取り組みが始まっています。具体的な解決策は以下のようなものです。

代替素材の導入

食品包装のプラスチックを減らすために、バイオプラスチックガラス金属など環境に優しい代替素材を使用する動きが増えています。
バイオプラスチック:植物由来の素材を使用したバイオプラスチックは、従来の石油由来のプラスチックよりも環境負荷が低いとされています。特に、トウモロコシやサトウキビから作られるPLA(ポリ乳酸)などのバイオプラスチックが注目されています。

軽量化とデザイン改善

プラスチックの使用量を減らすため、包装の軽量化が進められています。軽量化によって、同じ量の製品をより少ないプラスチックで包装でき、結果的に廃棄物が削減されます。包装のデザインを見直し、必要最低限の材料で製品を包む「エコデザイン」の導入が進んでいます。

 

リサイクル技術の強化

リサイクル可能なプラスチックの使用を促進し、リサイクル技術の向上が求められています。食品工場でも、プラスチックの分別を徹底し、リサイクル率を上げるための取り組みが行われています。
例えば、プラスチックの包装素材を変更したり、リサイクルしやすいプラスチックを使用することで、廃棄物削減を目指しています。

また、製造過程で出るプラスチックの廃棄物も、適切にリサイクルするための仕組みが整備されています。再生可能エネルギーとして焼却し、そのエネルギーを工場内で利用する方法も一部で採用されています。

 

消費者との協力

食品業界は消費者に対して、環境に優しい選択肢を提供し、意識を高める取り組みを進められています。

エコパッケージや再利用可能な容器の利用を促すことで、消費者にもプラスチック削減の重要性を伝えています。再利用可能なバッグや容器を提供したり、プラスチックフリーの商品ラインを展開するなどの試みが増えてきています。また、飲料業界ではペットボトルを回収して再利用するシステムを導入する企業が増えています。

 

まとめ

食品工場におけるプラスチック問題は、過剰包装やリサイクルの難しさ、廃棄物管理など、多岐にわたる課題がありますが、業界全体として、プラスチック削減や代替素材の採用、リサイクル技術の向上に向けた取り組みが進んでいます。企業や消費者が協力し、持続可能な社会を実現するためには、今後もこの問題に対する意識を高め、行動を起こしていくことが求められます。

 

<参考>
世界と日本のプラスチックごみの現状
プラスチックごみ削減へ|味の素グループのプラスチック廃棄物ゼロ化への取り組み

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今井 はるえ

ウレタンの特性を生かした商品を製造・販売している、株式会社エクシールに勤めています。どんなことも明るく、前向きに取り組んでいきます!! 好きな果物は、イチゴです!いちご狩り大好きです!
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